表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/53

アリスの決意

王都への道を進む準備が整いつつある中、ルークはふと、アリスがどこか遠くを見つめているのに気づいた。彼女は少しだけ躊躇うようにして、ルークに声をかけてきた。


「ルーク、少しだけ話してもいい?」


ルークは振り返り、にっこりと微笑んで答える。


「もちろん、どうした?」


アリスは少し沈黙し、しばらく迷っているようだった。それから、ようやく決意を込めた言葉を口にした。


「私も、一緒に王都に行きたい。」


「え?」


ルークは驚きの表情を浮かべる。アリスが王都に行きたいなんて思ってもみなかった。彼女はいつも控えめで、あまり目立つことは好まない性格だ。だから、王都に向かうことに対しても、何か特別な理由があるのかもしれないと思った。


「でも、アリスには村での役目があるんじゃないのか?」


アリスは一瞬だけ目を伏せ、そして力強く答えた。


「実は、私はルークと一緒に成長したいの。あなたがどんな道を歩んでいくのか、それを見守りたい。そして、少しでも力になりたいと思っている。」


その言葉を聞いて、ルークは驚きながらも心に温かさが広がった。アリスが自分にこんな気持ちを持ってくれていることに、少し恥ずかしさを感じるとともに、胸が高鳴った。


「でも、王都の生活には何が待っているか分からないし、危険なことも多いかもしれない。無理をしなくてもいいんだぞ?」


アリスは真剣な表情で、ルークを見つめ返した。


「私はあなたと一緒に行きたいの。もし何かあったときには、私もルークを助けられるように頑張る。それに、あなたが困っているとき、私はいつでも力になりたい。」


その言葉に、ルークはしばらく黙って考え込んだ。そして、アリスの目をしっかりと見つめた。


「分かった。じゃあ、一緒に行こう。俺も、アリスがいてくれると心強いよ。」


アリスは満面の笑みを浮かべて、頷いた。


「ありがとう、ルーク。」


その後、二人は旅立ちの準備を整えた。セレスティアもやはり、ルークとアリスのやり取りを見守りながら、準備を進めていた。


「アリスも、一緒に行くの?」


セレスティアが少し驚いた表情で、アリスに問いかけた。


アリスは笑顔で答えた。


「はい、一緒に成長したいですから。」


セレスティアはその言葉に頷き、柔らかな笑顔を浮かべた。


「じゃあ、私も安心ね。みんなで一緒に行こう。」


こうして、ルーク、アリス、セレスティアの三人は、王都に向けての旅立ちの準備を整えた。途中での冒険、困難、出会いを乗り越えながら、それぞれの成長を目指して歩んでいくのだろう。


だが、まだその先に待ち受ける試練のことは誰も知らない。それでも、彼らは確かな絆を感じながら、王都への道を歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ