〜赤ちゃん日記の始まり〜(生後0日から1ヶ月編)
――視点、ギウサの場合――
一日目・・・あの後、この赤ん坊の名前があのアクセサリーに刻まれていたのが分かったのサ。なんでも“ヤマヌ、ヨウ”と書かれていて、そのまま使ってしまうのは少々不味いかもしれないので、下の文字の“ヨウ”と名付けたサ。
名前が決まったら小さいけども、赤ちゃん部屋を作ったサ。赤ちゃんの部屋には、清潔を重視して床から離れたハンモック、キノコ型木箱(赤ちゃんの服やおしめ)、窓(空気の入れ替え)、ボクのスキルで部屋の間取りも時間は掛からず、トールのスキルは糸のハンモックにジバスが材料を集めてくれて木箱や、窓枠も上手く行ったサ。
ので、これから最初の二ヶ月間は、子育て経験の無いトールとジバスとボクを交えて赤ちゃん慣れをしていくんだけどこれが本当に大変サ。お腹空いたら泣く、おしめが濡れたら無く、昼夜がまだ分からないから、泣いて泣いて泣きまくる元気っ子サ。特にトールが、寝不足気味になって主に、ボクとジバスが交代でミヌクとおしめ替えもやったサ。
「ふ、ふぇえええええ!!」
「だーー!待ってくれ!もう少しで、ミヌク出来るからよ!」
「はいはいはい、お父さんが頑張ってまちゅから、我慢でちゅよサー」
「父親じゃなくて!お兄ちゃんにしてくれよ!」
「そこの拘りは、なんなのサ」
「ふぇぇえええ……ふぇええええ……」
「うっせ、ヨウを寄越せ」
「はいはい、お兄ちゃまサ」
からかい過ぎて、でこつんされてしまったサ。今じゃ、立派にヨウを抱えてミヌク飲ませてる大きな熊みたいなジバスの成長も大いにあって、ボクは少し涙腺が落ちそうになったサ。良く飲んで泣いて、ボク達はてんややんわしてしまってるけど、一緒に成長してもっともっと大きくなって欲しいサ。
その期待を込めて、ヨウの成長日記をここに記す。後に、トールもジバスも気になった事、気付いたこと、たわいも無い事を書くように伝えたので、これも増えていくと良いサ。今日はここまで。