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勇者と魔王の撮影後

作者: シュウ
掲載日:2013/05/08

もちろんフィクションです。

ジャッキー映画のNGシーン感覚でお楽しみください。

「魔王! 覚悟っ!」

「勇者! 朽ちるのは貴様だ!」


カキィン!

両者の刃がすれ違いざまに交じり合い、両者が背中を向けたままピタリと止まった。


「……」

「……」

「……勇者」

「……」

「……私の負けだ」


ドサリ。

魔王が音を立てて倒れた。


「勝った…勝ったぞ! 俺はついに魔王を倒したぞぉ!!」


そして見事魔王を打ち倒した勇者は、伝説の勇者となり、その後も代々語り継がれていくのであった。



完。





監督 「カットー! お疲れ様ー!」

パチパチパチパチ!!

監督 「勇者くんも魔王くんも良かったよ! これでクランクアップだ! お疲れ様!」

勇者・魔王 「「おつかれーっす!」」

監督助手 「これはスタッフからです」

勇者 「うおぉ! でっけぇ花束じゃん!」

魔王 「さすが主役は違うよなぁ」

メイク 「何言ってるんですか。ちゃんと魔王さんにもありますよ」

魔王 「俺にもあんの? いやー俺なんかがもらっちゃっても良かったんですか?」

勇者 「何言ってんだよ。ずっと俺のライバルだったじゃん」

魔王 「いやいや。だって俺、もともと勇者役のオーディション受けてたんだよ? そしていざ受かったのに、初めての主役ってことで緊張してセリフ噛み噛みで、魔王役の勇者さんと交代ってことになっちゃって、迷惑かけっぱなしってゆーかなんてゆーか…」

勇者 「俺としては魔王役のオーディションで受かったけど、魔王って言ってもそこまでセリフないし、時々声だけの出演とかで退屈かもとか思ってたんだぜ? そう考えたら、この交代は大成功じゃん! ねっ! 監督さん!」

監督 「俺の采配がピッタリだったんだろうが!」 

全 『『アハハハハハ』』

魔法使い 「あれ? 終わった?」

武闘家 「なんか楽しそう?」

勇者 「おー! 魔法使いさんと武闘家さんじゃん!」

勇・魔・武 「「「おつかれーい!」」」

勇者 「いやー長かったね」

魔法使い 「長かったわ」

武闘家 「なんせ大河ドラマに匹敵するものを作るっていう企画だから、そりゃ長くもなりますよ」

魔法使い 「長けりゃいいってもんじゃないと思いますけどねー」

監督 「うるさいぞ! 魔法使いくんは一番NGが多かったんだから、もうちょっと申し訳なさそうにしろ! 魔王くんを見習え!」

勇者 「NG一回毎に百円の貯金箱が、全部貯まるかと思ったよな」

武闘家 「魔法使いさんはセリフ難しいですもんね」

魔法使い 「ホントだよ。もう意味わかんない言葉ばっかり並べてさ。その呪文で敵じゃなくて脚本さんに攻撃したかったー」

脚本家 「えっ!? 私ですか!? 私は適当にキーボードを叩いておけば呪文っぽく聞こえるかなーって程度だったので…それに監督さんもOKしてくれましたし!」

監督 「いやいや。俺は何も言ってないぞ」

脚本家 「ちょっと監督さん!」

全 『『ハハハハハハ』』

魔法使い 「それに比べて格闘家さんはいいよねー。『ふんっ!』とか『ハッ!』とか言ってればなんとかなりましたもんね」

武闘家 「そんなことないですよぉ。僕なんか絶対に見た目だけで選ばれたので、そういう声を出すのが大変でしたー」

勇者 「完全におねぇ系ですもんねー」

武闘家 「あんまりじろじろ見ないでくださいー」

魔法使い 「こんなキャラの人が武闘家やってるんですから、勇者一行は結構カオスですよね」

勇者 「あれ? 剣士さんは?」

武闘家 「剣士さんは…」

魔法使い 「あれ? 勇者さん知らなかったんですか?」

勇者 「?」

魔王 「賢者さんと結婚するらしいですよ」

勇者 「マジで!? 初耳なんだけど!」

魔王 「俺も聞いたときは驚きましたよ。なんでも魔王側の賢者さんと勇者側の剣士さんって、最終決戦の時に別録りだったじゃないですか。そのあまりにも多い待ち時間の中で、意気投合しちゃったらしく、電撃婚ですって」

勇者 「マジですか。賢者さんいくつでしたっけ?」

魔王 「今年40って言ってました」

勇者 「剣士ってまだ女子大生じゃなかったっけ?」

魔法使い 「そうそう。20歳ですよ。年の差20歳!」

勇者 「マジですかー!」

魔法使い 「賢者さんまじパネェっす!」

魔王 「そういえば魔王側の人達が誰も来てないんですけど…」

監督 「魔王側はみんな有名人だからな。チョイ役ばっかりで、今も他の現場で仕事中だ」

魔王 「そうですか。皆さん忙しそうでしたもんね。四人そろったのは、最初と勇者さん達が城に着いたときだけでしたからね」

武闘家 「そうだったんですか?」

魔王 「そうですよ。三人まで揃っても、獣王さんがなかなかスケジュール合わなくて、賢者さんとかメデューサさんとかとは会わなかったですねぇ」

勇者 「メデューサさんはエロかったよな」

魔法使い 「あれはエロかった。俺なんか最後の決戦で、二人きりで撮影ですよ。もう胸に目が行っちゃって何回NG出したことやら」

武闘家 「それは役者としてどうなんですか…」

勇者 「まぁこまかいことは気にすんなよ。このあとは監督さんの奢りで焼肉行くんだしさ!」

監督 「えっ、なにそれ。俺、全然聞いてないよ?」

魔法使い 「マジっすか! ごちそうさまでーす!」

全 『ごちですー』

監督 「あーもーわかった! よっしゃ! 編集とかは全部後回しだ! さっさと機材片付けて行くぞ!」

勇者 「やったー」

魔王 「さすが勇者。主役の力は違いますね」

魔法使い 「これでこそ俺たちの勇者ですよねー」

武闘家 「勇者さんってそういう立場だったんですか?」

勇者 「よっしゃ! これから焼肉だー! 行くぞ野郎共ー!」





監督 「助手さん。これって制作費から落ちないかな?」

監督助手 「…半分ぐらいならごまかせますよ」

監督 「じゃあ上手いことお願いできるかな?」

監督助手 「どこか美味しいお酒が飲めるところ行きたいなー」

監督 「…考えとくんでお願いします」

監督助手 「任せてください」








おしまい

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


エンドロールが流ている間に、こんなことが流れていたら面白そうですよね。



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― 新着の感想 ―
[一言] 一体いくつ書くんでしょーかw しかも面白いのが羨ましいぞコンチクショウww さて、これももちろん撮影シーンとかを連載したり……?
[良い点] 撮影後の緩んだ空気感がいい!! 役者側からの目線が面白い!! [気になる点] なんかオチがない [一言] 途中でメデューサが実はとんでもないババアとか 役者のだべりだけだと物足りない? …
2013/05/08 08:34 退会済み
管理
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