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第八話 集う者達

そろそろクライマックスになるかもです。

甲府を制圧したことにより各レジスタンスがナイトメアに参加、もしくわ協力する組織が増えていった。そして渚は次々にレジスタンスを指揮下に置いた。

「聞いたか?キョウサカも俺らに協力するって」

キョウサカはナイトメアの次に大きい組織で主に大阪と京都を中心に活動している。関東がナイトメアなら関西はキョウサカと言われるほどだ。そんな組織が味方になるのだ。ナイトメアにとっては心強い

「なぁ、由井キョウサカと言えばファリナだよな?」

渚は由井に問いかけた。

「は?何の事?」

「パイロットの話」

「あぁ、そうだな」

「悪いが俺は格納庫に行くぞ。ファントムのお偉いさんが来るらしいから」

渚はエレベーターに乗り、格納庫に向かった。


「応千、戦力はどれぐらい集まった?」

「今の所、2500くらいだ」

「そうか・・・3000に増やせるか?」

「やってみる」

「すまない」

渚は応千にそう言うとヘリポートへ向かった。

30分経過した頃、一台のヘリが着陸した。中から一人の少女が出てきた。

「こんにちわ、武田龍二に代わりに参りました。神崎かぐやです。」

「これはどうも、ご丁寧に」

渚は軽く一礼した。まさかファントムのお偉いさんが少女だとは渚も予測していなかった。

「あたながナイトメアのリーダーですか?お若いですね」

「私の方こそあなたみたいな幼い人だとは思いませんでした。ではこちらへ」

渚はそう言って室内へと促した。


「用件とはなんでしょうか?」

かぐやが話を切り出した。渚はコーヒーを一口飲んで口を開いた。

「はい、私がお願いしたい事とは非戦闘員を保護して頂きたい」

「保護ですか?」

「はい、今度の戦いは勝てる確率が低いのです。もしそれで非戦闘員まで殺されたら本当に日本はもとに戻れなくなる。」

かぐやはうーんと考える仕草をする。

「分かりました。アメリカ連邦国と話をつけてみます。」

かぐやは渚にそう言った。渚は一礼しお礼を述べた。


「亜里亜、ちょっといいか」

渚は亜里亜を引き止める。亜里亜は「何?」と反応する。

「亜里亜、移動の準備できたか?」

「うん、でも行かないと行けないの?アメリカに」

「みんなの事を思っての事なんだ分かってくれ」

渚は亜里亜の肩を軽くはたく、亜里亜は「うん」とだけ頷いて自室に戻った。


渚はまた格納庫に戻り、自分の機体「ラングR−2」を見上げた。

「次で最後だ。富士山を落とせば俺達は勝ってさ、元の日本に戻そう、いや戻す。」

思えば長かった。二年前の虐殺を目撃して、軍からラングを奪取して仲間が集まってあと一歩で全てが終わる。

「おーい、渚」

「なんだ、応千」

「頼まれた物が来たぞ!」

「分かった。今行く」


甲府基地の地下にある兵器倉庫

ここにはかなりの兵器が収納されている。その一角

「お前に言われた通り、みんなには秘密で取り寄せた。」

「悪いな、いつも無理な事言って」

「これが整備士の仕事だからな」

「説明を頼む」

「この兵器は「ビーム・ライフル」、軍にも正式採用されてない兵器だ。装弾数は合計10発、セルク三機分を簡単に貫く程の威力だ。ラングでも反動に耐える事ができるか分からない」

渚は頷いて「ビーム・ライフル」に触れた。

「応千、有難う。お前も明日には甲府ここを出るだろ?もう今日は休んでくれ」

渚がそう言うと応千は首を横に振った。

「俺は戦えない、でも支えになる事できるだからやらせてくれ」

「分かった。でも明日までだいいな?」

渚はそう言って上の階に戻る。


時刻は午後七時、明日には最後の戦いが始まる。渚は食堂で窓の外を眺めていた。

「席、いいか?」

不意に隣から声がした。渚は振り向きもせず「どうぞ」と言って促した。由井だった。

「どうした?テンション低めだけど」

「辺りを見てみろ、どこにテンションの高い奴がいる」

渚の言う通り、辺りの雰囲気は緊張が包んでいる。明日が最後の戦いになる事を悟っているのだろう

「あはは、お前の言う通りだ」

そう言うと頼んでいたオムライスに手をだした。

「明日・・・」

「明日?」

「明日の部隊総数は?」

「60」

「勝率はどれぐらいだと思う?」

「50」

渚は素っ頓狂な表情をした。

「なんだよ」

「いや・・・よく分かったなと思って」

バンッ!

由井はどっからか取り出したハリセンで渚を叩いた。

「馬鹿にすんなよ!俺だってそれぐらい把握してる」

「そうか・・・悪かった。」

渚は謝って、頼んだコーヒーを飲んだ。

「お前、いつもコーヒー飲んでるけど大丈夫なのか?」

「コーヒー飲んでなきゃやってられないよ」

渚は由井の問いにそう答える。

「お前、ほんと救われない奴だな」

「ほっとけ」

「まぁ、冗談はほっといてお前、やり残した事は無いのか?」

由井の素朴な質問、渚にとっては難題だった。

「俺か?俺はいいんだよ。」

渚は表情を崩さずに答えた。本当はやりたい事なんてたくさんある。こんな戦いもやりたくなかった。でも誰かがやらなきゃ・・・。

「亜里亜は?」

「うぇ?」

考えごとしていた。いきなりの由井の発言で少し動揺した。亜里亜・・・渚にとってはかけがえのない存在になっていた。

「亜里亜に別れを言ったのか?」

「いや・・・言ってない」

「なんで?」

「迷う」

「迷う?」

「後悔するかも知れない」

「でも好きなんだろ?亜里亜の事」

「ああ」

そう言って一枚の手紙を取り出す。

「なんだ、それ」

由井はその手紙を指差す。渚は平然と「手紙」と答える。「それは分かる。」と由井は言葉を続ける。渚は手紙を由井に差し出す。

「これ、渡して置いてくれ」

「自分でやれ」

「頼む」

「ちっ、分かったよ」

由井は手紙を受け取った。渚は「サンキュー」と言って席を立つ。

「何処行く?」

「自室、もう一度作戦プランを確認してくる。」

渚はそのまま食堂から姿を消した。由井は「不器用な奴」そう呟いた。

 

「作戦開始時刻、午後一時、予想外な事が起きなければ午後10時には作戦が終了。」

渚はパソコンの画面を凝視、なんども作戦を確認した。どう計算しても勝率は50%を超えない、敵の本部に攻撃を仕掛けるのだ、渚にとっては妥当な数字だった。そして渚はベッドに崩れるように倒れ眠りについた。



M−BO2「べクセル」

セルクをファントムが改良、カスタム化しナイトメアに渡した機体。脚部にローラーを装備する事によって機体の機動性を上昇させた。ナイトメアには二機の渡され、渚が信頼しているロフティとサリーナがパイロットに選ばれた。

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