両親の反応
「ただいま。お父さん?お母さん?」
靴を脱ぎながら声をかければ
家の奥の方からお母さんの声がして
「莉心おかえり」
エプロンで手を拭きながらお母さんが笑ってくれた
それだけで不安が拭われてくように消えていく気がした
「遅かったな」
ソファに座るお父さんも優しく笑ってくれた
「夏夕と占いに行ってたの」
「そうか」
っと返事してお父さんはテレビに視線を戻した
「あれ?莉心って占い嫌いじゃなかった?」
お母さんはそう言いながら再び料理を始める
「嫌いだよ。最悪なことばっか言われたの」
「何?気になる」
「お母さん楽しんでる?」
「えっ?解った?」
「もう。」
お茶をコップに注ぎお父さんの隣に腰掛けた
「なんかさ、半分消えてるとか言われたんだよ?
金色の掛け時計か反対に時を刻んでるんだって。
あとお墓参りがどうとか言われたし、青色と赤色の瞳が守ってくれるとか」
半分笑いながら言ってたのにその笑いはゆっくり消えていく
軽快に響いてたお母さんの包丁の音が止まり
沸いてる湯の音が大きくなる
そして何よりお父さんの顔がすごく怖かった
「お父さん…?」
「………」
黙ったままお父さんは強く瞳を閉じた
怖くなりお母さんにも顔を向けた
「お母さん?」
「…莉心、その占いをした人の名前は解る?」
「え?あっ…如月…美琴って言ってたけど…
どうかしたの?2人とも…」
ザッと立ち上がったお父さんは
「先にご飯食べてて」
それだけ言い残して家を出ていく音がした
「お母さん、どうしたの?
おかしいよ。
お父さんどこ行ったの?」
「莉心。大丈夫よ
後でちゃんと話すから先にご飯食べましょう」
「…うん」
もちろんご飯は喉を通ることはなくて…
これから起こること。
それは今の私には想像つかないでいた
人を好きになって
普通の生活を送る
他愛の無い日常でよかった。
だけど目まぐるしいスピードで色んなことが
私を待ち構えていたんだ