〜赤ちゃん日記…と見せかけて赤ちゃん日常〜(3ヶ月目〜)
――ヨウの視点――
…やっと、やっとですよ。首の座る感覚。何日たったか分からないけども!もう、もうね、最初の頃なんて、お腹すいたら悲しくて泣く、不愉快感あったら泣く、満腹になって上手くげっぷ出来なかったら泣く、私も抑えたかったんだけど、悲しい!無理!たしゅけて!の本能が問屋を下ろさせないし、私を育ててくれる人達かな?凄い頑張ってた。
男の人達しか、いない事を言ってた気がするけど、目が見えるようになったら、一人、物凄く可愛い兎さんが、にこにこしながら私を抱っこしててくれて、それがまた気持ちいいの。最初に着ていた上質な布から、不思議な葉っぱみたいな服になって、布のおむつはこの兎さんが上手に巻けてる。他の男の人達は、しっくはっくしてて面白かったなぁ。
一番、びっくりしたのが初日のおむつ替えでね……
「あ、ヨウは、男じゃん。かっわいもんつけてやがって」
そこを指で弾くジバス兄ちゃんに、殺意しかなかったわ。何も出来ずに居る私に!ちょんちょんちょんちょんして!けど、タルおにぃちゃんが、その手をペチり叩いてくれたから、まだ、良かったよぉ、もぉ。
……けど、赤ちゃんって、こう見てるんだと思った。言葉が分からないだけで、がっつり見てる。結構、目が見えないのも不安で、お腹空いて不安で、温もり無いと不安で……不安で泣くしか出来ないって、私が抱きしめたかったなぁ。今は、ジバス兄ちゃん、タルおにぃちゃん、兎さんが抱いてくれているから不安は、ご飯や気張る時だけ、かな。夜が分からなくて、泣いちゃう時もあるけどね。
あ、そう言えば、こっちの世界では、ミルクをミヌクって呼んでいたなぁ。なんだろう、ミルクの味って覚えてないけど、今の赤ちゃんの私にとって最高の食べ物?になってる。味がどんなのか言えないのが……うん、赤ちゃんだからなんだろうなと自然に思ってるんだ。記憶も、ぼんやりしたり、たまに前の記憶が戻ったり、不思議な事になってるけど、それはそれって割り切れてるよ。
最高の食べ物?って言ったけど、少し飲む量も減ってるから、兎さんが
「そろそろ、回数減らして、夜は2回、昼3回サ」
って、言ってた。ふふ、それのお陰で、何となく夜と昼が分かり始めてる。このミルク期間が終わったら、いよいよ、離乳食食べれるかなぁ、異世界転生の離乳食ってどんな感じなんだろう。早く、歯も生えてきて欲しいし、喋れるようになったら、皆がびっくりするだろうなぁ。今から、ワクワクしちゃう。
このワクワク出来る気持ちは、若さなのかな。へへ、それまで、ゆっくりだけど、手足動かして小さな体力作りしよ。