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愛しき姫は異世界に  作者: janky
第8章
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呪い移し

「莉心…何してる、離れろ!」


藩登様の横を駆け抜けていく


「藩登様ごめんなさい」


藩登様に頭を下げ龍様の元へ駆け寄る



「龍ぅぅぅぅ!」



光の中で目を瞑り左胸から飛び出してるミコトとコハクが天に向かい頭を向けていた


「龍、目開けて!!」


体は傷だらけになっていた


「これ以上は近づけない?」


『ああ、俺は大丈夫だが

竜使いじゃないお前が近づけば呪いを貰う』


「大丈夫だから」


『侮るな

中界の人間如きが血迷ったか?』


「でも龍様がこのままじゃ」


『お前が行って何になる』


「皇我なら分かるでしょ!

助けたいの…大切な人を…」


『……』


「私なんかどうなったっていいの!

だって龍様はこの世界に必要な人なんでしょ!?」


『莉心…お前…』


涙を流しそう訴える莉心の涙が背中に伝う


伝わるその熱は

我を穏やかに包み込む


「皇我…お願い」


『30秒…

呪いをもらうまでだ分かったな』


「うん」


「やめろ皇我!」


実丸の声に皇我は光の中へスピードをあげた



『後でドヤされるな』


「私も一緒に怒られるよ」


『行くぞ』


「うん」


ピーンっと張り詰めた光をくぐり抜けて龍様の所へ駆け寄る


『降りても大丈夫だ

急げ莉心』



目を瞑りいろんな所から血が流れる龍様の頬を撫でる


「龍様!起きて」


『莉心急げ』



手の先からどんどん赤い念がまとわりついて

爛れたような形になる


「龍様!」


『「莉心」』


私の名前を呼んでそっと頭を撫でてくれたのは


「龍様?」


『「少し無理をしすぎたみたいだ」』

『魂が出てしまったのか』


皇我の声に頷いた龍様


「どうしたらいい?」


震える莉心を抱き寄せた



「龍様!」


『「何もしなくていい

その呪いは貰っていく」』



「ンッ///」


『「さよならだ」』


体から爛れが消えていく


「サヨナラって?」


私を離した龍様は優しく笑っていた


離れる龍様を強く抱き寄せた


『「莉心時間が無い」』


「嫌…嫌だよ!」


『「莉心…ッん」』


龍様の唇を塞げば怖いくらい実感した



私…


好きなんだ…って




『『熱烈だな』』


その声に唇を離せば龍様や皇我、気流の流れも時を止めていた



「あなたは…」


『『またか?って思った』』


「ううん

どうすれば助けられるの?

助けたいよ…」


『『こないだとはまるで別人だな

強くなったじゃねぇか』』


「……あなたは誰なの?」


『『気になるなら藩登にでも聞くんだな

ほら、やるぞ

助けるんだろ?』』



「うん」



ねぇ…

おかしいよね…


私は毎日制服を着て、変わらない日々を過ごして

当たり前に携帯を見て、好きなドラマを見て

大好きな人達に囲まれて

人なりの生活の中で生きてた


この世界に来たことも

まるで夢のようで…


でも夢とは違うリアルが身体を伝って現実を伝えてくるの


ご飯を食べて美味しい

とか

お話して笑って楽しい

とか

龍様に抱きしめられた温もり

とか


龍様を好きだって思う

胸の切なさ…とか

体が傷ついた痛み…とか


龍様と話せた日は心が弾むくらい嬉しかった

龍様とお花を積みに行けば心が穏やかになった


だからまだ私はこの世界のほんの1部しか知らないのかもしれないけど


涙が無性に溢れてきた



『『こないだは、龍に頼まれて途中で術韻をやめたんだ』』


「え?」


『『莉心に呪いを与えるなって怒ってきやがった』』


「龍様…」


『『お前も覚悟はあるのか?』』




見据えるこの人にゆっくり頷いた



「うん」


『『呪いを貰うぞ』』


実丸や舎羅登さんや龍様についてる呪いを思い出す

酷くて痛々しいその呪いを私も受けるかもしれない


それは怖いことなんだと思う


さっきも藩登様が舎羅登さんの呪いを見て怒っていたのを目の当たりにした



でも…


「それでも…龍様を助けたいの」


『『分かったよ』』



バッとその人は私を後ろから抱きしめた


「え?」

『『莉心は黙ってここに立ってて』』



時を止めたまま

その人の声が響いていく



『『音の言霊、目覚めし竜使い

タツノミコトコハク

そなたらの主の元へ帰りたまえ』』


ミコトとコハクの体にその人が念を放つと

時間が動き出した



そして


すごい勢いでミコトとコハクが龍様の中へ吸い込まれていく



『焔!!』


皇我は私を抱きしめる人をそう呼んだ



『『覇王、久しぶりだな

元気にしてんのか?』』


『戯れてる暇ないその子を離せ』


『『これからが見ものだろ』』


そう言えば

龍様の中にミコトとコハクが戻り

胸の上で龍の封印の韻が浮かび上がり

龍様の左胸へ消えていった



「龍様!」



バリバリっと包まれていた光が音を立てて壊れていく



『『莉心、俺は呪いを受ける体をもってない

どうもしてやれなくて悪いな』』


「焔様…?」



龍様の目が開いたその時



「んんっ///」


焔様に顔を掴まれ唇を塞がれた


「莉心!」


「んー//!!」



ドンドンっと焔様の胸を叩けば

ゆっくり離れた


『『すまない。莉心』』


プツンっと消えた焔様


その瞬間体の中が何かが蠢くように這いずり回る


「いやっ」


意識が遠のいていく

立っていられず後ろへ倒れるのを皇我が受け止めてくれた



起き上がる龍様がまだ状況を掴めない様な顔をして私たちを見つめてるようだった



『龍、呪いだ!』


「呪い?」


『お主を助けるために焔が莉心に呪いを移した』


「焔様…移した?…莉心に…」


ハッとして立ち上がり空中の中駆け寄る


痛さと熱さで莉心が意識を無くしていた



「莉心…

皇我とにかく地上に下ろしてくれ」


『承知』



「莉心、どうした!?」


藩登様も式神で駆け寄ってくる


「莉心が呪いを…」



莉心を抱きしめた龍が阿兎たちの元へ下りていく

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