「平和な世界」
「起きてください!!!‥‥起きてください!!‥‥」
「んっ‥‥。」
遠くから若々しい女性の声が聞こえる‥‥。
「おーい‥‥」
聞き覚えのある声だ‥‥。
たしかこの声は‥‥リリー様か‥‥リリー様なのか‥‥
「起きないわねー‥‥リリー様ちょっと荒くたいけど、腹パンしていいかしら‥‥」
「リリー様なんて‥‥もう私はただのSRの世界の住民なんですから‥‥それと流石に腹パンはちょっと‥‥」
死んだんだ‥‥俺‥‥
「もう頭にきた!いくわよ!ハァーハァー‥‥ドリャ!!」
天国にいったら家族に‥‥
「ヴぇぇぇぇぇ!!」
俺のお腹にとてつもなく激痛がはしる‥‥
あまりの痛さに飛び起きてしまった‥‥
「いっててぇぇぇぇぇーーー!!!!」
「あっ‥‥起きた‥‥おっはよう!」
ミルミルは何故か俺の苦しんでいる顔を見て超上機嫌だった。
あまりの腹痛に転げ落ちもがき苦しんだ‥‥
「あぁぁーーーー!!!!!」
「だっ大丈夫?ですか!?」
床の上で左右にもがき苦しんでいる俺に聞いたことのある天使の声‥‥その声に俺のはもがくのを止めた。
「この声は‥‥リリー様!?」
床に転げ落ちていた俺は、寝転がったまま声の聞こえてくる方向を見上げた。
すると‥‥そこには俺が初めてSRの世界に来て、一番最初に出会ったリリー様がいた。
しかもこなだあんなに魔王にコケにされボロボロになっていた時の様子はなく、あった時のようにすごく美しかった。
俺は先ほどの腹痛が、嘘のように立ち上がりリリー様の両手を握っていた。
「リリー様!お体は大丈夫ですか!?」
「えっあっ‥‥はい。大丈夫ですよ!‥‥」
リリー様は、最初にあってくれた時と同じ笑顔で微笑んでくれた。
「ちょっと!あんた!!」
この声は‥‥先程聞いたぞ‥‥
えーっとな‥‥たしか腹パンされるときに‥‥
「あっ!この声は俺の腹パンをしたアホのミルミル!!」
「誰がアホのミルミルよ!!」
「この野郎!!俺がっ‥‥て魔王は!?てか何で俺小屋みたいなところにいるんだ!?」
あたりを見回してみると、そこにあったのは、SR一超絶魔剣大会の会場ではなく、窓からは綺麗な港が見え、街の住民の笑い声や無邪気な子供の声‥‥
「どうなってんだ!?ってよく見たら俺の身体も傷一つない‥‥。」
俺はまるでミルミルが召喚された時並に現状の理解が全くできなかった‥‥。
「なーに騒いでいるのよ‥‥ってあんたまだ知らなかって当然よね。何しろ2日も寝ていたのだもの‥‥。」
「えっ!!2日!」
どうやら俺は2日間の間ずっと寝ていたらしい‥‥。
「魔王とかはどうなったんだよ!‥‥え?へ?」
「あっ宇治原さん‥‥私からお話します!!」
リリー様がどうやらこの2日間のことを話してくれるようだ‥‥。