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エデン〜創造と破壊〜  作者: 近山 流
第1章 出会い
22/73

買い物



リョウの武闘大会への強制出場が決まってから2日がたった。


その頃にはもうリョウはある程度前向きに考えるようになった。




「う〜ん

まずは武器と防具から揃えないとな………」


「武器とな?

主殿の力があればそんなものいらんじゃろ」



「うん。

確かにそうなんだけどさ、それがそうはいかないんだよな。

創造を使えば武器なんか余裕で作れる。

でもそれだと力の事が公になっちまうからな」


「それの何が悪いんじゃ?」


「悪いってことでもないんだが………


あんまり目立ちたくないからな。


それに、創造で作られた物は永遠に維持することはできない。

いつ消滅するか分からないから長期の戦闘には向かないんだよ。


結構強い奴らがいっぱい来るみたいだからさ、用心に越したことはない。


まぁ、すぐに終わる試合だったらいいけどな」


「なるほどの〜〜」


「ちょうどネル達にいい店教えてもらったし。

いい機会だからさ」


「どんな武器にするんですか?」


そこで聞き役に徹していたレナが話に加わる。


「そうだな〜

やっぱり前から使ってた太刀かな。

あ、あと短剣も欲しいかな」


「太刀ですか。

あまり聞いたことがありませんね」


「そうなの?」


「はい。長すぎる刀身だと、逆に剣に振り回されてしまうからです」


「いろいろ知ってんだな〜〜」


「冒険者であれば当然です」


「ぐ、痛いところを…」


「ふふ、私でよければ選ぶの手伝いますよ」


「マジで!!

ありがとう。助かるよ」


いえいえ、とレナは照れ臭そうに笑う。




こうしてリョウはレナを伴って武器屋へと向かうことになった。


リズは、武器はいらないし分からない、と言ってついてこなかった。

元も子もない話だ。



そして宿から歩くこと数分後。


ガジル武具店に到着した。


「いらっしゃいませ!!」

ドアを開けた途端、大きな声で迎えられリョウもレナも少し驚く。


「あの、ネルの紹介で来たリョウなんですけど………」


「ああ、確かネルの野郎そんなこと言ってやがったな。


そういや、お前さん見ない顔だな」


「あー、つい最近この国に来たんですよ」


「ほう?

あの野郎が世話焼くなんてお前強えーのか?」


「強いかどうかは分からないです」


リョウは苦笑する。


「お前冒険者になってどのくらいだ?」


「えと、二週間位ですかね」


「二週間だと!?」


「そうなんですけど……

何か問題でも…」


「たった二週間でやつに認められるってことは相当強いんだな。


お前武闘大会にはでんのか?」


「はい………。

成り行きで…………」


「そしたら俺と当たるかもな」


そう言ってガジルはニヤッと笑った。


「え?

それってどういう……」


「ふん。どうもなにも俺も冒険者の端くれだからな」


「ガジルさんも冒険者だったんですか?」


「おうよ。

俺は冒険者兼加治屋だぜ。

そんで武闘大会にも出場するぜ」


「そうなんですか!?

俺も楽しみにしてます」


「はは、これで武闘大会の楽しみにが一つ増えたな」




ここでついに、話が終わりそうにないと思ったレナが口を挟む。



「あの、そろそろ武器の方を……」


「ああ、すまんすまん。そうだったな。

で、どんな武器にするんだ?」


「太刀と短剣をお願いしてもいいですか?」


「ほう?

太刀とは珍しいな」


「そこのレナにも同じこと言われました」


「ああ。

普通はロングソードやら扱いやすいのが多いからな」


「太刀って扱いずらいかな。

それで慣れちゃってるから……

そういうことはあんま感じないですね」


「まぁいい。

ならそれで見繕ってみるか。

ちょっとまってろ」


そう言って店の奥へと入っていく。


しばらくしてガジルが戻ってきた。


手には、細く長い洗練された刀身を持つ2メートルに届くかと思われるほどの太刀を持っている。


「こりゃ凄いっすね」


「ははは、そうだろう。俺の最高傑作だ。

でもかなりの筋力がなきゃ自由に振り回せんぞ」


「ちょっと貸してみてください」


リョウは太刀を受け取る。

確かに結構重い。

だが、それは常人からしてみればである。

リョウからすれば些細な重さだ。


リョウはその太刀というより大太刀というべき刀を軽々と振り回す。


「すげーな。

自分で作っておいてなんだが、俺でも自由には扱えないのに」


「これくらいなら大丈夫です。

じゃあ太刀はこれで

あ、あと短剣なんですけど、できるだけ小回りが利くようなやつがいいんですけど………」


「両刃にするか?それとも片刃か」


「う〜ん

両刃でお願いします」


「分かった。

ならこんなのはどうだ?」


そう言って手渡されたのは、短剣というよりサバイバルナイフのようなものだった。


「レナ、どう思う?」


リョウがレナに聞いたのは恐らく武器に関してだったら、レナの方が詳しいと思ったからだ。


レナに剣を手渡し、レナは短剣を握ったり、振ったりする。


「はい。上物だと思います」


「分かった。ありがとう」


「ガジルさん、じゃあこれでお願いします」


「分かった。他になんかいるものはあるか?」


「あ、はい防具ってありますか」


「おうよ。ガジル武具店をなめんじゃねぇ」


笑いながら言う。


「で、どんなんにするんだ?」


「はい。

鎧じゃなくてできれば革製で機能性重視のやつがいいんですけど


あ、あとできるだけ地味な感じで…………」


最後の方は小さな声だった。


「革製で機能性重視か……」


ガジルはリョウの言葉を反復する。


「ならこれだな。

防御力は高くないが、機能性でいえばバッチリだ」


「じゃあそれで」


「はは、即決かよ。

ちょっとは悩めよ」


「大丈夫です。

ガジルさんは騙したりする悪い人じゃないと思いますから」


「そりゃ、随分な過大評価だな」


本当は《鑑定》を発動しているのだ。


《鑑定》とは創造の技で、《サーチ》と似たような物だ。


《鑑定》の力を加えたコンタクトを着けることで、対象物の情報を見ることができる。


生物には出来ないため嘘発見機というわけではない。


さっきの大太刀、サバイバルナイフ、そしてこの革の防具。


相対的に見てかなり性能が高い。


素材を持ってこなかったため、オーダーメードはできないので、既存の物ではかなりいい方だ。




その後鞘などいろいろな物を買って、買い物は終了した。


「いくらですか?」


「銀貨10枚というところだが8枚にまけといてやる」


「ホントですか!」


「おいおい嘘ついてどうすんだよ」


と笑い、


「でもそのかわり次なんか買ったり、オーダーメードしたりする時はここにこいよ」


と言った。


リョウは、はい、もちろん、と言いレナと共にガジル武具店を後にした。





−−−−−−−−−−−




「やっぱり龍帝は来ないか」



「また私達三人の内から誰かを選ばねばなりませんね」



「前回は貴女だったからな。

俺か獣帝のどちらかというところだが、今回は俺にやらせてくれないか」



「なんだ剣帝。いつにもましてやる気じゃないか」


「ちょっとおもしろそうなやつがいてな」


「おもしろそうなやつですか?

今回の優勝はおそらくエリアでしょう」


「ああ千光の姫か」


「いいや、姫じゃない」


「違うのか?」


「ああ、小僧だ。

見たことのない顔だったが、姫の一撃を片手で受け止めていた。

名はリョウとか言っていたな」


「リョウですか………

確かに聞いたことのない名ですね。

それは少し気になります。

それだけの力を持ちながら私達が知らないなんて」


「魔帝でも分からないのか」


「魔帝だからといって何でも知っているわけではないんですよ」


「それは失礼。

でも今年の武闘大会は楽しくなりそうだぞ」



剣帝はニヤリと笑った。






お気に入りが100件を超えました。


応援ありがとうございます。


これからも頑張っていくのでよろしくお願いします。



武闘大会にでるのは剣帝に決まりました。


どんな力を持っているのかお楽しみに



次回


武闘大会前日、

ルールやらを書きたいと思います。



では、

感想・評価・アドバイス・質問お待ちしております。

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