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シナリオパート1 紅の迷走

紅の双璧が自身を見つめ直す回です


車輪の惑星,宇宙船内コーダの部屋


紅     「頼みがある。スミレと俺の仲を最悪にしてくれ」

コーダ   「あははははは、強くなれるのならいいじゃないか。

       真面目に修行すれば私たちは倒せるかもしれないし」

紅     「あんな体力馬鹿を相手していては

こちらが持たん!!なんでメイド服なのだ!」

コーダ   「ああ、基礎鍛錬コースか。懐かしいなぁ」


 待たせたな諸君、この俺、紅の双璧は真紅のツインテールで

漆黒の服をまとう魔法少女なのだが、訳あってメイド服を着ている

電気と魔法で動く等身大ハイブリットマシーンに搭乗中、

俺本体は15cm。今はコーダの部屋で説得中だ。


 蒼転寺コーダ。ランの姉であり緑髪に白衣、片眼鏡で医者

属性てんこ盛りだが、超反射神経でバイクを駆る一面もあり

スミレを止めることができる実力の持ち主。

魔法少女の力を秘めているが最終兵器なため温存中


 蒼転寺スミレ。コーダと結婚したメイド。黒髪に半袖だが手袋で素肌は

守られている。ブラシとモップではなく、木刀と竹刀をクロスさせ

背中に刺している。修羅!悪鬼!パワハラ!レギュレーション違反!


紅     「とにかくだ!スミレが苦手なものとかないか?

      奴が俺に興味を抱かなければ平和になるのだ!!」

コーダ   「知ってどうなる?今逃げたところで強くなれないぞ?」

紅     「なろう系だぞ!!チートパワー俺だけに渡せよ!!

      ハーレム王になって偉人として教科書載りたいのだよ!!」

コーダ   「なろう系にも色々あるだろう?強いだけが正義じゃないさ」

紅     「”#RTしてくれた人の小説読む”のタグに

      前作の怪文書送り付けたら

      ”募集要項読みましたか?”と門前払いされたんだぞ!!」

      (注意、作中でのフィクションだ!!)

コーダ   「あはははは、個人によって読みたい作品の解釈が違うんだ。

      縁がなかったと思って諦めればいい」

紅     「どうしてこうも世界は俺に厳しんだ」

コーダ   「それが大人になるってことさ。こうやって笑い話にできる」


紅     「違う違う!こんな怪文書のことなど心底どうでもいい!

      問題はスミレだ。なんだあの強さは!傷一つ付けれなかったぞ」

コーダ   「ああ、スミレ君の強さは私と共に戦った時間の蓄積だからな」

紅     「時間の蓄積?」

コーダ   「元々私もスミレ君も規格外の強さではなかったさ。

      ともに競い合う仲間がいたからこそ、強くなったんだ」

紅     「いや、才能あっただろ。二人とも」

コーダ   「そこで終わらなかったから今の強さなんだ。

      全力で楽しんでたら人間の枠を超えていた」

紅     「人外のトレーニングが耐えられるわけないだろうが!

      もっと楽な方法とかないか?」

コーダ   「あるぞ?」

紅     「でかした!!」


母艦外。疑似体育館内


用意されたのはプラスチックの食器と玩具の食材。

さらに直線の長くて細い木でできた平均台

母艦近くに魔法で作った疑似体育館での訓練のようだが

これでどうしろというのだ!!


コーダ   「両手にお皿と食材を乗せて、落とさずに

      細い平均台を渡ればいい。シンプルだろう?

       安全のためマットを敷いたから存分に転んでいいぞ!」

紅     「平均台でなく白線のテープじゃダメなのか?」

コーダ   「バランス感覚を養うためだ。それに派手に転んだほうが

      次失敗しないよう頑張れるしな。」

紅     「失敗する事前程か、ならば一撃でクリアして見せよう!」

なんの弊害もなくクリア。いや拍子抜けだな


コーダ   「ではこんなシチュエーションはどうだ?」

紅     「雨だと?雨の中食材を運ぶメイドがどこにいる!!」

コーダ   「あはははは、物は試しだ。やってみるがいい」


 魔法で降らせた雨の中、進んでいくうちに違和感を覚えた

メイド服が水を吸って重くなっていた!

それだけではない!皿にも水がたまりバランスが崩れ・・・。

紅     「うおっ!!足が!!」ばたーん

盛大に転んだ。雨の影響で平均台から足を滑らせたのだ。


紅     「何故こんな簡単なことで失敗するのだ!!」

コーダ   「そこだよ、敵は雨天でも待ってくれないさ。

      悪天候、服の重さ、挙動の悪さ、足回りの不具合。

      実戦ならただでは済まなかったぞ?」

紅     「ならばもう一度だ!!」

コーダ   「これはマルチタスクの訓練でもある。

      言ってしまえば脳の並列処理を鍛えるのさ」

紅     「だが、魔法を使え

コーダ   「当然魔法は禁止だ。環境を中和するのに魔力使うのは

      隙が生まれるからな」

この人怖いぞ。発言かぶせてくるタイプだ。

流石はランの姉。相手の感情を計算して発言する人種


コーダ   「ふむ、練習が必要だな。軽食作ってくるから

      サボるんじゃないぞ?」

紅     「この程度で挫折などせぬ!!」


とはいってもだ。何度も挑戦しているが解決の糸口が見えない。

そこにやってきたのはリエ達だった

      

リエ    「紅、何でずぶ濡れなのよ。というかスミレさんが

      探してたわよ。なんかすごい速度で外出て行ったけど」

ラン    「随分と苦労してるわね」

カトレア  「風邪ひいたらどうするのよ!はいタオル。

      洗わずにそのまま返してくれていいから♪」

キキョウ  「捨て犬みたいにビショビショでござるな♪」

クローバー 「コーの字から呼ばれて来たものの状況が読めぬな」


よりにもよって過去に敵対したメンバーが集まる。

コーダが呼んだと言っているが何のためだ?

笑いものにされるかと思ったが逆に声援を送っている。

止めろ!俺は善意には弱いんだ!!

あとラン!俺を見世物にして商売始めるな!


紅     「ラン!ホットドッグの匂いで気が散るからやめろ!」

ラン    「ちゃんと紅の分も取ってあるわよ?

      ただしクリアできたらだけど☆」


リエ    「ふぁんふぁりにゃしゃいよ! (頑張りなさいよ!)」

紅     「口に物入れながら喋るな!リエ!行儀悪いぞ!」


カトレア  「応援も熱が入ると汗かくわね。このタオル使っちゃお♪」

紅     「カトレア!衛生面でダメだろ!子供が真似したらどうする!」


キキョウ  「紅がんばえー。ってかんじでペンライトを振るでござる」

クローバー 「うむ。くれないのじ、がんばえー」

紅     「原初のAIに変なこと教えるな!キキョウ!!」


何だこれは!大喜利大会になっているぞ!絶賛失敗中の俺だが

リエたちが来る前のほうがはるかに集中できていた!

「あはははは」という笑い声が響き、コーダが現れる


コーダ   「これで分かっただろう。紅君!君の弱さが!」

紅     「弱さだと!この状況でまともにやれるやつは居ないだろ!」

リエ    「中二病っていっても、何かに影響されたことが多いの。

      だから見た目だけ真似しても現実とのギャップで崩壊する」

ラン    「本物とコピーの違いって要は対応力の差よ。

      その人格で修羅場をくぐっているからこそ、

      取れる戦術が多くなるの」

カトレア  「戦いにイレギュラーは付き物よ?この程度のボケは

      片手間で処理してもらわないと、ツッコミ役は務まらないわ」

キキョウ  「紅殿は真面目でござるからな。今すべきことは

      料理を運ぶことでツッコミではないでござろう?」

クローバー 「己の器が完成する前に人の真似をしても、

      結局は器以上の物は入らぬ。

      つまり基礎を磨けという事じゃ」


紅     「言いたい放題言ってくれるな!ならばこれをクリアして見ろ!!」

リエ    「サブアームで傘差せば楽勝じゃん」ドヤァ

ラン    「メイド服を防水加工にするわ」

カトレア  「時間をかけずに一気に走り抜ける!!」

キキョウ  「靴裏の摩擦の高いゴム素材にするでござる」

クローバー 「原初のAIの力、試行回数の暴力でクリアルートを出すのじゃ」

コーダ   「あはははは、自動操縦バイクなら一発だぞ?」

紅     「全員まともに攻略してないではないか」(溜息)


俺以外全員一発クリア。

何と表現すればよいのだ?ルールの穴をついているというのだが、

確かに魔法は使っていないが、これが正解と素直に喜べないぞ?


コーダ   「私達が自分の持ち味を生かし攻略しているのに対し

      紅君は自身の長所を生かし切れてない。

      君に有って私たちにないものが分かればこの課題は

      クリアできると思うぞ」

紅     「それが分からぬから、こうして頭を下げている!!」

コーダ   「これは学園のテストとは違う。故に正しい回答など存在しない。

      人の真似をしたところで別の壁に当たり、挫折を繰り返すのが

      オチだ。だが、自己完結型の紅君が私たちを頼ったのは

      いい傾向だ。あはははは、今日はご飯をお代わりできそうだ!」

ラン    「コーダ姉さん、ストレスで小食だものね」

コーダ   「それは医者時代の話だ。今は療養中だからな」

紅     「あのコーダが、療養だと?」


コーダ   「大した話じゃないさ。後天的遺伝子治療、つまりは

      人類の設計図であるDNAを後から書き換える手術。

      ただ本人の性格が変わってしまうからな。遺族からは

      クレームの嵐さ。そこで私は壊れてしまったんだ」

紅     「そんな素振り一度も見せてないではないか!!」

コーダ   「年下に大人の現実なんて見せられないさ。

      減点方式の人生なんぞより、加点方式の生き方を

      示したほうが絶対にいい!!」


年上ってやつはどうして自己犠牲の強いやつばかりなんだ

ラン、カトレア、クフェア、スミレ、クローバー、コーダ。博士は違うがな


紅     「そうか、すまなかったな、気付いてやれなくて」

コーダ   「君が謝ることじゃないさ。スミレ君が支えてくれたから、

      いや今現在、皆が私を救っているからな」にっこり

紅     「本当にすまない」

リエ    「紅!あんただけの長所って私分かったわよ?

      まず落ち着いて状況を整理しなさいな」

紅     「俺には機械知識も、手芸も、バイクの才能すらない!

      なあ教えてくれ、俺は何者なんだ?」

何かにすがるような声を出す。コーダに無理な負担をさせていたか、

自分自身の不甲斐なさか。目の周辺に水滴が集まる。

違う、これは雨だ。俺の感情ではない


キキョウ  「紅殿ならきっと過去の自分を払拭できるでござるよ?」

カトレア  「キキョウ!!自分が何言ってるか分かってるの?」

クローバー 「よい機会じゃな。安心せい。我らがついておる」


私はランが好きです。私はランが

ラン    「敵が現れたみたい!私たちは行くけど、無茶はダメよ?」

紅     「ああ、行くがいい」

カトレア  「魔法で乾かしたから新品同様よ?頑張ってね」


カトレアからタオルが渡される。こんな時まで人の心配とは恐れ入る。

敵との戦闘班と救護班で多めに人数を割いている影響で

今この場には俺一人・・・いや違う。



紅     「居るのだろう?スミレ」

スミレ   「はい、紅様」


ドアの陰からスミレが出てくる。もしかして

隠れるの下手なのか?


スミレ   「一部始終を見ました。紅様も苦労しているようで」

紅     「誰のせいだと思っている!!」

スミレ   「弱さは罪ですよ?誰も守れないですし、自分すら救えません」

紅     「だから、俺は俺自身に勝負を仕掛ける。

      後のことは頼んだぞ。スミレなら俺程度は止められるはずだ」

スミレ   「紅様、一つだけアドバイスを。昔と違いあなたは

      一人ではありません」

紅     「ああ、わかっているさ。」

自分の意識の奥へ奥へと進む。リエが完成させたシステム”紅の双璧”を

俺自身が起動させることになるとはな。


”脳内快楽物質の増大および

酸素供給不足による脳がマヒした思考能力の低下”


2つの要因で双璧。ランナーズハイとかゾーンと呼ばれているものか。

思い描いたイメージを具現化する脳のリミッターを外した状態。

俺の意識は深く沈む。やがて現れたのはもう一人の俺だった。


紅   「また書き方変えたのか!この怪文書!

    以前より場所の把握はできるようになったが

    これでいいのか?」

リエ  「テンポの為よ?サクっと読める怪文書実現のためなら

    超大国の映画シナリオの書き方から、サムライ国の脚本まで

    全部のいいとこどりをするまでよ!!!」

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