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流星の泪  作者: 退廃さん
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いくつもの空

「すーばーるー!」


「なんだよ、」


「くっそさみぃー」


「俺も同感です。」


「かーえろー」


季節は冬真っただ中。夜になればなお寒い。


学校の放課後、いつも通りの夏生の気まぐれさでぽっとでの言葉。


『星をみにいこー』




猫の目を思わせる少しツリ目の大きな瞳に見つめられると、もうどうにもならない。(その目は卑怯だろ)


言いたいのをこらえて昴は手をあげる。




「はいはい分かりましたよおじょーさま、」


「やった、」


これまでも何度夏生に振り回されたのか数知れない。


それでも一緒に居れる事の方がおおきかった。


「とりゃー」




一歩前を歩く昴のダウンジャケットの両脇から夏生は手をもぐらせギューギューに抱きしめる。


「二人分の温かさー、」


「ちょっ、あぶない、」


急に接近された驚きと、夏生の体温に昴は熱をあげる。


夏生は昴の気に触れず、少し背の高い昴の肩に顎を乗せた。


つまずきそうになりながら暫く歩く。




「あー自動販売機はっけーん、昴、なに飲む?」


「お前俺が金持ってると思ってんの?」


「うむ、」


「まああるんですけどね...」


「昴なに飲むー?」


「コンポタ、」


「うぇ後にきそう、」


「そーゆうお前はなんなの?」


「もち、ココア。」


「お子様」


それぞれがに飲みたい物のボタンを押す。


ゴトン、と落ちてきた缶を取り出す。


少し熱いくらいの缶を両手で包み暖をとる。


二人並んで夜空を見上げた。


少し寒くなった背中の体温が恋しい。


「あの星座はなんでしょー?」


月も身を潜め、煌々と輝く冬の星空。


夏生は指を差す。


冬の星座がつづる夜空を見上げ夏生の指さす方を探すがどれか分からない。


昴にとっては全てが同じに見える。


「ぎぶ、」


「えー、あれ?昴君は意外とばかなんじゃ...」


「テストを白紙でだすお前ほどじゃねーよ。それに俺は専門外ですー。お前が星座オタクなんだよ、」


「ほら、行くぞ、」


飲み終えた缶んを設備されてるゴミ箱に放り投げ、昴は夏生の手を引く。


星空を見上げる様に歩く夏生を支えながら二人は歩く。

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