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愛しき姫は異世界に  作者: janky
第9章
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やや~過去編1

「集まったか?」


実丸が莉心様の部屋に入ってくる


「実丸が最後よ」

阿兎はそう言いながら全員を見回した


「和兎、未来弥、飛奈、妃乃瑠、莉心様、龍様

でいいんでしょ?」


阿兎に頷く


「実丸、その顔どうしたの?」


莉心様が驚いて顔を覗いてくる


「え?ああ…大丈夫です」


事情を知ってる和兎と飛奈は笑いながら妃乃瑠を見つめた


「何で笑ってるの?」

「また後で教えてあげますよ」


和兎に諭され龍様の横に腰を下ろした莉心様は恥ずかしそうに顔を伏せた


龍様も気まづいのか何も話さないまま

静かに俺達に視線を向けていた



「じゃあ、妃乃瑠。目瞑って」


和兎に言われ目を瞑る妃乃瑠

実丸と阿兎と和兎が術韻を詠むと

ゆっくりややの念が現れた


「やや…」


阿兎の切ない声にややも懐かしむ顔をした


『みんなごめんね…

妃乃瑠ちゃんもごめん』


「いえ、私は大丈夫です」


『龍も来てくれたの』


頷いてややを見つめる龍様も切なそうな顔をしていた


「龍様…」


ゆっくり見えないように大振袖で手元を隠し龍様の手を握った


「莉心…ありがとう」


ギュッと握り返してくれて

自分の大胆な行動に今更胸がうるさく鳴る



「やや、あの日何があったか教えてくれないか?」


実丸がそう言えばややは少し考えながら

俺達に視線を向けた



『話せば何か変わる?』


「私は変わると思う」


阿兎はそう言いながらややを見つめた


「それに、今俺達が護衛についてる莉心様は訳あって中界からきて、本当の莉子姫様は呪いで封印されてる

しかも莉心様は黄泉の死者光愛に中界で会ってる

関係ないと言いきれるか?」


実丸さんがそう言えば

ややさんと視線が重なった


『懲りずにまた中界の人を上界へ繋げるなんて…

莉心ちゃん…大丈夫?』

「はい…良くしてもらってます」

『龍…守ってあげてね』

「ああ。解ってる」


『私が知ってる限りの話になるよ?

光愛さんの事は藩登様か釈愛様が知ってるはずだけど教えてくれなかった…

舎羅登さんも全部知らないみたいだった…』




そう言ってやや様は静かに語り始めた









____________







「あーあと1年で卒業か」


袴をはだけてダラダラする和兎


「和兎、だらしないわよ」

「ねぇ今日はみんなで花火しようよ」



ややはそう言いながら楽しそうに屋根の上ではしゃいでいる


「あんまり暴れると落ちんぞ」


和兎はそう言いながら笑っていた


卒業を1年後に控えて

私たちは今年20歳になる


「そう言えば実丸、また活躍してたね」

「もう一人前だな」

「このまま行くと莉子姫様の護衛になるみたいよ」


阿兎と和兎の会話を聞きながら

実丸の事を思い出していた


「そう言えば、もう実丸近寄ってこないもんね…」


ややは寂しそうに屋根に座り込んだ


「淫魔事件からもう半年くらい経つっけ?」


ややの問に二人で頷いた


「妃乃瑠もどんどん成績あげてるし、あの再生能力は天下一品だって藩登様が褒めてたから護衛に早くなれそうだな」

「妃乃瑠ちゃんも凄いんだね」

「そう言えば、龍君の(ちぎり)の儀式は何時(いつ)になったの?」

「このまま行けば17歳でできそうだよ

龍君15歳になったからあと2年かな」

「えー早いな。

だいたい受け入れる体作るのに早い人で5年はかかるって聞いてた」

和兎に続いて阿兎も

「去年から始めたんでしょ?

じゃ17歳で成功したら3年!?

天才って言われるの解るね」

「でも凄く怒られてるよ?

お父様厳しいからね

よく影に隠れて泣いてる」

「まだ15でしょ?

私たちが15の時なんてまだ世の中の仕組みも術韻も詠めなかったよ?」

「俺なんか漢字読めなかったからな」

「アハハ

本当に阿兎も和兎も面白いんだから

あっそう言えば今年1年だけ私もみんなと一緒に勉強出来ることになったの」

「え?どういうこと?」

「うん、なんかお父様が嫁いだ時に作法だけ良くて式神一つもできないなんて恥に値するっとか言い出したから…みんなの授業の、端っこで練習させて貰う事にしたの」

「じゃあ俺達が教えてやるよ」

「うん、ややの事狙う男子がいっぱいだから気をつけてね。私か和兎が居る時においで」

「ありがとう

お父様が阿兎と和兎の事凄く気に入ってるから特別だって言ってくれてた」

「それは光栄だな」

「うん」

「じゃあお昼から早速出ようよ?

私たち居るから」


「うん!」




教室に3人で戻り

和兎が机と椅子を倉庫から持ってきてくれた


「ややが教室に居るとか新鮮」

「なかなかいいな」

「いつも先生と2人だったから嬉しい」



ガラガラ


っと教室のドアが開くと

ボサボサの髪をかきながら前髪で目が隠れ

如何にも根暗そうな人が入ってきた


「誰…?」


ややはそう言いながら私と和兎を見つめる


「舎羅登さん!?」

「え?どうして?」


「おー、なんかお前らに術韻の解読の授業しろって伯父貴に言われて来た」


「めっちゃ嬉しい」


和兎がテンションをあげてそう言えば口々にクラスに居た生徒達も騒ぎ出した


「凄い人なの?」

「凄い人だよ

術韻を解読できる人なの」

「へぇ…」


よく分からない顔をしたややは


「ちょっと生理的に不潔そうで苦手だな」

「お前、なんて事言うんだよ」


和兎は笑いながらややを咎めた


「憧れてるんだからな、高専のみんな」

「そんな凄い人なんだ」

「花屋敷の人だぞ?

知らねぇのか?」

「花屋敷のお屋敷に何回か行ったことあるけど会ったことない」

「そりゃそうよ

お薬処にもうずっと寝泊まりしてるでしょ」

「そうなんだ…全然知らない」


私が見た初めての舎羅登さんはタイプじゃなく苦手な人だと思った


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