第十話 死と言う終結
「指揮を任せる」
渚は由井にそう告げた。この事が敗因だった。
はっきり言って由井に指揮能力はない、いや渚以外には指揮を取れる奴なんてナイトメアに存在しない。
「くそっ!何処行ったんだよ!渚ぁ!」
由井は叫びながらガラン参式のリニアキャノンを連射した。
「リーダーが指揮を放棄した?馬鹿な」
由井はすぐにナイトメア団員にその事告げた。一瞬にしてロフティ含む団員が不安の空気に包まれた。
「聞いたか?放棄したって話」
「聞いた、聞いた。どうすりゃいいんだ」
ロフティは信じれずにいたがファリナは制止した。
「撤退するのが適切だ!これよりナイトメアは撤退する!」
ファリナは全団員にそれを告げる。団員は了承し、撤退を始める。
「渚、何処だ」
由井はガラン参式で辺り森林を捜索し始めた。だがそれが仇となった。辺り一面は軍が所有するセルク及び戦闘車両で囲まれていた。由井は汗を拭い、操縦桿を握り直す。
「渚、この戦いが終わったら飯一日分奢って貰うからな!」
由井は深呼吸して呼吸を整える。
「行くぜぇぇぇ」
それから五分後に大爆発が起きた。
渚はトオルの乗る「バリスタ」を沈黙させ、富士山内部にある司令部に進入した。
渚はラングから降り、司令官に銃口を向ける。
「提督は何処にいる?答えろ!」
司令官は震えながらも答える
「上だ、上の提督の間だ。でも提督もしくわその血縁者しか入れん」
渚はニヤリとして、そのまま司令官を気絶させる。再びラングに搭乗し、上目掛けてビーム・ライフルを連射する。そのままラングを上昇させる。
1つの扉があった。
とてもじゃないがラングじゃ入れない。渚はラングから降りて、扉に手を当てる。
ガァーん!
扉は渚の手の指紋を認識し血縁者と認めた。
渚はゆっくりと前に進む、そして膝をつく
提督の間・提督もしくわその血縁者のみ入れる部屋
「御久しぶりです。父上様」
渚は高台に立つ初老の男にそう挨拶した
「その名で呼ぶな!汚れる」
渚は立ち上がり銃を向ける。
「残念です。最後にそんな事言われるなんて」
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バンッ!
アメリカ連邦国・首都部
ミリアと亜里亜は応接室で座っていた。
「そろそろ応千達が来るはず何だけど」
「・・・」
「亜里亜ちゃん?」
「・・・」
亜里亜はアメリカ連邦国に来てから元気がない、そしてずっと一通の封筒を握っている。それは由井が渡した物
「開けてみれば?」
「・・・うん」
亜里亜は小さく頷いて、封筒を開ける。
「亜里亜へ
多分これを見てる頃には死んでると思う。ごめん、こんな事に巻き込んで。君の事が好きだ。そしてさようなら 渚より」
亜里亜は溢れてくる涙を止められなかった。
「こんな事が起きるなんてな」
渚は右腕と左足に銃弾を受けていた。これは提督と呼ばれた男やったのだはない、その横に立つ少年・・・トオル
「ごめん渚、これでも僕は軍人だから」
銃口を向けるトオル
「次で終わりにしろ!」
「了解」
トオルは「ごめん」と言ってトリガーを引き抜いた。
バンッ!
「くっ!」
渚は横の倒れ込む、ぎりぎりで弾をかわす。幸い銃弾を掠った程度で済んだ。
「次で終わらせろと言った筈だが?」
「申し訳ありません」
トオルは頭を下げる。提督は懐からある物を取り出す。
「何ですか?これは」
「これを奴の目に当てろ!それで全てが終わる。」
「分かりました。」
トオルは高台から降りて、渚に近づく
「やめろ、やめてくれそれだけは!」
まるで子供が嫌な事をされるように叫ぶ、だがトオル渚の髪を掴み上げる。
「そう言ってまた奪うのか?俺から何もかも全て、全て、どれぐらい奪いば気が済むんだ。父上」
「悪気は無いんだ。ごめん」
トオルは提督に渡された機械を渚の目に当てた。
「うわぁぁぁぁ」
渚の悲鳴が提督の間に鳴り響いた。
その後、ナイトメアは3000も居た戦力が700にまで減少、散り散りになった。
この戦いは「悪夢の戦役」と呼ばれ、一ノ瀬渚の死によって終結した事になった。
これの次回作を書くかも知れません