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プロローグ
お待たせしました 2話連続投稿です
驚くほど大きな宮殿。
その玉座に座る銀髪の男。
そして玉座の前にひざまづく者。
口を開いたのはひざまづいていた方だった。
「リオルガルド様、ついに姫様の居場所を突き止めました」
その報告に玉座に座るものは眉をつり上げる。
「やっと見つけたか。少々時間がかかりすぎではないか?」
王の言葉に男は慌てて土下座する。
「も、申し訳ございません。まさか下民どもと共におられるとは思わず」
男は早口で言い訳をする。
「言い訳はよい」
王の眉が釣り上がる。
「アリオレス、・・の居場所は分かっているんだったな」
「はい。なにかしらの移動手段で移動しているようですが問題はありません」
「うむ。お遊びはここまでだ・・。
もうあまり時間は残されていないしな。アリオレス、貴様にこの件はまかせよう。かならず連れ帰ってこい」
アリオレスは力強く頷く。
「はっ。必ずやお連れいたします」
アリオレスが立ち去り、ドアが閉まる。
「あれがはじまる前には連れ戻しておかねば………」
静まり返った部屋の中、その言葉だけが響いていた。




