「自称魔王 真の魔王になる」
「なーミルミル‥‥」
「‥‥‥‥‥‥。」
彼女は必死だった。
街の中心部からは、完成の声が広まる‥‥。
「あのさぁ‥‥ハァハァ‥‥この後俺どうすればいいの‥‥ハァハァ‥‥」
「‥‥‥‥‥‥。」
ミルミルはガン無視だった‥‥。
きずくとミルミルと俺は、街の中に入っていた。
俺は、必死にミルミルを死ぬ気で追いかけた。
ミルミルは、大きな建物に入ってゆく。
中心部から聞こえている声は近づく度に大きくなる。
「おーい!!」
俺は、そのままミルミルに付いていき、大きな建物の中に入った。
入ってすぐのことだった。
すごい人の数だった。
ドーム型のスタジアムにとてつもない人、人、人!!
東京ドームとは全く比べ物にならないくらいの大きさ100倍くらいはあるだろうか?
鼓膜が破けるほどの歓声が上がっている。
俺はあまりの歓声に耳をふさいだ。
「第2回SR一超絶魔剣大会」の優勝者は自称魔王さんでーす!!
司会がそう言った。
「うぉぉぉぉおぉぉぉお!!!」
歓声がともかく凄かった。
「遅かった‥‥」
ミルミルは、先程猛ダッシュで走っていたためか、両手を膝につけ息を切らしている。
すごく悔しそうな顔をしていた‥‥。
「自称魔王さん!!優勝おめでとうございます!!早速ですがあなたの願いはなんでしょうか?」
どうやらSRの名前が、自称魔王なんだろう。SRの世界に来ているから、魔王と聞くと、かの有名な厳つい怪物のようなイメージだが、それと繋がりは全くなく、男性のような体つきだった。
全身紫と黒の装備をまとい、顔を見たくても兜が分厚く全く見えない。
ただひとつ言える事は、全身の防具が邪悪な感じだ。
司会が自称魔王とやらにマイクを向け問いかけた。
すると自称魔王は、ドスを利かした声で一言発言した。
「SRの神だ。」
「は?‥‥」
俺はその言葉に唖然とした。
さっきまでの歓声が嘘のようにあたりが静まり返っていたがそれが嘘のように笑い声が聞こえた。
「ばっかじゃねーのーw w wしらねーのかSRの世界における最低常識規約ってのをw w 」
「そうだ!そうだ!リリー様より上にはなれないんだよ!」
「面白いネタだなおい!w w w」
周りは、自称魔王の願いが、面白い冗談だと思っていた。
すると自称魔王も、唸るような声で兜の下から笑い始めた。
「フハハハハハハ!!そうだったなw w wそう言えばどんな願いであっても、規約に違反してたらダメだったなw w wまぁその話は、SRの世界にウイルスを忍ばせてなかったらの話なんだけどな‥‥」
その発言にスタジアムの歓声は氷ずいた。
嵐の静けさのように
すると自称魔王がこう言った。
「今からよく見ておけ!!」
自称魔王はRSをタップし、次にこう発言した。
「リリーを唯一神から剥奪し、全権利この魔王のもの」
あたりが静まり返り、自称魔王の声がスタジアムに響き渡る‥‥。
するとRSから「承知いたしました。」
RSの機会音声も、スタジアムに響き渡った。
そう自称魔王は、本当の魔王になったのだ。
その声にスタジアムにいた人の顔が、全員凍りついていた。
「にげろーーー!!!」
観客のひとりが、大声で叫んだ。
その声と同時に、周りはどんどんとスタジアムを後にした。
一斉に非難をはじめ、スタジアムにとんでもない地響きが聞こえ、先ほどの歓声とは裏腹に悲鳴が聞こえてきた。
俺は、スタジアムの観客に目がいっていた。
ふと魔王を見た時だ。
ミルミルは、俺とあった時より猛ダッシュで走り、魔王の方向に立ち向かって行った。
「死ねーーー!!」
するとミルミルは、魔王の右肩から腰へ真っ二つ切り落としたように見えた‥‥。
「やったー!!」
しかしそれは、俺の頭の中をよぎった仮想妄想だった。
「えっ!?嘘でしょ‥‥」
ミルミルの切れ味がよくて強そうな剣が、中心から真っ二つに折れた。
ミルミルは、今起こっている現実に理解ができないのだろう。
「なんで‥‥SRの世界にはものは壊れないはずよ‥‥。」
俺は大急いでRSを開き規約を確認する。そうだSRの世界における第8条に《ものが壊れることは無い》と記載されている。
「残念だったな‥‥」
「なんで‥‥。」
すると魔王は大声で叫んだ。
「聞けーーー!!」
そのあまりにもドスを利かした声に皆ビビり、魔王を見て固まる。
すると魔王は、恐ろしいことを発言した。
「この世界における全てのものが私にあるのだ。
よって!最低常識規約は全て改ざんし、私が作り出した新常識規約を導入することをここに誓おう。」
すると左手に開いていたRSの最低常識規約が一気に消え、新しい規約が現れた。
とんでもない数だった。
魔王は次に右手から邪悪な黒紫の物体を放った。
するとそれは、女性の体つきになり、黒紫の物体はやがて弾け飛んだ。
そこに現れたのは、見るのも恐ろしいほど傷だらけのリリー様だった。
「リリー様!!?!?」
俺は驚きのあまり勝手に声が出た。観客からも驚きの声が聞こえている。
「ハァ‥‥ハァ‥‥」
リリー様は、もう虫の息だった。
ほんの数分前までのリリー様とは思えなかった。
「最後に!!」
魔王が突然発言した。
「お前らに希望をやろう。3年後第3回目の超絶魔剣大会を開く。そこで私に勝てたら、SRの世界のに送り込んだウイルスをすべて改ざんしてやろう。私の望みはただ一つ‥‥お前らが考えていた永遠の命は、ある意味死を意味する永遠の命だ。日々の生活に苦しみ、現実以上の恐怖を感じて苦しめ!!
詳しくは私が作った規約を見るのだな!!」
すると魔王は、倒れているリリー様の髪をつかみ、ミルミルの方向へ強くなげとばした。
ミルミルは、物のように投げ飛ばされたリリー様をキャッチして倒れ込んだ‥‥。
「大丈夫?リリー様!!」
ミルミルは恐怖のあまりか、驚きを隠せない。
つぎに魔王は、ミルミルとリリー様の顔をカブトの中から睨むかのように、二人の方向に頭を向け、突然チートのように地面から黒と紫でできた邪悪な剣が出てきた‥‥。
「この剣はな少し触れただけで‥‥SRの世界でありとあらゆるものを消せる邪剣なんだよ‥‥」
ミルミルはリリー様を抱き魔王を睨みつけ悔しそうな顔をしている。
「さらばだ‥‥。」
「にげろーーー!!!」
きずくと俺は、何故か魔王の方向へ走った。
ミルミルとリリー様の目の前で大の字になり、魔王を睨み恐怖のあまりか涙を流していた。
魔王は笑う
「ウハハハハハっ‥‥死に急ぎ野郎とは、この事を言うのだろうな‥‥まずはお前からだ!!」
魔王の邪剣が俺の肩めがけて振り下ろす、その時だった‥‥
突然誰かに後ろから抱きつかれた‥‥抱きつかれたこともない俺は状況が理解できない‥‥
とても軽く、腰に負担のかからないくらいの重さだった。
すると右肩と首の当たりから!小さなむちむちとした可愛らしい手が出てきた‥‥。
見覚えのある手だ‥‥これは!!リリー様!!
リリー様は弱々しいお声でとなえた。
「テーテーレーション」
目の前から魔王の姿が消えた‥‥とてつもない速さで‥‥言葉に表現出来ないほど速かった‥‥俺は気を失った‥‥