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愛しき姫は異世界に  作者: janky
第8章
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紅月に密着!?

「莉心様、今日のスケジュールです」


紅月ちゃんが朝部屋に来てそう紙を差し出してくれた


「昨日あれから大丈夫だった?」

「はい。

すみません…

私がもう少し戦えれば

それに一緒に行っていれば良かったですね」


頭を下げる紅月ちゃんに立ち上がり手を掴む


「ううん、あの時助けてくれようとして本当に嬉しかったし、ありがとう」


私がそう言えば泣きそうな顔をした


「紅月ちゃん?」

「私…本当は解ってるんです

妃乃瑠先生より強くないし、判断力もないし…

書類のみの臨時護衛の抽選に当たっただけで…

あの人達みたいになれないんです」


「…紅月ちゃん…

書類でも抽選でも今紅月ちゃんは私の護衛だよ?

戦えなくても

…戦おう、守ろうって思ってくれたこと

実丸達と変わらないよ

怖かったはずなのに…ありがとう」


莉心様に強く抱きしめられて涙が溢れた


「私…実丸さんが好きです」

「うん」

「強くなりたい…」

「なれるよ。

紅月ちゃんなら」


私と近い年齢でこんな思いを経験してる事が凄いと思った


私たちみたいに教科書を広げ

放課後どこかへ遊びに行く

テレビを見て電話やLINEをしたり…


この世界の子達は

日々鍛錬して未来の命をかけて守る者を探してる



「大丈夫?」

「ごめんなさい」

「ねぇ、お願いがあるの」



そう言いながら紅月ちゃんの手を握り部屋を出た


「莉心様?」

「紅月ちゃんのクラス見に行きたい」

「え?そんな事したら実丸さんに怒られます」

「大丈夫大丈夫

怒るのが仕事だからねあの人

それに一緒に怒られよう」


そう笑えば紅月ちゃんも少し笑顔になった


そして2人で高専へ向かった




_________



「あれ?」

「妃乃瑠先生どうしたの?」

「ううん、大丈夫」

「もしかして昨日のこと思い出してたり」

ザワザワしだすクラスに

「また、怒られたいの?」

っと凄まじい気流で術韻を手に集め出す

「あなた達の扱いはだいたい解ってきたよ?

ほら誰から(しご)いてほしいの?!」


演習室を逃げ惑う生徒達に高専の最上階を見上げた

莉心様が来てるのかな…




_______



「ここが特別クラスです」


学校の最上階の廊下につけば紅月ちゃんがそう言って指を指す


「特別クラス?」

「全校生徒の中で成績優秀

即戦力になるって判断された人達が集まるクラスです」


紅月ちゃんがクラスに入れば授業が一旦止まり

後ろのドアから頭を下げて入れば


『莉心姫様だ!』

『莉心姫綺麗…』


10人程の生徒がザワザワし出す


「莉心様…どうなされましたか?」

「九楼先生!?」

「今は僕の授業中です」

「紅月ちゃんの一日に密着しようと思って」


っと笑えば

(ふところ)に手を入れた九楼先生の腕を掴んだ


「実丸には言わないで」


握り締めてた式神を離す九楼先生にホッと胸をなで下ろした


「大人しく座っててくださいね」

「はい」


だけど私はいつも何の強運なのか

とんでもない事に居合わせてしまう




_________





「見つかったか?」

「無理だ…ややの奴また消えたのか?」


伯父貴にそう言えば

笑いながらお薬処のベッドに腰掛ける


「どうするつもりなんだ?

光愛の事…」

「とにかく浄土へ送り返さないと…

あの念は酷く強い」

「もう…浄土は無理だろう

下界へ強制送還するべきだな」


そう言えば舎羅登の瞳が大きく揺れた


「まだ分からないだろ」

「分かるだろ。

あれはもう光愛じゃない

黄泉の死者だ」


伯父貴を強く睨んだ


「伯父貴達がちゃんと中界へ送ってやればよかったんだろ!!あの日勝手に光愛を消したのは…」


思い出さないように

鍵をかけて居た感情が溢れてきそうになる


「選んだのは光愛で、帰ろうとしたのも光愛だ」

「伯父貴や母さんに詰め寄られて

呑気に暮らせるほど無神経な子じゃなかった

いっぱい悩んでいっぱい泣いたと思う


俺だけでも気づいてやれば良かったのに…」


悔やむ事しかできない

思い出せば苦しい感情しかない


「運が悪かったしか言いようがない

そう言っただろ?」


「運?

一人の人生めちゃくちゃにして運?だと…

伯父貴のそういう所が昔から大嫌いだよ」



そう言いながら部屋を出ていく舎羅登の背中を見守った



「はあ…難しいな」




____________




「みんな凄い」


莉心様は手を叩きながら目をキラキラさせていた

生徒達の実演で手の上に気流を集めそれを(まと)

守の韻・(じょう)の練習をしていた


「色がそれぞれ違うんだね」

「そうです。その人が持つ色なので

私は黄色です」


紅月ちゃんの綺麗な黄色をニコニコしながら見つめる

ガヤガヤする教室から廊下に目をやると

私達1人の女の子がこっちを見ていた


授業に集中するみんなの邪魔をしないように廊下に出る


「少し疲れたのかな?」

「そうだな、廊下くらい大丈夫だろ」


紅月と俺はそう言いながら廊下にいる莉心様を気にしながら授業を続けた



「あれ…」


少し廊下の先に移動してるその子の所へ近づけば


『やっぱり見えてるんですか?』


そう声が聞こえた

でもこれは知ってる


「あっ…」


口を抑えてゆっくり後ずさりした


『逃げないで』


グっと念のようなもので掴まれる


『少しだけ…』


その言葉に顔を横に振った


『…お願い…

九楼先生に伝えたい事があって…』


「え?九楼先生?あっ!」


また口を抑えれば

その子はゆっくり頷いた


『私…皐月(さつき)って言います

数ヶ月前に死んだの…

実演中に黄泉の死者に襲われて…

最後まで守ろうとしてくれた九楼先生にお礼を言いたくて…』


「黄泉の死者に襲われたの?」


頷いた皐月ちゃんは


『九楼先生の首に深い傷があるのはその時の傷なの』


何回か教えに来てくれた時見かけた気がする

首の傷の理由は聞かなかったけど…


『だからお願い

一言だけありがとうって

私は大丈夫だから頑張ってねって…言いたいの』


「それは…」


答えを言う前に視線がぶつかり動けなくなる


『ごめんね』


「ンンッ」


そこで私は意識をなくした



『「紅月…絶対許さない」』

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