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愛しき姫は異世界に  作者: janky
第6章
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初めてのキス?

「莉心様…」


実丸は目を伏せ

「……」


阿兎や和兎も顔を伏せた


生徒達も守の韻を解き集まるが初めてみる呪いに言葉を失っていた


「大丈夫か…って莉心ちゃんそれ」


舎羅登さんも駆けつけ莉心様の横へ屈む


「舎羅登さん、俺に」


実丸が何か言おうとするのを

龍様の声が遮る


「離れろ…全員」


「龍、お前」


「舎羅登さんも」


そう言いながら

龍様は莉心様を床に置き

横に座る



「左に流れし蒼き涙

右に流れし紅き血よ」


龍様の周りを風が纏う


指先を噛み流れた血を莉心様の顔に浮かぶ呪いにあてる


「龍様…」


阿兎は心配そうに見つめた



「我神の名の元にその呪い(うけたまわ)


零恩志式術韻 呪縛移式(じゅばくいしき)


そう唱えたあと

龍様は莉心様に口づけた


『きゃ///』

『わあ//』


っと生徒達の(どよめ)く声になる



より一層強い風が吹き抜ければ

莉心様から唇を離した龍様の顔に呪いが浮かび

それは浄化され綺麗になっていた


念は浄土の道を行き消えていく



「莉心…」


「んっ…」


目を開けた莉心はゆっくり起き上がった


「大丈夫か?」

「はい…大丈夫です」

「すまなかった」


そう言いながら莉心の唇を袴の袖で拭う


「え…」

「術を移すためとはいえ口を塞いでしまった」


真顔で言う龍様の

その言葉が頭をまわる


口を


ふさいだ…


塞いだ!?


「キス…」


自分の言葉で顔が真っ赤になる


「莉心、どうした?」


赤くなる莉心に顔を近づければ


「ダメ!」


っと顔をつかれる


バッと立ち上がった莉心は

周りを見回して


「見ないで!!」


っと演習室を飛び出して行った



「何あの反応、可愛すぎだろ」


和兎は笑いながら龍様の肩を叩いた


「あれはきっと初めてだったんじゃねぇの」


舎羅登さんは名木山の体を調べながらそう言えば


龍様は訳の分からない顔をしながら阿兎を見つめた


「術の為に塞いだだけなのに

どうしてあんな反応になるんだ?」


「龍様…」


阿兎はため息をついた


「女心を誰か教えてあげて」


とそう呟いた


「よし、昨日肝試しに行った奴らは後で講師室に来い。

先に壊れた壁や扉を治すぞ」


っと九楼が言えば生徒達が動き出す


「俺は莉心様の所へ」


「実丸はこっち。

女の子同士話してくるね

妃乃瑠ちゃんが居ないなら尚更ね。」


「じゃあよろしくお願いします」


「なあ、和兎

教えてくれ」


龍様はそう言って和兎を困らせていた


「そりゃ好きな人と初めてはしたかったんじゃないんすか?」


「…俺ではダメだって事か?」


「いや…そういう訳じゃないと思うんですけど」


「俺達は婚約の儀をする為練り歩いた仲なのに」


本当にこの人はつくづく真面目だと思う


「まあ龍様。

後で謝りましょう」


「納得できないけど仕方ない」


「じゃあ先に片付けましょう」



上手くまとめた和兎に俺と舎羅登さんは

小さく頷いた


「後で莉心に

あれはキスにカウントするなって伝えるよ」


っと言う龍様に3人で


「「「ダメだ!」」」


っと叫んだ


「龍様、そんな事言ったらまた部屋に篭って無視されますよ」


和兎が言えば


「何故だ。

今まで口を塞げば喜んでた子達しか見てない」



その言葉に実丸が呆れた顔を向けた


「天然のタラシだな」


っと呟いた


「よく泣きながら何人も女の子来てたよ昔。

龍様は遊びだったなんてって」


舎羅登さんも笑いながらそう言った


「とにかく呪いが解けてよかったです」


「実丸が移すって言いかけてムッとしたんじゃねぇか」

「俺は別に莉心様とキスしたかった訳じゃないっすよ」

「うわ…思い出した

妃乃瑠とお前の初めてのキス」

「舎羅登さん」

「何?何?その話めっちゃ聞きたい!」


和兎がそう言えば修復を手伝いに来てた

生徒達も寄ってきた


「おい。お前ら作業に戻れ」

睨みながらそう言えばみんな作業に戻った


「あの呪いは妃乃瑠になんて説明したんだ?」

「若気の至りって言ってます」


笑う舎羅登さんは

「早く目が覚めるといいな」


って言い残し演習室から出ていった





_______




「莉心様、襦袢姿では冷えますよ?」


っと新しい大振袖の着物を持ってきてくれた阿兎さん


「ごめんなさい。飛び出してしまって」

「いいえ

前にもお伝えした通り、

龍様、全然女心がわからないのでみんなが見てる中あんな事を言ってしまい申し訳ございません」


「…いえ

あの…こんな時どんな顔をして会えば良いですか?」


「え?」


莉心様の問いに違和感を覚える


「絶対また、顔赤くなっちゃうし

目とか見れないです…」


「莉心様…怒ってるわけじゃないんですか?」


阿兎さんにそう聞かれて


「怒る?」


と聞き返した


「好きな人じゃない人にキスされれば…嫌じゃないですか?」


阿兎さんの言葉に自分でも驚いた…


「え…あっ…そうですよね…」


私…何考えてるんだろう…


「嫌われてる理由(わけ)ではなくてよかったです」

「龍様の事…嫌いじゃないよ

好きな人に似てるけど、性格は全然違うし

でも…悪い人じゃないって思う」

「莉心様…」

「自分でも不思議なの

知らない場所で知らない風習で知らない人達ばかりなのに…少しだけ心地よく思ってる

お父さんやお母さんに会いたい

龍斗や夏夕(なゆ)にも会いたい


でも…龍様や実丸、妃乃瑠ちゃんに阿兎さん、和兎さん、舎羅登さんとも離れたくないって思う私が居るの…」


阿兎さんは優しい瞳で私を見つめてくれた


「この世界には私の居場所はないけど…」


「莉心様。

龍様が聞くと喜ばれると思います

そして今莉心様の居場所は此処でございます

遠慮なさらず堂々と居てください」


「ありがとう

阿兎さんだったらどうしますか?

普通に接しますか?」


「私なら…許すかわりに美味しいものでもご馳走してもらいますかね」


「それいいね!

よし、平常心平常心!」


大振袖を着ながら莉心様は何を食べたいか考えているようだった



私が感じた違和感は、すぐ形になっていく

それは導かれるように

そっと…

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