四帝
第二章第三部突入
「「「リョウ、Cランク昇格おめでとう!!」」」
ここはリシュテイン公国の一角にある店『Dear』
ネル達三人のお気に入りの店だ。
そこにはリズ、レナ、ネル、ゼス、マルタがリョウのCランク昇格を祝っていた。
あれから数日がたちリョウと三人はすっかり意気投合していた。
ギルドに到着したのは討伐を終えてから一日たったころだった。
ギルドに帰った後、リョウ達の報告を聞いて、その異常事態にギルド長、ルドルフは肝を冷やした。
さらにリョウとリズが討伐した魔獣の部位の数々を見せられ、呆けた顔をしていた。
テーブルの上にリョウが置いたのは、
王獅子の牙、大甲亀の甲羅、白虎の皮6枚、白狼の牙10本、鉄鋼蟹の装甲8つ、巨尾海老の殻8枚だった。
ちなみに何故これほどの量を持ってこれたかというと、答えは簡単。
空間湾曲バッグ、通称(自称)四次元ポケットに詰め込んだからだった。
「なんじゃこの数は!?
ほ、本物なのか?」
「はい。本物です。ここにいるリョウとリズの二人でやったものです。」
長が口をパクパクさせながらした質問にマルタが答える。
「二人じゃと!!」
ギルド長は叫ぶ。
そしてネル達三人の残念ながら、と言うような顔を見て、再び信じられないと呟く。
しかし、流石はギルド長。
すぐに呆然から回復し、内心はどうだかわからないが、一応いつも通りの表情に戻っている。
「………こほん。取り乱してすまない。
うむ。
試験官もそう言っていることだし、どうやらお前の力は本当だったようだな。
あの時の物言いは失礼した」
「いえいえ。もう気にしてませんから」
「そうか。そういって貰えるとありがたい。
これにてリョウのCランク昇格試験を終了し、Cランク昇格を認める。
具体的な書類と、冒険者カード更新は明日だ。
今日は帰って休め」
「わかりました。
ありがとうございます。
流石に俺も疲れたんで……
お言葉に甘えて帰らせていただきます。
では、また明日」
「うむ」
そしてその次の日リョウの正式なCランク昇格が発表された。
賞賛する者もいれば舌打ちをした者もいたが無事終わった。
そして今、それから3日後たち、6人で祝賀会をしているのだ。
「でもCかよ。あんだけやったんだからBランクにしてくれてもいいのにな」
ゼスが口を開く。
「まぁまぁ、俺は別にいいですよ。ランクはこれから上げてけばいいんですから」
「よく言った!!」
バチーン!!
ゼスが嬉しそうにリョウの背中を叩く。
すごい音がしたが、当のゼスは何度もリョウの背中を叩いている。
「あはは………」
リョウはやめてほしかったが、満面の笑みを浮かべているゼスを見ているといいずらくなってしまう。
「ゼスさん、それくらいにしてあげてください」
そんなリョウに助け舟を出したのはレナだった。
リョウは内心ありがとうと言いながら空笑いをする。
ゼスは、
「そうか?
そりゃすまんかったな」
といいながらも未だリョウの背中を叩きながら笑っている。
自覚が無いのだろうかとリョウは疑問に思っていた。
その様子を見ていたマルタはため息をつくと、
「リョウさん、すみません。
こいつは馬鹿なんです」
「んだぁ、馬鹿だと?」
ゼスがマルタに殴り掛かりそうになるがリョウとネルが必死に抑える。
何故こんなカオスな状態になっているのかというと、そもそもはゼスが酒を飲みはじめたのが原因だった。
リョウは元の世界では未成年扱いだったので酒を飲んだことはなかった。
だから酒を飲むつもりはなかった。
一方、ゼスは三度の飯より酒が好きなようで、リョウはしきりに勧められていたが、丁重にお断りした。
しかし、酒が好きなのと、酒に強いのは別だ。
後にマルタが言ったことだが、ゼスは非常に酒に弱いらしい。
そして誰彼構わずだる絡みする。
要するに今のゼスのテンションは酔っ払いのそれと同じなのだ。
リョウは内心、めんどくせぇ〜と思いつつも、そんなことは噫にもださず、笑顔で対応する。
ゼスが寝てしまったことで、タイミングを見計らったかのようにネルがリョウに話しかける。
「そういえばさ。
リョウはでんの?武闘大会」
「いや、まだ決めてない。
ネルは出るの?」
「おう。俺は出るぜ。
なんせ、冒険者の誇りがかかってるからな」
「誇り?」
「そうだ。
賞金の金貨も魅力的だが、何と言っても四帝への挑戦券を貰えるのが一番大きいな」
「…四帝か…………そういえばよく知らなかったな。
あの、よかったら詳しく教えてくませんか」
「詳しくって、お前四帝を知らないのか!?」
「すいません。俺かなり田舎から出てきたんで、そういうことよく知らないんですよ」
「そういうもんなのか?」
「そういうもんなんです」
そうなんだ〜と言いつつも、首を傾げるネルにリョウはごり押しで納得させる。
「まぁいっか
四帝は文字通り世界最強の四人、ランクでは測れないほどの力を持っていると言われてる」
「言われてる?」
「ああ、まず四帝はよっぽどのことがなきゃ戦わないからな。
基本は旅してるらしい」
「それぞれ剣帝、魔帝、獣帝、そして龍帝って呼ばれてる」
「なんかすごい名前だな。
で、四人の内優勝者が挑戦出来るのは誰なんだ?」
「まぁそうだな」
ネルはハハハと笑いながら話を続ける。
「うーん。特には決まってないな。
これまでは、龍帝以外の三人の内の誰かだった」
「うん?
四帝への挑戦券なんだろ。なんで龍帝は入らないんだ?」
「龍帝は四帝の中でも最強なんだ。
だからこういった舞台には滅多に出て来ない。
どんな力を持ってるかは知らないが、天龍とやり合って、無傷で勝ったっていう伝説があるほどだ」
「天龍か………」
リョウは以前天界に住む生物、天獣についてリズに聞いたことがあった。
リズが言うには、天界には主に三種類の種族がいる。
リズを含む天狼。
天狼は人間が目で追うことができないほどのスピードを持っている。
そして天狐。
天狐はエルフ族ですら足元にも及ばないほどの桁違いの魔力を持っている。
最後に天龍。
天龍は全てのものを一瞬で無に返せるほどの力を持っている。
どれも地上の生物からは計り知れない程の力を持っている。
しかし、天龍はその中でも随一の力を誇るらしい。
悔しいが、事実じゃ、
と、リズは言っていた。
もし本当に天龍を無傷で倒したのであれば、確かにこの世界では最強だろう。
というか生物最強だろう。
「なるほど。
確かにすごいですね」
「そうだよな」
「じゃあ剣帝、魔帝、獣帝もそんな感じなんすか?」
「まぁな。
龍帝ほどじゃないが………
剣帝はどうやってるのかは分からないが、無数の剣を使う。
四帝に数えられる前は『無限剣』っていう二つ名を持ってたらしい。
摩帝は四帝唯一の女性。
で、魔法に長けるエルフ族の中でも最強の魔術師だ。
実質世界最強の魔術師って感じだな
獣帝は獣人族最強の男。スピード、力、防御力全てにおいて、天獣並の力を持っているらしい。
この三人に勝てた奴は一人もいない。
ていうか勝っちゃったらそれはそれで問題だけどな。
それに勝つどころか10秒以上もったやつすらいないくらいだからな」
そう言ってネルは笑う。
「ほとんど瞬殺じゃんww」
「まぁ、そうだな。
で、説明も終わったところで大会出んのか?」
「そうですね。
どうしよっかな………」
「おう。考えといてくれよ。
俺はお前と戦いてーんだ。もちろん本気でな」
ネルの満面の笑みに思わず苦笑するリョウ。
「はい。そこまで言うなら、真剣に考えてみます」
「今年は『千光』もくらしいからな。
今から楽しみだぜ」
「千光?」
「ああ。今最もSに近い冒険者だ。
今年も面白くなるな」
ネルは嬉しそうに笑った。
この後、ゼスが起きてしまい、大変なことになったのはまた別の話で……
武闘大会開催まで後二週間
祝!30000pv突破!!
これからも応援よろしくお願いします。
今回は説明回になってしまいました。
この先四帝もどんどん絡めていくのでお楽しみに
次回、
『千光』がでてきます!!
『閃光』ではないのでご注意を
では、
感想・評価・アドバイス・質問お待ちしております。




