COLD〜裏〜
※COLD1・2・3・4の続編です。
※COLDシリーズは4で終わりますが、その裏の様子を描きます。
勢いよく中に入ったのだが、中には誰もいなかった。
鍵が開いていたぞ……随分と不用心だな……正直そう思った。
その後、中から鍵を閉め、コンピューターの電源をつけてから、『書類』と書いてある棚を開けた。
中の書類をバックに入れ、パソコンにUSBメモリを差し込み、全データをコピーした。
画面には、『あと約二十分』と表示されていた。
そのとき、玄関から、鍵を開ける音がした。
……事務局の人間が帰って来た。
“ヤバイ!”
そう思った時にはもう遅かった。
入口から、黒服の男が入ってきた。
「お前、何やって―――」
“ドキュッ ドキュッ ドキュッ”
俺は、事務局の人間を容赦なく撃ち殺した。
入ってきたのが三人だけで良かった。と正直思った。
「ざまあみろ……!」
そう言った直後、車のドアを
“ドン”
と閉める音がした。
その後、何人もの事務局の人間が入ってきた。
「お前は誰だ。ここで、何をしている。」
「ここに入ったからには、死んでもらうしかないな。」
そう言って、拳銃を俺に向けた。
“もうだめだ”
そう思ったとき、
“ドバキュッ ダダダダッ”
という音とともに、事務局の人間が血を噴きながら倒れた。
死体の後ろには、三人の男女が立っていた。
「お前、事務局の人間か?」
命を助けてもらったのに、つい、口に出してしまった。
その時、その中で、一人だけの女性が言った。
「違うわ。」
「俺たちは、あんたと同じ。コールド・サバイバルで仲間を失ったんだ。」
「そうだったのか。よろしく。」
その三人は、すべてを話してくれた。
いろいろな場所でコールド・サバイバルは開催されていたこと。
今は3人しかいないけど、後でまた来る奴もいることなど、いろいろな事を。
そのことを話しているうちに、二人、また入口から入ってきた。
事務局の人間かと思い、武器を構えたけれど、仲間だった。
その後、USBメモリを抜き取って、俺の家で解析することにした。
みんなで家に入って、パソコンを開いてUSBメモリを差し込んだ。
すると、企画表というファイルが何個も出てきた。
一つ一つ会場が違った。
そして、カメラの映像も入っていた。
市村が死ぬ瞬間も……
その後、いろいろなファイルを開いていくと、この組織は、いろいろな事をしているのが分かった。
恨みを晴らす仕事や、人の意識を夢で止まらせる仕事、罪を犯した人間への罰を与える仕事、除霊など。その内容や仕組みはわからないが……
ファイルの中には、次回、コールド・サバイバルのお知らせという文章もあった。
その広告には、サイトのアドレスも載っていた。
そのサイトにアクセスすると、登録フォームへつながった。
そのとき、五人の中の一人が言った。
「俺たちも登録して、真相を暴いてみないか?」
そして、それから一ヵ月後、また来てしまった。
この赤馬スノーランドで、また、あれが行われるのか……
俺は、拳を強く握り、リフト売り場に並んだ。みんなとの約束のために……
〈完〉
最後までご覧頂き、有り難うございます。
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