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悔いの残らない選択を

プロローグ

郡山大智(こおりやまだいち)、33歳。社畜歴10年。今日も彼は社会の歯車として一日を過ごしていく。

朝の陰鬱な彼の心情とは正反対なアナウンサーの声音は煩わしく思える程に元気で、

そんな事を頭の片隅に考えつつも朝の身支度を手早く済ませる。


7時28分発の快速電車に揺られながら今日の星座占いについて調べる。

おとめ座は今日1位らしい。曰く思わぬ転機が訪れるのだとか。

特段信じてはいないが1位を取れば誰だって多少は期待する。会社がホワイト企業になるとかなら泣いて喜ぶのだが。


彼の仕事は朝の8時から始まる。メールを確認し昨日終わらせることが出来なかった仕事を片付けつつ、3日かけて終わらせるような仕事量を割り当てられ一人で片付けていく。

上司に頼まれた資料の作成が出来ていなければやる気があるのかというありがたいお言葉を受け、後輩がミスした時にはサポートに入り、脳が正常な機能をしていない事を理解しながらパソコンと格闘を続ける。

朝昼兼用の昼食をすませ取引先への顔出し。会社に戻ればまたパソコンとの格闘。

上司のお言葉を受けながら作業をこなし気づけば23時半。急いで帰り支度を整え帰路に着く。

ここ数年コンビニ弁当しか食べれていないが何も考えずに途中にあるコンビニで弁当を買う。

今日の気分はカレーらしい。

後は家に帰り飯を食べ、寝るだけ。そしてまた代わり映えのしない一日を過ごす。このまま人生に何の起伏も事件も運命のいたずらも起きないままただただ歳をとるものだと思いながら家に着く。


だが、今日はそんないつも通りで終わる事はないようだ。彼のスマホが震える。メッセージが1件届いているようだ。開いて見てみれば、

「縺薙?繝。繝シ繝ォ縺ッ驕主悉縺ォ謔斐>縺後≠繧倶ココ縺ォ蜷代¢縺ヲ騾√i繧後※縺?∪縺

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           Y/N」

というよくわからないメッセージだった。「はい」か「いいえ」を聞かれているのは何となく分かったが、文字化けしていてよくわからない。

馬鹿馬鹿しいと思いながらも、興味本位で「Y」と打って返信する。

普通なら無視してメッセージを消去するのだが、なぜか不思議とそれが出来なかった。

まあいい。これで自分のデータが不正利用されようとも死んだような生活を送る自分からすればどうでもよかった。気づけば時刻は1時半。部屋の明かりを消し布団に潜り込む。一分でも多く寝て明日に備えなければ。


意識が薄れていく中でふと、朝の星座占いが外れている事を思い出した。

所詮神様なんて者は俺みたいなちっぽけな一人の人間を助ける訳ないよなと一人ごちりながら、意識を手放すのであった。


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