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3、今度は男の人が居ました。

3話目です。

「いんです!!」


と叫んだが既に死神さんの姿はなく、流の目の前には立派な机と、その机の向こうには座っているのであろうと思われる男性が居る。


「■%△※Ф◆♪」

男性が話しかけてくる。


「はい…?」

流は男性の発した言葉が全然理解できずに固まる。


「何語ですか?日本語、英語ぐらいしか分からないんですけど…。」


「■△※◆♪%Ф」


男性の発する言葉は流からすればどこの国の言葉ですか?何語?といったように理解できる言葉ではなかった。


「■…△…にゃ…◆…あ…あ~…あ~…これならキミにも理解できるかい?」


「あ、はい、理解できます。」


「良かった♪異世界からの来訪者なんて久しぶりでね。」


「久しぶりなんですか?死神さんは何回かやらかしてるようでしたが…。」


「キミは何処まで話を聞いてるのかな?」


「何処まで?子供の代わりに死んで、救済措置とかで異世界に転生させられそうになって、断ったんですけど…。」


「おや?ここに送られて来たのに断ったのかい?」


「はい、俺は断ったつもりだったんですけど、死神さんは肯定したと勘違いしたみたいでして…。」


「そっか、断ったのにここに送られる人も珍しいけど…そんな理由ならキミには申し訳ないとは思うけど、こちらに来てしまった段階でもう無理なんだよ…。」


「無理…ですか…。」


「うん♪転生確定だね♪」


「やっぱり転生させられちゃいますか(´・ω・`)」


「そうなっちゃうね、ちょっと待ってね、資料を読むから。」

そう言って、男性は机の上の資料を手に取り目を通す。


「成程…あいつ肝心なところは全然説明してないのか……あ~…そっか、そういう……。」


男性はしばらく資料を読んでから流の方に目を向ける、涙を流しながら…。


「え~っと…何で泣いてるんですか?」


「ああ…ごめん、ちょっと悲しくてね…大体理解できたから、最初から説明するよ。」


「はい…。」


「先ず、さっき言った通り、ここに送られた時点で転生は確定してしまってるんだ。」


「どうにもなりませんか…。」


「キミには悪いと思うけど、どうにもならないね。」


「そうですか…。」


「代わりという訳ではないけど、キミの不運を相殺できるような能力を彼女の頼みとは別に付与して上げるよ。」


「相殺?」


「うん、キミのそれは…呪いみたいなもんだから、転生しても残ちゃうんだよ…僕でも相殺するのがやっとだね、ごめんね。」


「いえ、あなたが謝るようなことではないですよ。」


「そう言ってもらえると助かるよ…さて説明に入ろうか、世界には魂の総量が決まってるんだけど…。」


「総量ですか?」


「うん、これは魂の数の方ではなくて質の方ね、キミが助けた子供は良くも悪くも魂の質が高かったから、5人という犠牲をその子供1人と交換って形になっちゃってるんだけどね。」


「…5人の魂の質があの子1人と同等ということですか?」


「そうだよ…と言いたいけど5人じゃ足りないところを無理矢理割り込ませた感じだね、それが原因でキミにしわ寄せが来たと…。」


「それって死神さんが悪いんじゃ…まあいいっか。」


「そういう反応をするんだねキミは…まあ、擁護する訳じゃないけど、彼女が100%悪いって訳でもないんだよ。」


「それは…さっき言ってた俺の不運…呪いが関係してるってことですか?」


「キミ、理解が早いね。」


「諦めてますから(´・ω・`)」


「そっか…彼女も焦ったと思うよ?次の説明に行こうか。」


「はい。」


「この世界でも、キミが居た世界でもそうなんだけど魂の総量が決まってる。英雄と呼ばれる者は魂の質が高いんだよ、キミの世界でも英雄と呼ばれる者が現れるときは戦争とかが多くなかったかい?」


「そうですね、後世に名を遺す人は戦争とかの時の方が多いですね。」


「そうだろ、魂の総量が決まってる為に、他の魂を犠牲にして調整と維持をしてる…その所為で生き死にの多い戦争中に英雄と呼ばれる者が多くなるんだよ、それでも限界があるから英雄同士の喰らい合いも起こる。」


「英雄並び立たずってやつですね。」


「そうだね、これからキミが転生する世界は、つい最近魔王と勇者が相打ちで魂ごと消滅してしまってね、魂の総量が危険なぐらい少なくなったんだよ。」


「ああ…そんな理由でしたか、魂の総量が少な過ぎてもダメってことですか…。」


「キミは物分かりが良すぎるね…勇者か魔王のどちらかだけなら、まだ良かったんだけどね…。」


「それで俺に勇者か魔王になれと?」


「そんなことは言わないよ、キミが転生するだけで魔王と勇者の2人分とまではいかないけど、危険を脱するぐらいは埋まるから。」


「俺の魂にそんな質があるとは思えないんですけど?」


「そんなことはないよ、キミの魂は特殊だから危険は脱することが出来る。」


「そんなもんですか…。」


「そんなもんだよ、次はキミが言ったことに少し触れとこうかな?」


「俺が言ったこと?」


「ほら、キミが死神さんって呼んでた彼女が何回かやらかしてるってやつ。」


「ああ…それはもういいですよ、俺以外の転生者が居ても関わらないようにしますから。」


「そうかい?それなら…あっ、1つ忠告しとくね♪」


「忠告ですか?」


「忠告というか、注意…かな?キミの居た世界から来る者たちってさ、自分達の世界からしか転生者、あるいは転生する者はいないって、よく勘違いしてるから。」


「勘違いですか?でも最初に俺が来たのは久しぶりって言ってませんでしたか?」


「ああ…そのことね、ここはキミの世界での1年が50年に相当するからね、前に来たのは250年前かな?」


「250年というと俺からしたら5年前ですか…。」


「そうだね♪え~っと…確か精神と…。」


「それ以上は言わないでください!」


「キミたちはみんな同じことを言うんだね(´・ω・`)」


「諸事情諸々ありそうなんで…それで勘違いと言うのは?」


「ああ、勘違いのことね。キミ達が認識できるものがこの世の全てではないってことだね。」


「まあ、そうですね…俺なんか異世界に勝手に転生させられるんですから…異世界なんて物語の世界だけで実際に認識なんってしたことないですよ。」


「そうだよね~次元が違うからね。」


「次元ですか?多元宇宙とかパラレルワールドとかですか?」


「キミが居た世界に、今回の転生先の世界、他にもまだまだ世界はあるんだよ?」


「可能性だけで言えばありますね…。」


「それで魂の総量が減ってる所へ他の世界…総量に余裕のあるところから少ない所へ送るのが僕の仕事だね。」


「偉い人だったんですか?」


「あははは、そんなに偉くはないよ、ただ送るのが仕事なだけだから。」


「そうなんですか?」


「そうなんだよ、次は…キミの転生先の話を少ししとこうかな?」


「そうですねお願いします。勇者に魔王なんて居る世界みたいですから。」


「転生を断ったって言ってたのに、聞きたいんだね…。」


「転生…回避出来ないんでしょ?」


「そうだね…。」


「それなら駄々こねるだけ無駄ですから、俺の45年の人生で学んだことの半分以上は諦めですよ(´・ω・`)」


「それは…何とも…。」


「慰めも、励ましも必要ないですよ。」


「そうかい?それでも相殺は出来ると思うから、今よりは良くなると思うよ。」


「ありがとうございます、それに危険を回避のしようにも知らないことには…。」


「それもそうだね♪キミの転生先はキミの居た世界と違って、え~っと…ファンタジー?ってやつだよ♪」


「ファンタジー…ですか?」


「うん、科学の代わりに魔法が発展してる世界ってことだね。」


「魔法があって、勇者に魔王…それってモンスターとかも居るんでしょうね、きっと…。」


「そうだね、モンスターに妖精にエルフにドワーフ、獣人、幻想種とか居るね。」


「本当にファンタジー世界ですね…。」


「うん、中世ぐらいの生活文化なんだけど…注意事項があるんだよ。」


「注意事項ですか?科学を発展させるなって感じですか?」


「お?おぉぉぉ~、よく分かったね。」


「そんな話もありますから。」


「そっか、科学が発展してない世界は中世程度の文化で停滞するんだけど、それが必ずしも悪いってことじゃないんだよ?」


「そうでしょうね…そうなってるのには、それなりの理由があるんでしょうから。」


「キミは本当に物分かりが良すぎるねビックリだよ♪他の人は異世界チート?飯テロ?奴隷ハーレム?とか言って転生先のことなんて御構い無しだからね…。」


「それは迷惑ですね…。」


「ありがとう♪キミは大丈夫だと思うけど…転生者ってね勘違いしちゃう者が多いんだよ、異世界だから何をやっても良い訳ないのにね…。」


「あれですね、旅は恥のかき捨てって感じなんでしょうね…。」


「そうなのかな?転生だからこれからは自分が住む世界なんだけど…。」


「感覚的には自分が住む世界ってだけじゃなくて、枷や柵がない世界って勘違いしてるんですよ。」


「あ~そうなのかな?それなら今後は気を付けないといけないね。」


「そうした方が良いと思いますよ。」


「ありがとうね、それで無茶して死んで逝くのか…。」


「はぃ?」


「キミは大丈夫そうだけど、キミ以外の転生者の中には自分が特別な存在だと勘違いしちゃて、無理して死んじゃう者も居るんだよ、そしたらまた他の世界から魂を呼ぶことになることもあるし、強い力を持つと好き勝手し放題で更に強い力でねじ伏せられちゃったりとかね…。」


「さらに強い力…それは真理なんでしょうけど、更に強い力って何ですか?」


「それは神だよ、神罰ってやつだね♪」


「神様も居るんですか…。」


「あれ?キミも会ってるはずなんだけど?」


「え?俺も会ってるって……………えぇぇぇー!死神さん神なんですか!?」


「そんなに驚かなくても(´・ω・`)」


「でも…。」


「彼女はちゃんと死神、神って名乗ってるじゃないか。」


「そういえば…そうですね、全然そんな感じがしませんでした。」


「あははは、彼女はキミの居た世界の神の1人であることは確かだよ。」


「死神さんの神罰って大したことなさそうなんですけど…。」


「そんなことはないよ、そろそろ時間だからチートというやつを与える前に質問とかあるかな?」


「それなら1つ、科学を発展させないって何処までが許容範囲ですか?」


「ああ…本当はキミが住む世界だから好きに生きて良いよって言いたいんだけどね…キミの居た世界は科学が発展してるからね。

科学と魔法ってね似て非なるものなんだよ、だから科学が発展すれば魔法が衰退して、魔法が発展すれば科学が衰退する…並び立たないんだよね。

あっ科学と言っても兵器とか機械人形とかの方ね。」


「兵器や機械人形…ですか?」


「そうだよ、他は基本魔法でも科学でも出来ることだから、火を熾すのは魔法でも出来るし、そこに何故火が付くのかって原理の部分は科学ってことになるんだろうけど、可燃物と酸素が必要なんて原理を知らなくても出来ちゃうことだから。」


「俺は注意しなければならないのはそっちの方だと思ってました。」


「でもそんなの注意したってもう使われてるから、既にある物に後付けで火を付けるのに可燃物と酸素が必要なんだよって当たり前のことを言ってもね~。」


「それもそうですね。」


「それにね、科学より魔法の方が便利でエコだから。」


「エコですか?」


「だって必要となる力は目には見えないけど、そこら中にいっぱいあるんだから。敢えて言うなら魔法を使えない人は苦労するってところかな?」


「そこを補うのに科学ってことになるんですかね?」


「そこはほら、魔道具があるからね。その辺りで科学と魔法の線引きがちょっと曖昧な部分もあるんだよね、例えばさっきの機械人形、機械人形はダメだけどゴーレムはオッケーみたいな?」


「成程…俺から見たらゴーレムもロボットも似たような物ですからね。」


「そうなんだよね…まぁ、ゴーレムであるなら問題ないと思うよ…。」


「そうですか…。」




科学…本文中に科学を発展させるなとありますが…。

科学って私は簡単にロボットや機械のような漠然としたイメージで書いた後に調べたら、意味が広義過ぎました(´・ω・`)

なので兵器・機械人形と限定したんですけど…その後何とか辻褄を合わせたって感じです。

読んだら変な所があるかもしれませんので、先に謝罪します、すいませんでした

m(__)m

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