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08(中庭)

「母も閉じ込められてるはずです! 助け出さないと」

「他の部屋か、私はドアを開ける。その間に助け出せ!」


 俺は1階の部屋を隈無く探す。廊下のドアも開けて探す。すると見付ける。


「中村! カルロス!」

「黒木先輩〜」


 2人は泣き付いてきた。


「俺の母さんを知らないか?」

「おばさんは知らないですよ。早く交番に行きましょう」

「探してる時間はないか。先ずは脱出だ」


 俺は落ちていた金属バットで玄関に貼り付けられてる木の板をテコの原理で外すが、釘で確りと打ち付けられてる。


「あれ? 窓の隙間から光が見えます」


 俺は窓を割る。ガシャーン!


「これは鉄格子じゃない! 発泡スチロールで出来てる。よく見ると、夜じゃない。黒いポリ袋で覆われている! 皆、窓から逃げよう!」


 俺は窓から外へ出てポリ袋を引き裂く。


「どこだ、ここ? 実君の家じゃない?」

「ここは、どこですか?」


 カルロスは震えている。


「分からない……廃れてるな、廃病院の中庭か?」

「近くの廃病院は阿智村だ。多分、高校の近くだ!」

「それだと、交番まで遠いな。取り敢えず、病院の中に入ろう」

「はい! さっさと出口に行きましょう」

「待てよ? この廃病院は精神科だったはず」

「つまり、今度は本物の鉄格子か」

「出口が開いてると良いが……。化け物が院内に入ってこないように」


 俺はドアの内鍵を掛ける。ドン!


「黒木〜、開けてくれよ〜」

「鴨川!? 気持ち悪いんだよ、脳ミソ猫!」

「そんな事言うなよ〜、開けてくれよ〜」

「黒木先輩、急ぎましょう!」


 中村はしっかりしてる。


「ああ! 出口へ行こう」


 俺達は出口へ行くと、愕然とした。チェーンロックだ。


「私に任せろ!」


 オッサンはバールでガシャン! チェーンを殴る。


「ダメだ、びくともしない。お前達は他の出口を探してくれ」

「はい!」

「裏口を探してみましょう」

「離れるなよ? 確り、着いてこい」


 俺達はオッサンを残し、走って裏口を探す。道具は金属バット1つ。心許ない。


 すると、ガシャ「痛っ!」と中村が叫んで転ぶ。


「どうした!?」

「ガラスを踏みました〜」

「危険だな。カルロス、肩を貸してやれ」

「分かりました」


 カルロスは中村の右脇を持つ。


「済まん」


 俺達は足下を注意しながら、院内を探索する。


「あった! 裏口だ!」


 俺はドアノブを捻る。


「ぎすいな。バットでぶっ壊してやる!」


 3人で木製のドアを破壊する。


「隙間が開いた。もう少しだ! 外から貼り付けられてるのか。テコの原理で……」


 バキッ!


「開いた〜」


 そこは山奥だった。これからが勝負だ。

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