表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/15

02(防犯カメラ)

「黒木はサボるの上手いよな」同じクラスの鴨川。背番号10のミッドフィルダーだ。

「自然と身に付いたよ、アハハ」

「中田先生がわざわざ待っててくれたんだよ?」

「そんなに期待されてもな〜」

「3年生は朝練がないからって……1年生に示しが」

「明日は部活ないし、ゆっくりしよ」

「もう宿題は終わったのか?」

「夏休みの宿題なんて最終日にまとめてやるさ」

「相変わらず、呑気だな〜」

「防犯カメラの設置も多分、明日にやるよ」

「例のイタズラか?」

「そうだよ、迷惑な隣人が居るからね」

「それにしても、自宅に自販機があるなんて良いよな〜」

「近くに工場があるからね。勿論、家族でも金を取られるけど、アハハ」


 校庭を15周して終わりだ。俺は13周しかしてないけど。ストレッチはやってない、怪我をしなくて良かった。


 帰り、俺は自転車に乗ろうとした時、サッカー部の後輩の中村が話しかけてきた。


「黒木先輩、一緒に帰りませんか? 色々教えて下さい」


 同じく後輩のカルロスも居た。中村はミッドフィルダーでリザーブだが、1年生でベンチ入りだ。カルロスはブラジル人とのハーフで背はそんなに高くないが足が速い。


「良いけど、2人とも歩いて来たの?」

「走って来ました」

「アハハ、元気だね」


 俺は自転車を引き、3人で歩いて帰る。


「柔道ってサッカーに活かされますか?」


 カルロスが質問をしてきた。


「怪我しなくなるらしいよ。柔道で怪我したら意味ないけど。無理して取り入れる事ないよ」

「そうなんですか〜」

「俺は好きでやってるだけだから」

「食事はどんなメニューを?」

「取り敢えず、朝は食べる事。それとプロテインだ」


 俺は胸が痛い。分かっちゃいるが、ついつい朝御飯を抜いてしまう。


――俺は自宅の前に着く。


「じゃあ俺はここで」

「お疲れ様でしたー!」


 2人は帰って行った。俺は自販機を見ると、発泡スチロールの箱がなくなっていた。実君の奴、何がしたいんだ? すると、母さんが家から出てきた。


「ヒロ! 防犯カメラを取り付けたよ。ほら、あそこ見て」


 2階のベランダに防犯カメラが設置されていた。


「なんだ、言ってくれりゃ、手伝ったのに」

「お父さんが1人でやってくれたのよ」

「何でわざわざ家から出てきたの?」

「映ってみたかったのよ。遅いけど朝御飯を食べなさい」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ