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【NOT小説】

【NOT小説】2人だけの病室

作者: 七宝

先生:目が覚めましたか? 手術は無事成功しましたよ。何か変なところはありますか?


患者:先生のきんたまがデカいです! そして毛深い!


先生:佐藤さん、落ち着いてください。見てください、私はズボンを履いています。


患者:ズボン履いててもデカいのなんで!?


先生:デカくないですよ。それに、デカい人はズボン履いててもデカいと思いますよ。


患者:でも先生はズボン履いててデカいですよね?


先生:?


患者:なんできんたまがズボン履いて喋ってるんですか?


先生:は? きんたまがズボン履いて喋っちゃダメっていう法律があるんですか?


患者:六法全書を脳に移植した僕にそれ言います?


先生:寝ぼけすぎですよ


患者:ふむふむ、刑法6兆条マイナス8項⋯⋯


先生:マイナス?


患者:「全てのきんたまは、ズボンを履いて喋ってもよい」だそうです


先生:いいんだ。何のために脳に移植したんだか


患者:ちょっと先生、ぼくの脳をバカにしないでくださいよ。お茶飲みます?


先生:いただきます。ズズー


患者:あの、先生が会話中にお茶飲むなんてことありますかね?


先生:ありますよ


患者:ですよねあはは。肴にイモムシはいかがですか? ゴソッ


先生:ポケットに入ってたイモムシはちょっと⋯⋯


患者:ちょっと?


先生:ちょっとぬるいかなって


患者:あ、冷やしますね!


先生:いや、あっためてください


患者:なんで?


先生:え、食べ物ってあったかいほうがおいしいじゃないですか


患者:ハーゲンダッツも?


先生:アレは実質液体なので別です


患者:チョコも?


先生:液体だし、とろけてるほうがおいしいでしょ


患者:メントスも?


先生:メントスは凍らせると美味しいですよね。でも私が言ってるのはご飯系の話なんで


患者:そうめんは?


先生:キンキンが理想ですね


患者:僕の勝ちですね


先生:あなたの勝ちです。良かったね


患者:バカにしてます?


先生:明太子食べますか?


患者:食べます!


先生:なんで?


患者:えっ


先生:なんでですか?


患者:なんでって⋯⋯なんでだろう。


先生:理由も分からないのに食べるんですか? そんなの怖くないですか? 野良猫とか見つけたら食べちゃうんじゃないですか?


患者:いやそんなことは⋯⋯


先生:では、質問を変えます


患者:はぁ⋯⋯


先生:私が一昨日スーパーで買ってきて、忘れて冷蔵庫に入れっぱなしにしてたベチャべチャのかき揚げ食べます?


患者:食べます!


先生:あ、食べるんだ


患者:えっ


先生:明太子という名前が持つ力を再確認していただこうと思って質問を変えたのですが


患者:と、いいますと?


先生:「食べません!」に訂正してください


患者:いやですよ


先生:だってベチャベチャだし、一昨日のですよ?


患者:ちょっとぐらい期限切れてたって気にしませんし、どうせ天つゆでビシャビシャにしてから食べるので構いませんよ


先生:めんどくせ〜


患者:あれ、先生今度はおっぱいがでっかくなってません?


先生:実際にデカいですよ


患者:何カップですか?


先生:Zカップです


患者:すごいですね。元々ですか?


先生:いえ、最初は-Bカップでした


患者:へこんでたんですか?


先生:へこんでました


患者:そんな人いるんだ


先生:まず高校生の時にCカップの担任を倒してAカップになりまして


患者:倒した相手の分だけデカくなるんだ


先生:で、次に初めて就職した会社の取引先のDカップの人を倒してEカップになりまして、その次は居酒屋で-Cカップの人を倒してBカップになって⋯⋯


患者:なんで-Cカップの人倒したんですか?


先生:ちょっと喧嘩になっちゃって、それで「えいっ」って


患者:ちなみに「倒す」っていうのは具体的には⋯⋯?


先生:殺害ですね


患者:マジですか


先生:マジですよ


患者:よくそれで医者になれましたね


先生:医者じゃないですよ


患者:えっ? でもさっき手術は成功したって⋯⋯


先生:言いましたね


患者:でも医者じゃない⋯⋯?


先生:じゃないですね


患者:えっ怖⋯⋯じゃあ、医者でもないのに僕の病室に来て、きんたまとかの話してたんですか?


先生:そうですね


患者:でも、なんで僕の名前知ってるんです?


先生:廊下で倒したXカップの先生の手に書いてありました


患者:先生、手に書いて覚えてたんだ。ていうかあなた、さっきまでBカップだったんですね


先生:そうだよ


患者:いきなりタメ口になるの怖


先生:怖ぇーだろ、ははは


患者:えっ、マジで怖っ、なに?


先生:⋯⋯はぁ⋯⋯


患者:どうしたんです?


先生:いきなりZカップになったから途方に暮れてるんだよ


患者:まぁ、地道にマイナスの人を倒していくしかないんじゃないですかね⋯⋯


先生:君、殺人を推奨している自覚はあるかい?


患者:そうだった、ヤバ! あぶねー!


先生:もう手遅れだよ。君の案を採用する。手始めにこの病院にいるマイナスカッパーを全員殺してやる


患者:マイナスカッパーっていうんだ


〜35分後〜


先生:いなかったわ


患者:でしょうね。僕見たことないですから。相当珍しいはずですよ


先生:はーぁ。どーすっかなぁ⋯⋯


患者:居酒屋行けばいるんじゃないですか? マイナスCの人いたんでしょ?


先生:私あそこ出禁なんですよ、マイナスCの人殺したから


患者:なんで出禁で済んでるんだろう


先生:次どうすればいい?


患者:なんかスマホ操作のやり方聞かれてるみたいですね


先生:は?


患者:なんか! スマホの操作の! やり方を! 僕が! 教えてるみたいだなって! 思って!


先生:そうだね


患者:たい焼き屋さんとかどうですか?


先生:えったい焼き?


患者:たい焼き


先生:Zカップ活かせなくない?


患者:自分の体を活かせる職業してる人なんてほんのひと握りですよ


先生:それはそうだけど、Zカップは別じゃね? 普通の仕事やりにくいわけだし


患者:それもそうだなッキーフライドチキン


先生:え?


患者:どうかしましタッキーフライドチキン?


先生:急に?


患者:なにがですかッキーFC


先生:キーエフシー!!!!


患者:先生、僕宝くじ当てたいんですよ


先生:買わなきゃ当たんないっすよ


患者:え、そんなことないと思いますけど⋯⋯


先生:なんでこっちが変なこと言ったみたいに!?


患者:ナイジェリア


先生:え?


患者:先生、次「ア」ですよ


先生:えっ、しりとり?


患者:いや、あいうえお作文です


先生:初っ端じゃん! なんだよ次って!


患者:うるせーなぁ


先生:怖ンゲリオン


患者:え? 怖ンゲリオン?


先生:どうかしましたン?


患者:「ン」!?!?!? 判別しづら!!!


先生:何1人で盛り上がってるんですか


患者:なんか毎日憂鬱で⋯⋯


先生:分がります


患者:あ、訛った


先生:ノーマルハンバーガーが190円ですもんね。そりゃ憂鬱にもなりますよ


患者:シャカチキとハンバーガー合体させてボリューミーなオリジナルバーガー作ってた頃が懐かしいや


先生:あれで200円でしたもんね死ね


患者:えっ?


先生:猿+蛇=うどん


患者:ああ⋯⋯


先生:あっ、おっぱい落ちた


患者:重すぎて?


先生:重すぎて


患者:大丈夫なんですか?


先生:いや、死ぬほど痛い


患者:今までお前が殺してきた者たちの痛みだぁ!!!!!!!!!!!!!!


先生:は?


患者:バチが当たったんですよ


先生:あー


患者:おしっこしたいです


先生:あ、尿瓶持ってきますね〜


〜35分後〜


先生:いなかったわ


患者:なにが?


先生:マイナスカッパー


患者:でしょうね。僕見たことないですから。相当珍しいはずですよ


先生:はーぁ。どーすっかなぁ⋯⋯


患者:あの、尿瓶は⋯⋯?


先生:え? 尿瓶? シッコしたいの?


患者:はい


先生:なんで?


患者:えっ、なんでって⋯⋯尿がある程度溜まったことにより脳に「おしっこがしたい」という信号が送られたからです


先生:そうですか、では尿瓶を持ってきます


患者:お願いします


〜3分後〜


先生:持ってきました


患者:もう1回やられるかと思ったら、ちゃんと持ってきてくれるんですね


先生:さすがに佐藤さんのキンタマが持たないかなと思いまして


患者:キンタマ関係ないですけどね


先生:じゃあ、これに用を足してください。その間私はあっち向いてエアUFOキャッチャーしてます


患者:取れるといいですね、ぷっちょ


先生:取ります!


患者:絶対取れるといいですね!


先生:絶対取ります!


患者:絶対絶対取れるといいですね!!


先生:うるさくない!


患者:あっ、ごめんなさ⋯⋯え?


先生:デデンデンデデン(T2)


患者:シー⋯⋯(尿音(ニョーン))


〜49秒後〜


患者:終わりました!


先生:じゃあトイレで手洗ってきてくださ〜い


患者:はーい


〜6秒後〜


患者:ジャー(手洗)


〜12秒後〜


患者:尿瓶要らんかったやんけ!


先生:せやな


患者:だいたい僕、なにで入院してるんですか? なんの手術を受けたんですか?


先生:知るわけねぇだろ。こちとらただの不審者だぞ


患者:そうだった。名前がずっと先生だから一瞬勘違いしちゃった


先生:あっ、もう夜ですね


患者:ほんとだ。5時半くらいですか?


先生:えーっと⋯⋯5時23分ですね。残念。外すくらいなら予想しなきゃいいのに


患者:いやいや、5時半「くらい」って言ったじゃないですか


先生:まぁ25分から35分の間だったら許してあげてもよかったんですけどね、23分はちょっとねぇ⋯⋯


患者:そこをなんとか!


先生:もしこれを許してしまったら、22分も許さなければならなくなります。もちろん21分も、20分も。そのうちあなたの上位みたいな存在が来て、「5時15分もOKにしろ」とか言い出すんです。で、結果5時から6時が「5時半くらい」の範囲になってしまうんです


患者:うん、それでいいんじゃないですか?


先生:いや5時は5時だし6時は6時でしょ!


患者:まぁそんな細かいこと言わずに、ね?


先生:絶対ダメです! だって5時半くらいって言って5時だったら絶対おかしいもん! 5時は「5時くらい」だもん! 絶対そうじゃん! そうでしょ? そうに決まってる!


患者:つまらん!!!!!!!!!


先生:えっ


患者:この話つまらん!! やめよ!!!


先生:いやでも私納得してない⋯⋯


患者:つまらん! やめ! ハイ!


先生:そっちの意見を通したまま無理やり終わらせるのはズルいですよ!


患者:めんどくさいなぁ


先生:くっ⋯⋯そ⋯⋯もう! だってもう、あなたが! 絶対あなたが間違ってるのに! 他の人に聞いても絶対そう言いますって!


患者:でももういいから。ずっとこの話してても楽しくないじゃん? 空気読も? ね?


先生:だから空気読むとか読まないとかじゃなくて、絶対私の方が正しいのに、なんで間違ったことが正解になった状態で次の話題に行かなきゃなんないのかっていう


患者:他の人にもそうやって言ってるの? めんどくさ〜。みんな絶対めんどくさいって思ってるよあんたのこと


先生:てめえ殺すぞ


患者:死ぬ前に! ダイソーに行きたい!


先生:行こ行こ〜


ルンルン♪(*˙˘˙)人(˙˘˙˶)ルンルン♪


おててつないでふたりでおでかけ


たのしいね

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なるほど! 面白かったです。 これ以上の感想が出てきません。
七宝版ドグラマグラ? NOT小説というか、戯曲だね、これ。
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