スキルの発動
意識が覚醒すると、頭の中というか目の前にPCのような画面が浮かんでいた。
へ!?目が見えるようになったのか!
と思ったが、他は見えない。見えるわけがない目がまだ開いていないんだから。
生まれたてだし?
私「なんだこの画面は?」と思うと。
答「お答えします。固有スキル:インターネットのトップ画面が表示されております。」
私「え?なに?インターネット?何この声?どういう状況?」大混乱中
答「お答えします。ただいま自動ヘルプモードが起動しており、質問に対するデータベース上の回答とインターネット上の情報がヘルプ機能により検索回答が可能です。情報をもとに思考解析の上での回答は現在発現しておりません」
・・・・・・・・・うん。まずは色々聞いてみよう。
私「では、自分は心臓が痛くなり、意識を失って、目覚めたらこんな状況になっているんだけど、なぜこうなったのかわかる?」
答「お答えします。以前の身体は9年間積み重なった疲労により心筋梗塞を起こし酸素欠乏による脳死しました。その後、火葬により肉体は失っております。
また、魂については、地球の輪廻を外れ、ここインガースの輪廻にて転生されております。」
私「インガースの輪廻に転生したとはどういうことだ?インガースとはなんだ?」
答「お答えします。ここインガースは地球とは別次元で存在する惑星です。なぜインガースの輪廻で転生をされたのかについてはデータベース、検索情報から見つけることができませんでした。」
私「そうか・・・今の妻の状況はわかるか?」
答「お答えします。地球の個人の状況確認をするには検索権限がないためお答えできません」
私「そうか。ここインガースの情報を知りたい。地球との相違点などはあるのか?」
答「お答えします。ここインガースは地球とほぼ同じ物理現象に基づいています。
ただし、地球にはない魔素を運用した物理現象の具現化が可能です。俗にいう魔法、魔術がそれにあたります。また、魔素の影響で魔物と呼ばれる特殊進化した生物、エルフ、ドワーフ、獣人、妖精、精霊など地球上にはない個体が存在します。
人間の生活水準に関しては地球の西暦1000年程です。しかし、魔素を運用した独自の文化が発展しております」
そうか、ちょっと不便なところなんだろうか・・・。
私「自身の体調とか情報などを確認することは可能なのか」
答「お答えします。可能です。可視化されますか?」
私「可視化もできるのか。たのむ」
答「では個人データを日本語にて可視化します」
【お名前:ポーラ・シャルル シャルル伯爵家長女】
【年齢:0歳】
【レベル:0】
【状態:良好】
【ユニークスキル:インターネット(ヘルプ)】
【スキル:古武術】
【備考:転生者】
おー!なんだかゲームのようだな。
貴族に生まれたか。しかも女子?そうか・・・嫌な予感。よし!考えないようにしよう。
古武術は前世の努力の賜物だな。うむ。
この後も質問と回答を繰り返した。
父:ゲイン 母:ウーラ 祖父:ガイン 祖母:ホーリ 私専属メイド:メメ 他数名のメイド執事がいるようだ。
俺は死んでしまったんだな・・・妻のウララはどうしているかな・・・。
情報の確認をしながら自身の現状を受け入れていくとともに睡魔に意識を失っていった・・・。