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ある兄妹の話しーーはい!全員注目〜‼ーー

「は?フー・ファイター…?」


最近、この近くでよく目撃されている。

と、美空新聞に乗っている。


美空新聞ってのは、俺の通ってる美空高校の新聞部が週一ぐらいで出版しているやつの事だ

…正直、信用度は政治家なみに低い。


ただ信用度はおいといて、俺はそのさして面白くもない新聞を読まなくてはならない立場にある!


…まぁ、それには理由があるんだけどね…


その新聞にフー・ファイターの事が書かれている。


それによると…


フー・ファイターとは第二次世界大戦中に目撃された未確認飛行物体の事らしい…


んで、つまり…UFOって事か?


「ははは…」


今までも信用度の低い新聞ではあったけど、流石に現実味がなさすぎる。


確かにここ、美空市には色々な噂がある。


ここには超能力者や妖怪が住んでいるとか…

黒服の連中によって美空市は支配されているとか…

宇宙人の遺産が何処かに隠されている、とかだ。


だからって、学校の新聞部がコレを載せるのかよ?


…これは、やっぱり、アレだ…。

あの宇宙人大好き女の影響だろうな。


(宇宙人って絶対いると思うの!だって地球にだって生物いるんだし、宇宙は広いんだよ?その中で地球以外に生物がいても何の不思議もないじゃない?それに、火星だって…)


てな感じで、宇宙について語り出したら例え目の前で親が死んでも喋り続けるであろうあの女…そいつが、つい二週間前に新聞部の部長に無理矢理なってしまった。


無理矢理ってのはつまり…


「あ~いたいた! ツ~バ~サ~!」


…あ、俺の名前は近藤 ツバサ。美空高校2年帰宅部。ルックスは並、身長は175cm。

将来の夢は平和な日常を過ごすことだ。

それから…


「こら~!無視すなぁー!

聞こえてんでしょ~!」


俺が今いるのは校舎の屋上で、声が聞こえてくるのは下の方だ。


チラッと下を見てみる。

…うん、アイつだ。

背は150cmぐらいで、その身長の半分ぐらいある長い黒髪。

宇宙人大好き女こと、近藤 カスミだ。

まぁ、一つ下の俺の妹なんだけどな…文句あるか?


「だから無視すなぁー!

いつもの場所で待ってるからね~!遅れないでよぉ!」


それだけ言うと宇宙女は、ダッシュで校庭を横切り門の方へいってしまった。


…はて?いつもの場所とはどこの事だろう?と、シラを切るとマジギレされるのでしませんよ?


「はぁ~……」


思わすため息が漏れる。


現在時刻、え~正確には知らんけど夕方です。


…まぁ真夜中に、とある所でとある事をするみたいですよ?


俺も一緒にね!


…行きたくねぇなぁ。


でも、カスミを1人にさせるわけにはいかないしなぁ…


「はぁ~……」


またもため息が漏れる。


妹のワガママに振り回される俺の気持ち、誰かわかる?


…平和な日常とはどこにあるのだろう?


俺の腕に何かがとまった。

間髪いれずに叩き潰す!

手のひらをみる。


うん。別に珍しいもんじゃない、ただの蚊だよ。


真夏の夜…暑い。

ひたすらに暑い。


太陽さんが寝てる時ぐらいもう少し涼しくならんもんかな?


まさに熱帯夜だな…こんな日はクーラーの効いた部屋でナマケモノみたいに怠けたいな。


なのに…


俺の今いる場所は木々が生えまくり、雑草が生い茂った、山の中だ。

見渡しても、自分の背丈よりも高い草、夜空を隠している木々しか見えない。


…何でこんな所にいるのかって?

その原因は目の前にいる宇宙女だ。


あ、宇宙女が何か叫んだ。


「はい!全員注目~!!」


はて?この場合の全員とは虫さんも入るのだろうか?

それとも俺には見えない何かがこの女には見えているのか…?


周囲をみてみる。


木と草と飛び回る虫が懐中電灯の光で確認できた。

あとは、目の前にいる宇宙女だけだ。


うん。やっぱ宇宙女以外には俺しかいない。


「バカだろ お前?俺しかいねぇだろうが」


ツッコむ所が俺の優しさじゃね?


「今日の活動内容を発表したいと思います!」


あ、流された。


「私の出版した新聞は読んでいるとは思いますが…」


あぁ読んださ。まだ20年前の経済新聞を読んだ方が幾らか面白そうだったけどな。


「フー・ファイター、つまり未確認飛行物体を探しても見つけるのは至難の技と思われるので…」


良くわかってんじゃん。

至難の技つぅか不可能だと思うがな。


「あそこに侵入して情報を集めたいと思います!」


そう言って宇宙女が指差した先にあるのは、今は使われていない元美空陸軍の基地だった。


そこは…


廃屋だったのは今は昔の話し。

今はボロボロ。


爆撃でもされたのか建物のいたる所は崩れており、その周りは雑草が生い茂っている。


というか、建物というよりはコンクリートの塊に見える。


「バカだろお前。頭にウジでも湧いてんじゃねぇのか?前世からやり直して来いよ。」


ったく、毎日毎日よく飽きないな。宇宙人探し。

てか、あんな所にいったい何があると思ってんだこの女は?


「じゃ、出発~!」


あ、また流された。


…まぁ、今に始まった事じゃねぇからな。

肝試しがてら宇宙人探しでもやりますか!

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