新しい2人の仲間
「花屋敷家って…
身内で封印したってことですか?」
「あぁ。そうなるな」
舎羅登さんはタバコの煙を吐き出し灰皿に押し付け伸びをした
「まあ、あれだ。
あと半年はかかると思っておいて、解読」
「舎羅登さんでも難しいなんて、
俺達には絶対無理ですよ。
大人しく待ちます
まっ零恩志家の方がってだけですが」
ニヤニヤする和兎に向き直り
「おー言うようになったな。
クソジジイらはうるせぇんだよ、毎日、毎日
まだか?できたか?莉子は大丈夫か?
知るかっつーの」
そう吐き捨てた。
「うわーブラック舎羅登さん」
「寝起き最悪だからな
やっと寝付いた時に起こされたら、
こうなるだろ?」
「ならないっすね」
「やっぱり阿兎も和兎もつまんねぇな」
笑いながら話していたが
ピリッとした空気が一瞬で俺達を駆け巡る
「来たか?」
舎羅登さんの声に気を引き締めた時だった
バリバリっと封印した運命の輪が開き出した
「舎羅登さんはあの娘お願いします」
「和兎大丈夫か?」
「現役なめないでください」
「おう」
一層大きいヒビが入り運命の輪が開いた
「いやぁぁぁ」
「わっ、何してんだよ!」
「実丸が押すからコケたんじゃんか」
俺の背中にくっつく元凶に向かって
「ったく、離せ早く
…舎羅登さんの処だな」
「本当だ」
騒がしい2人に戦闘モードになってた自分が恥ずかしくなる
「おい。実丸、妃乃瑠何してんだよ」
「あー!和兎だ!久しぶり。
どしたの?怖い顔して」
妃乃瑠は実丸から離れ俺の所へ駆け寄る
「この状況を読み解け」
「えっ…と…お邪魔だった?」
妃乃瑠はそう言いながら舌を出してウィンクした
「はあ…」
ため息をつくと
実丸が肩をポンポンと叩いてくる
「すみません」
「お前まで何言ってんだよ。
ってかそれよりどうして運命の輪から?」
「まあちょっと。黄泉の死者の調査です」
実丸はそういうと舎羅登さんの方へ歩き出した
「実丸か、驚かせんなよ。
てっきり黄泉の死者だと思ってさ」
「すみません。その娘連れていきます、治療終わってますよね?」
「おぉ。お前らは知ってるのか?この娘の事」
「そうですね。
それ以上探られると困るんで先に言いますけど、長と零恩志の企みなんで俺達は無害です」
「そんなこと解ってるよ」
二人のやり取りを見てる俺に妃乃瑠がソッと声をかけてきた
「和兎、また術韻の力あがったね?
実丸が凄く文句言ってたよ?」
「そりゃ日々訓練してるからな」
「うん、そうだね
そういう所本当に尊敬するよ」
「けど、あいつはいつも俺の上を行くんだな」
そう言いながら和兎は実丸を悔しそうな敬うような不思議な瞳をしていた
「まあ、この国最強だからね」
「そうだな…
超えれる気がしねぇよ。
あの強さだけは…
背負ってるもんが違ぇんだなって毎回思うよ」
言い終えたと同時に思いっきり強い衝撃が背中に走った
「いっってぇー!!」
その原因は横にいる妃乃瑠だった
思いっきり背中を叩かれたであろう
「イタタッ。ってか和兎本当真面目だね。
神経質って言うの?実丸は確かに強いよ、でも和兎にしか出来ないこともあるんだから比べたらダメだよ?」
「うっせ。年下のクセに」
こういう風に優しく宥める妃乃瑠に何度も救われる
「おい、実丸。顔怖いぞ」
「?あぁ…で、何でしたっけ?」
「何でしたっけって…」
実丸の視線は笑い合う2人に踊らされてる
気になるけど見れない。
でもソッと見てしまう
不器用なんだよな実丸は。
「とにかく莉心様を連れていきます」
実丸は思い出したかのように手を差し出してきた
「ちょ、ちょっと待て。今なんて言った?」
「連れていきます」
「違ぇってその前」
「莉心様?」
「それだよそれ!」
舎羅登さんは驚いた顔をしてその娘をもう一度ベッドへ降ろす
「莉心様ってどういう事だよ?」
その声にじゃれていた和兎と妃乃瑠もこっちへ来る
「さっきも言いましたけど、
詮索しないで欲しいです」
「まあ守秘義務?ってのは解るけど、
この顔でこの体型に名前が りこ だぞ?
姫の代わりをさせる気か?」
「まあそんな所でしょうね。
決めたのは舎羅登さんの叔父さんであり花屋敷を背負う長です」
何も言葉が見つからないのかタバコに火をつけた
「舎羅登さん、とにかく実丸の言ってる通りソッとしといてもらえませんか?」
妃乃瑠はそう言いながら横に腰掛けてくる
「……」
「悪いようにはしないって…」
「そんなわけねぇだろ!!」
妃乃瑠の言葉を聞き終わる前に大きい声で遮ってしまった
「舎羅登さん…」
和兎や実丸も真剣な表情に変わって舎羅登さんを見つめた
「わりぃ、大声だして」
「いえ、ごめんなさい。」
「俺の中で花屋敷家も零恩志家も全てが分かるわけじゃねぇけど、よく考えろよ?
異世界から人を連れてきたんだぞ。
この世界に居ないはずの奴がここに来たことで何千人もの人の人生が代わってる」
そう言われ自分たちがこの娘に突きつける現実を実感していく
「知ってるか?異世界からの侵入者の末路」
「…末路?普通に帰されるんじゃないんすか?」
和兎の問に目をぐっと寄せ眉間にシワがよるほどに憤る舎羅登さん
「消えるんだよ。
全ての記憶から自分という存在が」
「嘘だよそんなの…」
妃乃瑠は信じられないのか目を見開き俺とこの娘を交互に見つめた
「嘘じゃねぇよ…
お前らは知らないだけだ」
「だって、
私たちはただ何かの解決になるかもしれないって言われたから」
「妃乃瑠!それ以上言うな」
「実丸…。
だってそんな…
私たちこの娘に酷いことしてるよ…」
「解決?笑わせるな
お前らちょっと来い」
舎羅登さんは数人のお手伝いを呼ぶと
その場から離れようとした
「俺が守の韻を掛けます」
実丸はそう言うと胸元から5枚の式神を取り出した
「悪いな、俺は生憎解く専門だから」
そう言った舎羅登さんは哀しいような顔をした




