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第5章、10(生きてる)

 俺は気が付くと、自分の部屋でベッドの上だった。外が明るい。


「夢か?」


 すると、母さんが部屋に入ってきた。


「ヒロ! 寝すぎよ。一日も眠って」

「そんなに……やっぱ夢か」

「グータラしてないで、朝御飯を食べなさい」

「ねえ、母さん。実君は?」

「えっ、実君? 文句は言ってきてないわ」

「えっ!? 実君は生きてるの!?」

「何寝ぼけた事言ってるの」

「そうか、夢で良かった」

「悪い夢を見てたのね」


 俺は実君の家に行く。どうしても確かめたかった。


 ピンポーン…………。


「はい、どちら様?」


 実君が玄関から出てきた。


「おはようございます。みのっ……鴨川さん」

「鴨川? うちは茂木ですけど」

「もぎ?」

「隣の黒木さん家のヒロ君だね? 表札見て」


 確かに【茂木】と書かれていた。


「やっぱり、夢か……失礼しました」


 俺は帰る時に、実君の家の庭で、甲子園のポスターに×印が描かれた物が落ちてた。


「偶然、偶然」


 俺は家に帰る。


「ヒロ、どこに行ってたの? 防犯カメラをチェックしたら部活でしょ?」

「あっ、忘れてた」


 俺は父さんの書斎で防犯カメラの録画を観る。


 4時半頃の映像にまた、実君が映ってた。


「何やってるんだ? えっ……嘘だろ!?」


 また、脳ミソ猫が現れ、実君が後を追う。


「これは外に出せない。消してしまおう」


 カチッカチッ。パソコンで録画を消去する。


「あれ? 消えない……」

「ヒロ〜! 早くしないと、朝練に間に合わないわよ」

「分かった〜」


 仕方ない、映像を売らなきゃ良いんだ。


 ピコン。メール? 父さんからかな? カチッカチッ。


『今度、飲みにいきませんか?』


 これは迷惑メールじゃないか。


「ヒロ〜!」

「はーい、すぐに行くよ!」


――俺はサッカー部の朝練に行く。中田先生がまた待ち構えていた。


「黒木、遅い。朝練が終わるぞ?」

「すみません、中田先生。宇宙人に拐われて」

「黒木、鴨川を知らないか?」

「鴨川……宇宙人のペットですよ」

「ふざけないでくれ。昨日から行方不明なんだ」

「そんな…………柔道部の清水は?」

「清水を知ってるのか? 清水も行方不明で柔道部の顧問の先生と親御さんが警察に失踪届けを出すようだ」

「中村とカルロスは?」

「カルロスなら、ちゃんと朝練に参加してるよ。中村は足を怪我して、休んでるけど」


 違う! 夢じゃなかった!? いや、偶然……か?

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