試練の報酬
《アンデッド・ナイト》を討伐したルークは、その場に崩れ落ちた鎧の中から光り輝くアイテムを見つけた。
→ドロップアイテム:
・【騎士の兜(価値:高)】
→防御力+15/呪い無効(Bランク)
・【呪われた剣(価値:中)】
→攻撃力+10/呪い付与(低確率)
「……呪われてるのは勘弁だけど、兜は良さそうだな」
ルークは【アイテム鑑定】を使い、慎重に効果を確認する。
兜は、特に問題なさそうだ。
彼は手に取ると、装備画面を開いて頭に装着する。
《装備変更》
→【騎士の兜】を装備しました。
→防御力が+15されました。
【現在のステータス】
•HP:120/120
•MP:80/80
•力:20
•魔力:10
•防御力:23(+15)
•素早さ:12
「……少しは形になってきたかな」
息を整えながら、ふと後ろを見ると――
セレスティアが駆け寄ってきた。
「素晴らしいわ! あなたなら、王国の騎士団にだって引けを取らないわ!」
「いやいや、まだ無理だって……これは偶然が重なっただけで……」
ルークは必死に否定するが、セレスティアは満面の笑顔で手を取る。
「いえ、これは『運命』よ」
その言葉に、ルークはため息をつきながらも、ほんの少しだけ誇らしさを感じていた。
⸻
村に戻ったルークを、村人たちが拍手で迎えた。
「ルーク!」「よくやったな!」
かつて最弱と笑われていた自分が、今は村の希望になっている――。
その事実が、彼の胸に静かに響いていた。
アリスが飛び込んでくる。
「ルーク! 無事でよかった!」
その腕の中で、ルークはようやく安心感を覚える。
「ただいま」
その夜、ルークは村の広場で開かれた祝宴に招かれた。
食べきれないほどのご馳走が並び、アリスがこっそりよそってくれる。
「本当に、すごいよね……」
アリスは微笑みながら、ルークを見つめる。
「私は、知ってたよ。ルークなら、やれるって」
「……ありがとな」
ルークは、小さく呟いた。
⸻
夜が更けた頃、ルークは一人、村の裏山で剣を振っていた。
試練で得た経験を、確かなものにするために。
その時――
頭の中に、声が響く。
《条件達成》
→新スキル獲得:【戦闘直感(E)】→【戦闘直感(D)】に進化
→新スキル獲得:【剣技・初歩(D)】
「……スキルが、増えた?」
ルークは驚きつつも、【剣技・初歩】の詳細を確認する。
【剣技・初歩(D)】
→剣を用いた戦闘能力が向上。攻撃の威力と正確さが増加する。
「これで、次はもっと戦える……!」
ルークは剣を握りしめ、夜空を見上げる。
星の光が、彼の目に映った。
「――まだ、これからだ」
⸻
数日後、王国の使者は再び村を訪れた。
「ルーク様。王都へお越しください。王が、あなたに謁見を希望されています」
「……マジか」
戸惑うルークの隣で、アリスが心配そうに見つめる。
セレスティアは毅然とした表情で言う。
「王都には、新たな試練と、あなたの運命が待っています」
ルークは一度、大きく息を吐き、アリスと村の仲間たちに微笑む。
「行ってくるよ。……でも、すぐ戻ってくるから」
アリスは強く頷いた。
「待ってる!」
こうして――
ルークは最果ての村から、王都への旅に出る。
無限迷宮を超えた先に、さらなる冒険が待っているとも知らずに――。