14(改造)
――俺は留置場に入れられた。それから、1日後の昼。
「黒木ヒロ、出ろ。容疑は晴れたよ」
「えっ!? どういう事?」
「君が殺した“生き物”を解剖したら人間じゃなかった。未知の生物だ。恐らく、器物損壊……いや、銃刀法違反だが、正当防衛だから書類送検で終わるだろう」
「そうですか、やっぱり……」
「パトカーで送ろうか?」
「結構です。トラウマになりましたから」
「じゃあタクシーを呼ぶね」
おかしい……父さんは出張で無理だとして、母さんは面会に来てもいいんじゃないか?
俺は自宅に帰ると母さんは居なかった。
「母さん、どこだ!?」
すると、裏庭から「ヒロ、どうしたの?」母さんだ。俺はホッとした。
「母さん、心配したんだよ?」
「ヤハウェはどうだった?」
「えっ!? 母さん、何を言ってるの?」
「ヤハウェはどうだった?」
「母さん…………?」
母さんの内臓が飛び出て、犬になり「グー」と鳴いて、四足歩行で走り回る。
「母さんまで……」
「ヒロも内臓犬になりなさい。脳ミソ猫より、ずっと良いわよ」
「狂ってる…………」
「ヤハウェからウィルス兵器が来る。内臓犬に成れば、ウィルスで死ぬ事はないわ」
「何でだよ!? 嫌だよ、そんなの!」
「脳ミソ猫が公になったからよ。地球人にエイリアンは刺激が強すぎる」
「あっ! 阿智村の山奥にUFOがある!」
「バカねえ、あれはヤハウェの山よ。地球にはないの」
「いつ、母さんはスリ替わった?」
「ヒロが警察署に行っている間に改造してもらったの。まあ、代々黒木家は内臓犬の血が入ってるから、改造は簡単よ」
「父さんは!?」
「今頃、神奈川で改造されてるわ」
「くっ、どうする!?」
「黒木先輩〜、内臓犬も悪くありませんよ〜」
「カルロス!? 中村!? 何を……」
カルロスと中村の内臓が飛び出て、犬に変身する。
「黒木先輩も内臓犬になりましょうよ」
「まさか、人を殺してないだろうな?」
「何を言ってるんですか〜。一昨日、黒木先輩が殺ってくれたじゃないですか〜。僕らの分まで」
「内臓犬になるか、死ぬか、選びなさい」
「俺は…………!」