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エデン〜創造と破壊〜  作者: 近山 流
第1章 出会い
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Cランク昇格試験 −試験前夜から出発まで−

今回は短いです。



「一体何が…………!?」

ギルドの受付の女性、ルアは驚きを口にする。


リョウを中心に、円周上に男達が膝をついている。


「この人数をたった一瞬で……」


「く……あいつ、なにしやがった」


「動けねぇ、一体どうしちまったんだ!!」


膝をついている男達や、周りの野次馬達からも突然起こった異常事態に疑問の声を上げる。


当事者ですら理解できない事態が進行しているのだ。


そんな中を、一刻も早く宿に帰りたいリョウはリズとレナを連れて悠々とギルドの外へと歩いていく。


人々の興味津々な視線や、恨むような視線などを一身に背負いながらも全く動じることなく歩みを進める。




さて、今リョウは何をしたのだろうか。



正解は≪破壊≫だ。


加速や治癒とは違うこの世界に来てから初めて遭遇した敵に放ったものと同じ完全なる破壊の力


破壊には二種類のやり方がある。


一つは生命エネルギーの異常活性によって肉体が抑え切れる量を超え、部位が爆ぜる《爆砕》


威力が強く、発動が速いのが利点だが、単体にしかかけられないのが欠点だ。


盗賊団のリーダーにやったのがこれだ。


もう一つは、生命エネルギーの異常低下により壊死したような状態になる《安楽》


《安楽》の利点は手加減できる点、複数に同時にかけることができる点、標的の身体全体に干渉できるという点だ。


しかし、利点ばかりではない欠点もある。

それは発動までに時間がかかる点だ。


今回は襲い掛かかる前から準備をしておき、襲い掛かってきた瞬間男達の生命エネルギーを気絶する寸前にまで低下させたのだ。



それにもかかわらず倒れるものより、膝をつく者のほうが多かったのは、その冒険者のレベルが高い証拠であろう。


もちろんリョウには手も足もでなかったが………




そしていくつもの視線を背にギルドをでる。


それからしばらくして、リョウは二人に話しかける。


「リズ、レナ、これから宿二部屋とるつもりだけど二人は同じでいいよね」

「うむ。異論はないぞ、主殿と一緒じゃないのが不満じゃが」


「はい。問題ありません」


宿への道を足速に歩きながら二人に確認をとる。



そうこうしているうちに、ついに目的の宿へ到着する。


「やっと着いた〜

すいませーん。

泊まりでニ部屋お願いしたいんですけど」


宿の奥から女の人が出てきて、応対してくれた。


「はい

わかりました。206と207号室の二部屋で銅貨80枚になります」


「はい。これで」


そう言って銅貨が入っている袋を渡す。


「ありがとうございます。

お釣りの銅貨20枚と部屋の鍵になります。」


リョウはお釣りと鍵を手渡され、部屋へと向かう。


部屋は2階に二部屋、隣同士でリズとレナは鍵を渡され、もう既に自分達の部屋に向かった。


リョウも部屋へと入る。


部屋は広くはないが狭くもない。


そして、テーブルとベッドがおかれているだけだ。


ところが、ベッドがとても気持ち良さそうなのだ。


思わずリョウは、


「やっわらか〜〜い布団へーー、レッツダーイブ!!

と、大きな声で言いながら飛び込む。


「あーもう明日の事とか力の事とかどうでもいいや。

何もかも忘れて寝まくろう」


そう言ってリョウは即行で眠りについた。


久しぶりの熟睡だった。。。





その頃207号室のリズとレナは…………


「ほう〜これがベッドというものか。

ふかふかじゃな〜〜」


ベッドの上でジャンプしながらリズが言った。


「リズさんはベッド使ったことないんですか?」


「うむ。まぁそうじゃな

ずっと天界におったし、下界に下りてからも主殿と共に森におったからのう」


「ずっと聞こうと思ってたんですが………。

リョウさんと『二人』でですか!?」


「おう。そうじゃが?」


「ふた…りきりって………

まさかあんなことやこんなことを・・・」


「ん?

我は魔獣を討伐したり主殿の修業を手伝ったりしてただけだが」


「え?それだけですか?」

レナは拍子抜けした声をだす。


「ふふふ、何を想像したのかのう」


リズが意地の悪い笑みを浮かべる。


「え、え?あのう〜そのう〜」


レナの顔は急激に真っ赤になり耳まで染まってしまった。


「まぁしたがな」


リズの爆弾発言に驚きながらツッコム。

そして絶対零度の声で言う。



「したんですか?」


「どうした?

何かお主に困ることでもあるのか?


………っ!!

まさか主殿に惚れて………」


「っっ!!

いえ、まだそんな気持ちは!」


さっきまでの表情とは打って変わって、レナはあわあわとテンパっていた。


リズはそんなレナの様子を微笑ましく見ながら言った。、


「ふふ、まぁいいわ。

そろそろ寝ようかの」


「そうですね。

お休みなさい」


「うむ。おやすみ」


こうして三人は眠りについた。





そして翌日、ついにリョウのCランク昇格試験の日がやってきた。



「さようなら。フワフワ布団よ。行ってきます。また会おう」


と言ってリョウは部屋をでてリズとレナの二人と合流し、ギルドへ向かう。



ギルドに着くとそこにはギルド長ルドルフ、受付のルア。


試験官のゼス、マルタ、ネルの三人。

そして野次馬達がいた、野次馬の中には昨日リョウに飛び掛かり返り討ちにされたやつもいた。


「これからリョウ・エンドウのCランク昇格試験を行う。

同行者はリズ、レナ、ゼス、マルタ、ネル

討伐目標は甲殻獣、鉄鋼蟹2体だ。

では、Cランク昇格試験開始!!」


(それにしても随分と注目されちまったな〜〜

さっさと終わらして帰ろうっと)


リョウは短絡的に考えていた。


そして、その時まだリョウは知らなかった。

この試験で起こることがこれからユストラシア大陸に訪れる未曾有の危機の前触れだったことに…………






第二章を四部構成にするつもりです。

一部目が終わったので次回からは第二部のCランク昇格試験編スタートです。


キリが良さを優先したので、今回は短くなってしまいました。

それに戦闘入んなかった。


次回は戦闘入るはず………入れるといいな〜



次回予告

ついに始まったCランク昇格試験。


今だ戦った事のない甲殻獣とどう戦うのか………




では、

感想・評価・アドバイス・質問お待ちしております。

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