最終章、15(決断)
――数日後、ヤハウェから数百万発のミサイルが飛んできて、各都市に落とされた。ウィルス兵器だ。
純粋な人間は死に、内臓犬と脳ミソ猫など宇宙人が生き残った。
「ヒロ、内臓犬に成った感想はどう?」
「悪くない。内臓が飛び出た犬でも死ぬよりマシだ」
隣近所を監視する防犯カメラを取り付けて、事態がここまで急変するとは。
母さんが言うには、内臓犬はかなり位の高い生き物らしい。
――俺は自宅のリビングで母さんとお茶を飲んでいると、ふと気付く。足音だ。
すると、パーン…………! 銃声!? 母さんが踞る。
「なんだ!?」
「脳ミソ猫の仇! 次はお前だ!」
脳ミソ猫だった警官は、俺に銃口を向ける。そして、パーン! グチャ。
――俺は死んで、魂はヤハウェで生まれ変わる。また、内臓犬だ。地球に居た頃の記憶が残ってる。母さんもだ。父さんはワープ装置でヤハウェに来る。
だが、安心はできない。内臓犬と脳ミソ猫の戦争が始まりそうだ。
俺は不本意だが、内臓犬の戦士として戦う。中村もカルロスもワープ装置でヤハウェに来て、内臓犬軍に加わる。
脳ミソ猫の攻撃は蹴り、内臓犬の攻撃は噛み付きだ。
人間の姿になれる俺はグレイ型宇宙人が作ってくれたハンマーを手に取り、戦場へ向かう。
――終わり――