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エデン〜創造と破壊〜  作者: 近山 流
第2章 天界
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次の目的地

終わり方があれだったので、あとがきのほうでそれについてのネタバレがあります。

嫌な人はあとがきはスルーしてくださいm(__)m



「のどかだな〜」


そう呟いたのは黒髪黒目の少年リョウ。

そしてその呟きが聞こえたのか、


「のどかですね〜」


「ああ〜のどかだ」


と、同意の声があがる。

リョウと同じ黒い髪に青い瞳を持つ美女レナ、金髪の野性的なイケメンネル。

リシュテイン公国を発ってから一週間。

最初はそれなりのスピードで走らせていたが、国から充分離れたことで、今はロースピードで進んでいる。


天候も素晴らしく、そんな中、馬車で大草原を走っていると、これが昔の人が言ってた趣深いってことなのかな、などとどうでもいいことを考えてしまう。



そうしてぐだぐたとしたムードが立ち込めている中、それを打ち砕く台詞が聞こえてくる。


「暇だ」


「暇じゃ」


「暇です〜」


「ひま!!」


そう叫んだのは銀髪の美女リズ、輝く金髪を持つ美女エリア、薄い金髪にエメラルドグリーンの瞳、特徴的な長い耳を持つエルフの美女アリシア、茶髪に猫耳、猫のような瞳の猫人族の美少女ミーヤ。


そして、空気をぶち壊すように叫んだ4人はリョウとネルの方へ視線をやる。

その瞬間リョウとネルの肩がビクッと震えた。ネルはそのまま小刻みに震えつづけ、リョウは何かを悟ったような顔で仰々しく十字を切る。


「ネル、暇だ。なんかしろ」


不運な被害者はネルだった。

リョウは心の中で歓喜の声を上げる。

一方ネルは一瞬で死んだ魚のような目になる。


「なんかってなんだよ」


せめてもの抵抗なのか、強い口調でネルは問う。

だが悪魔エリアはばっさりと切り捨てる。


「そんなの面白いことに決まっているだろう」


「いやいや、面白いことって無茶ぶりにもほどがあるだろう!」


エリアの眉が釣り上がる。


「ほう?まさかできないのか?」


ネルは首を何度も横にふる。


「いやいや。できないでしょ普通。お前はいったい俺を何だと思ってるんだ!」


「そんなの決まってるだろう。大切なしも………………こほん。大切な仲間だ」


「おい。なんでそんなに今自分いい事言ったわ、みたいなドヤ顔してるかは知らんが、きっちり言い直してるところも聞こえてるからな。

てか、今俺の事しもべって言うつもりだっただろう」


「は?全く何の事だ。

身に覚えがないのだが。

そんなことよりさっさとなんかやってくれ。

暇で死にそうだ」


「こ、こいつ………」


「全く使えない奴だな。仕方ない体を動かすがてら一つ勝負でもするか」


「おいおい。なにあたかも譲歩しましたみたいな感じで無茶なこと言ってんだ」


いくら実力はあると言われていても、Bランクのネルでは、Aランクの冒険者だが、実力はほぼSランク。しかも四帝に最も近いと言われるほどのエリアには及ばないだろう。

さらにエリアの操る光属性魔法は厄介すぎる。

視覚情報が全て役に立たなくなるのだ。何もないと思っていたところにあり。あると思っていたところにない。

そしてその集大成、可視魔法と不視魔法、幻視魔法を組み合わせて作り上げた≪千光≫の恐ろしさは計りきれない。

リョウですら、そのあまりの厄介さに回避や迎撃ではなく自分の周囲に闇属性魔法を放ち、相殺した。

言ってしまえば数打ちゃ当たるの理論だ。

もちろんそんな芸当を行えるものなんて限られているが。

ネルもわざわざ自分の体を傷つけてまでエリアのストレス発散などに付き合う気など毛頭ない。

だから必死になっているのだが、そんなネルの姿を見てリョウは悪魔と憐れな男のやり取りをニヤニヤしながら見守る。

第三者としてはたから見守る事ほど楽しい事はない。

そしてネルもリョウの視線とその意味に気づいているようで、あとで復讐することを固く心に誓う。

だが、その必要はなかった。


この時リョウは一つ見落としていたのだ。

目先にまで迫った恐怖を切り抜け、優越感に浸っていたことで、大事なことを忘れていたのだ。


だからなのか、ちらっとこっちを向いたときのネルの勝ち誇ったような顔を見ても思い出すことはできなかった。



「あ・る・じ・ど・の♪」


そう。悪魔は二人いたことに。


まるで錆びたロボットのようにギシギシと声がしたほうに顔を向ける。


そこにはこれ以上ないほどニヤニヤした顔をしている銀髪の悪魔、リズがいた。




…………閑話休題


「でさ、そろそろ次の目的地を決めなきゃいけないと思うんだよ」


銀髪の悪魔に標的にされた後、ネル同様冷や汗をだらだらと垂らしながらなんとか説得しようとするが、銀髪の悪魔を聞く耳を持たなかった。

しかしレナの助けもありなんとか回避することができたのだ。

残念ながらネルの方は手遅れだったが………


そして話を反らすようにリョウがそう言ったことで今に至る。

銀髪の悪魔、リズもまだやりたりなさそうな感じではあるが、リョウが思いのほか真面目な話をしだしたので空気を読んで黙る。


「次の目的地じゃと?」


リズが話に乗ってくれたことに心の中で歓喜するリョウ。

とっさにこの話題を思いついて己の機転に感謝しつつ、ここで話を終わらせてはいけないと、話を続ける。


「うん。リシュテインからも結構離れたしさ。そろそろ目的地決めないとと思うんだけど」


リョウの言葉にうんうんと頷いたのは復活したネルと救世主レナ。


「確かにな。このまま放浪するにしても、食料とかも補給しないといけねーし」


「そうですね。私はいい考えだと思います」


二人は賛成のようだが、その一方でエリアは何やら難しい顔をしている。


「次の目的地か………」


「どうしたのエリア?」


「いやな、次の目的地と言ってもどうするんだ?」


「いや、だからそれを今から話し合おうと」


「ああ、すまん。言い方が悪かった。次の目的地ってどこにいけるんだ?」


リョウはエリアの言ってることがよくわからず首を傾げる。

リョウと同様にネルとレナも何を言ってるのかわからないという顔をする。

逆にリズとアリシア、ミーヤは何を言いたいのかを悟っているようだ。

リョウはミーヤも分かっていることに軽い戦慄とショックを受けつつ(この中で唯一リョウの年下だったのでリョウとしては微妙な気持ちになってしまう)エリアに再度疑問をぶつける。


「えと、つまり………どういうこと?」


「つまりだな、今私たちがこうして放浪のような事をしているのは何故だ?」


「そりゃリョウがいろいろやらかしたせいで有名になっちまってるからほとぼりが冷めるまで姿を隠してるんだろ」


エリアから出された質問に申し訳ない顔をして口ごもるリョウのかわりにネルが答える。


「そうだ。私たちの目的はほとぼりが冷めるまで姿を隠すことだ」


「それが何かあるんですか?」


頷くエリア。


「リシュテインから離れたから次の目的地を決めようといった。そうだな?」


「ああ」


「考えても見ろ。さっきも言ったがあれほどのことをやったんだ。噂がリシュテインだけに留まっているはずがないだろう」

………あっ…………


誰から漏れたかわからないがそんな呟きが聞こえた。


「言われてみれば確かにそうだな。

ただでさえ武闘大会で優勝。そのあとのエキシビションマッチで剣帝に勝つなんてことをやったうえに、魔獣の軍勢からリシュテインを救った英雄だろ。広まってないほうがおかしい」


いくら箝口令がしかれたとしても人の口に戸は立てられない。

ネルの言葉にようやくエリアが言わんとしていたことを理解したリョウ。


「てことは…………」


「ああ。どこに行ってもリョウのことは噂になっているはずだ」


「つまりどこにも行けるところはないということじゃよ主殿」


エリアの台詞を掻っ攫っていったのは今までずっと黙っていたリズだった。


「もし行けるとしてもそこは……………」


「情報が入ってこないほどの辺境の村とかだね」


エリアの言葉に続いたのはミーヤ。


「どこにあるかわからないところを目的地にはできませんね」


あきらかな詰みにテンションが落ちる面々。

重々しい雰囲気が立ち込める中、そんな空気を一掃したのはアリシアだった。


「次の行き先ですか〜

だったら〜私いいところ知っていますよ〜」


その言葉に戦慄を受ける。


「「「「それを先に言えーーー」」」」



思わず叫んでしまうリョウ達。

今までの議論はなんだったのか。


だが、同時に悟ってしまう。何故アリシアが今まで黙っていたのかを。



それは−−−


「見ていて〜おもしろかったからに決まっているじゃないですか〜」


「やっぱりか!!」


リョウもアリシアの性格は分かって来ていた。

エルフという種族全体がそうなのか、はたまたアリシアだけがそうなのかはわからないが、目の前にいる女性はどこか自分から物事にかかわらず傍観するようなふしがあるのだ。

もちろん今のように最後には話に参加するのだが、いつも場をかきみだしての登場になる。

アリシアが言っていた、面白いから見ていたという言葉は冗談ではないのだろう。


「…………こほん」


エリアががらっとアリシアに傾いてしまった流れを断つかのようにわざとらしい咳ばらいをする。


「それで、それはどこなんだ?

私が言うのもなんだが、そんな都合のいいところは」


「つまりですよ〜」


アリシアがエリアの言葉を遮る。


「まず〜目的地の条件ですが〜村や街、物資を揃えるために〜ある程度の規模が望ましいということですよね〜。それでいて〜リョウさんの話が伝わっていないほどの辺境の地ですよね」


「おいおい、そんな都合の良いとこあるわけねーだろ」


ネルが呆れたように言う。

エリアもネルに同意見だ。

自分で案を出しておいてなんだが、実際そんな都合の良い所などあるわけがない。

かりにあったとしても規模的には村というよりか集落に近いだろう。


だがアリシアは嘘はつかない。

本当にそんな都合のいい所を知っているのだろうか。

そんな疑問が皆の中に生まれ、どう話そうか迷っていると、アリシアがくすりと笑った。

いつにもまして妖艶な微笑みにさらに混乱を増すリョウ達にアリシアは告げる。


「そんな顔して〜まったくあなたたちを見ていると退屈しませんね〜

しょうがありません〜もう意地悪はやめましょうか〜」


アリシアが言葉を切る。

ごくりと皆が息を飲む中、アリシアは告げる。


「私の言っていた場所とはですね〜私の故郷、エルフの村ですよ〜」




この度は投稿が遅くなってしまって申し訳ありませんm(__)m

わけわからんほどハードなスケジュールで執筆時間がとれませんでした><


これからも更新は不定期ですがなるべく早くしようと思っています。



さて、前書きで言ったように今回の話について一つネタバレします。

終わり方が少々あれだったので……………

ネタバレが嫌な方はここから先は見ないでください。














エルフの村には行きません!!


では、

感想・評価・アドバイス・質問お待ちしております。



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