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〜お怒りな同居人説得される。その一〜(ギウサside)


 良い天気で、この世界のお天気は本当に気持ちいい雲ひとつの無い緑の色の空サ。空気よし・植物も沢山・ご飯も豊富の三拍子が揃ってて、木の桶で皆のお洗濯物の汚れを落とす家事も捗って捗って、楽しいのサ。


 そんなボクの名前はギウサ。この世界でそれなりの集落で、心の鍵スキルと癒しのスキルに特化した人型ラビット族の生き残りサ。大抵のラビット族は、淡い単色の色から黒、灰色、ピンク色とあるけど、ボクの種族は真っ白で二本足で人族に近い体型なんだサ。細身だけどちゃんと筋肉は真っ白いふわふわの白毛の下にあって、ボクは戦闘面も中々にあったんだけど。


 ――100年前、人族にボクの種族は負けてしまったサ――


 あんな大勢の大軍が、ボクらの集落を襲い何もかも破壊尽くした光景は、今も尚ボクの頭の中に残ってるのサ。両親が必死にボクを逃がしてくれなかったら、今のボクは生きてなかったと思ってるサ。人型ラビットで取り分け長寿でもあった人型のラビット族、それに心を扱えるボクらは脅威になってしまったのかもしれない……色々な意味で、ボクは人族の恐れに触れてしまったんだろうと思うサ。


 生き残ったボクが必死に九十年間、逃げて、逃げて、逃げて、殺されかけても逃げて、辿り着いたのがこのお家で、ボクを匿ってくれた人族の二人と暮らしてここ十年か……月日は経つのが早いと感じるサ。


 もう、洗濯物も終わって干し終わったし。今日は、そのお二人が依頼を達成させて帰ってくる日サ、今日はご馳走を作って労いたいと思って、少しだけ森の中でこの時期に採れる木の実や果物を取ったサ。むふふ、十年も暮らしていると二人の味の好みもだいぶ分かってきてるサ。


 この時のボクは、まさか、ジバスがあの様な形で戻ってくるなんて思っても見なかったサ。


 天気の良い緑の空が、薄いオレンジが混じり始めた頃が夕暮れを告げる時刻の合図サ。先に帰ってきたのはタルトール。人族で、職業が盗賊兼狩人なんだサ。因みに、ボクは愛称で、トールと呼んでいるサ。


 「た、だ、いま」


 トールは、相変わらず表情が豊かじゃなくて、話すのもゆっくりで特徴的な人なんだけど戦闘面のタルトールは早い早いサ。的確に魔物の急所を狙う遠距離武器の弓や、近距離にはククリと呼ばれる短剣が得意サ。そんなトールは、ボクと同じ背丈でふわふわほっそりボディのボクと違ってスマートな筋肉質で、服で隠れていて第一印象は細い人だったサ。


 けど、今日の戦利品で全長2mある身がたっぷり詰まったレッドピッグを右肩に担いで、首からは依頼報酬もヒモ袋を下げて見るからに重そうサ。ん?背中には、おお!数が減ってた回復・状態異常対策の薬草の香りがするサ!鞄にたっぷり入ってるサ!思わず、興奮してボクは、トールに駆け寄り。


 「お帰りなさいサ!レッドピッグは、ボクが運ぶサ!」


 「いい、や、ギウ、サは、背中、のを……頼む」


 器用に片手を伸ばし鞄の肩紐を解いてくれるので、後ろに回ってそれを両手で抱えるサ。ついでに、振り返ったと思ったらボクの頭の中心を片手を置いて、ひとしきりモフモフのしてくる。ボクの目は、人族から見たら、ほそーーい一目なので、それが綺麗にへの字になってると思う。この手も、大好きなのサ。


 「今回……長かっ、た、ごは、ん……は、なんっ、だろう?」


 「うしし、良く頑張ってくれたサ。今夜は、トールの好きなギーベルの葉にんにん煮込みスープにジバスの好きなコカトリスステーキ、食後に採れたて果実があるサ。」


 「ん……たの……し、みだ」


 あ、トールの口元が僅かに、僅かに上がってる!よし、ボクも持ってるこれらを隣の薬箱部屋に持っていかないとサ。トールがモフモフの手を止めて振り戻って、食料庫に向かうの見てからボクも置いてきたサ。







 トールのご機嫌の口元を発見出来たり、今夜のご飯は皆の好きなご飯で埋めつくした食卓にボクもご機嫌だったのだけど、それが変わるのが分かったのは、トールとボクが席に着いていたんだけども、ボクはこの大きな茸の家の作り手なのとその際にとあるスキルが毎日、発動する様に組み込んであるのサ。…物凄いスピードで迫るジバスの気配も感じて、ボク、咄嗟に立ったのサ。


 「!!……トール、ジバスに何かあったかもしれんサ」


 「!……なに、か、とは?」


 「こんなスピードは、ジバスは普段やらんサ。このスピードで振り切らないといけないなにか――」


 そこまで言いかけた時、茸ドアが勢い良く開いて。


 「タル!!ギウサ!!赤ん坊拾ったぞ!!ミヌク用意だ!!」


 「はぁあああああ!!?」


 「…………」


 100年以上生きてきて、こんな驚いた事の無い夜が始まるのサ…


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