結婚式で泣いたこと
彼女があんまり寂しそうに笑うから、
ここはもう天国じゃないのかと
勘違いしてしまった
緑のバラに 純白のドレス、
祝福された花嫁が
不幸であるはずないだろう?
「でも、ねえ、おかしいんだ
あの人の隣にいるのが、
ほんとに私で いいのかな」
淡い光の窓際に座った
彼女はあまりにまばゆくて
神様が もうその細腰に腕をまわして
連れ去ってしまいそうだった
天国はきっとこんなに
かしましいところじゃない
観衆の喝采とチャペルの鐘が
祝福された二人の上に 降ってくる
でも、ねえ、やっぱり
幸せって こういうことだよ
寂しいなんて馬鹿げてる
――遠い昔に 私は庭で天使を見つけた
今日の午後、羽は窓辺に落ちていた
彼女の頬には 光が一筋とろけている
それを太い指でぬぐったのは
あの人