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奴隷ゾンビを作って最強を目指そう!  作者: 江保場狂壱
第5章 奴隷ゾンビを最初に作った人に会いに行こう
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ドーナツを広めた結果

 タケルは子供たちと遊んでいた。ノブレスの屋敷の庭で子供たちを集めていたのだ。

 現在ムナール王家が活動している。アンジォ教団がうるさいがやんわりと無視していた。

 タケルは家族のいる者から浮浪児まで幅広く集めている。そしてみんなで仲良く遊んでいたのだ。

 縄跳びをしたり、綾取りをしたり、かくれんぼやおにごっこなどで遊んでいた。

 タケル自身も楽しんでいる。今まで母親の看病で遊ぶ暇などなかった。

 だからタケルは今遊び直していた。ゲームとかはないが、みんなで一緒に楽しむのが大好きだった。

 タケルはへとへとになっていた。子供たちも遊び疲れていたが、笑顔を浮かべている。

「さーみんな。おやつの時間だよ!!」

 アグリが大声を上げた。子供たちは一斉にそちらに振り返る。

 それは待ちに待っていたおやつの時間だからだ。

「さあみなさん、召し上がれ」

 アムールとピュールは庭にテーブルが置かれ、テーブルクロスを敷かれている。

 その上に大皿が三枚ほど置かれていた。

 皿にはアツアツのドーナツが山積みになっているのだ。

 砂糖をまぶした揚げドーナツである。

 砂糖は貴族の伝手で手に入れたものだ。小麦粉も同じだ。

「わーい。おいしー!!」

「こんなお菓子、はじめて!!」

 子供たちは手を油まみれにしながらも頬張っていた。

 その様子を眺めているとタケルはうっとりとした表情になる。

「いい風景だな」

 タケルはつぶやいた。

 子供がお菓子を食べる姿は癒しである。見ているだけで心が温かくなった。

「だがいいのか?」

 ノブレスが厳しそうな表情を浮かべていた。

「簡単にお菓子を与えるのはよくないな。子供たちがそれに慣れてしまい、他の食べ物を口にしなくなるかもしれないぞ」

 その心配は織り込み済みだ。ムナール王国の現状を見て、タケルはきちんと考えている。

「大丈夫。それはきちんとコンフィアンスと一緒に考えていた。

 僕は簡単にドーナツをあげたわけじゃない。労働の対価として与えたのさ」

 実は子供たちと遊ぶ前にタケルは仕事を与えていたのだ。

 ごみを集める、掃除をするなど命じたのである。

 その対価としてドーナツを与えたのだ。

「週に一度簡単な仕事を与える。その後たっぷり遊んでドーナツを報酬にするんだ」

「なるほど。それならいいかもな」

 ノブレスも納得した。親がいる子にはお土産を渡す。

 そうやって都にドーナツを広めるのだ。

 アンジォ教団が反発しているが、無視している。

 この件は他の貴族たちも協力していた。ノブレスを中心に広がっていく。

 それに貴族にもドーナツを試食してもらっていた。

 これも貴族たちには大好評であった。この嗜好品をもっと広げたいと意気込んでいる。

 アンジォ教団の不満が一気に爆発したと言えよう。

「いやー、おいしいね。もぐもぐ」

 ピュールは子供たちと一緒に食べていた。

「こら、ピュール。それは子供たちの分だぞ」

「あら、アグリ。あなたも食べているじゃない」

 アグリの手にもドーナツがあった。もぐもぐ食べている。

「大丈夫ですよ。ドーナツはまだまだたくさんありますからね」

 アムールがお代わりを持ってきた。子供たちは大喜びである。

 タケルはそれを見てほっこりするのであった。

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