2、目覚めたら目の前で土下座してる人がいました。
2話目です。
流は目を覚ました。
「あれ?死んだと思ったんだけどな~。」
そう呟き体を起こした瞬間…
『すいませんでしたー!!』
と謝られた。
流は声の方に視線を移すと、そこには黒を強調するかのような衣装を着た女性が土下座している。
ん?あの子供のお母さんかな?
「謝らないでください、お子さんも無事だったようですし、俺も生きてるみたいですから。」
土下座している女性から
「いいえ、あなたは死にました。」
と返される。
「そうですか、やっぱり死んじゃいましたか…。」
「えらく落ち着いてますね。」
「まあ、俺の場合はいつ死ぬようなことが起こっても不思議がないと言いましょうか…。」
「そうなんですか?」
「ええ、幸が薄いですから…それであなたは?俺が死んでると言うからには、助けた子供のお母さんという訳ではないんでしょ?」
「え?あ、はい、申し遅れました、私はあなたの国で云うところの死神です。」
「そうですか、俺のお迎えですか?」
「驚かないんですね?普通は驚くところですよ?」
「まあ、そういうこともありますよ。それで、その死神さんが何で土下座なんてしてるんですか?」
「これはですね…あなたの死の原因が私だから謝罪の意味で土下座してます、すいませんでした。ただ言い訳させて頂きますとですね…あなたの行動が予想外だったと言うべきなのか、流れに逆らったことに怒るべきなのか驚くべきなのか…。」
「俺に逆らった?」
「いいえ佐治臼流さん、あなたのことではありません。運命の流れというものの流れです。」
「あ~運命の方ですか…。」
「はい、本来今回の事故で亡くなるのは子供の方でした。」
「そうなんですか…。」
「はい、あの子は今から40年後に人類が滅びる原因を創り出します。」
「それは…また随分と先の話ですね。」
「そうなんですけど…それでもそれを阻止しろと命令がありまして今回の事故が起こった訳なんです。」
「え~っと…子供は生き延びて、俺が死んで、車の運転手は過失致死傷で罪になりますよね?」
「私達の手違いは、あなたが亡くなったことと子供が生き延びたことだけです。」
「え?運転手は?」
「本来あの事故は起こることが決定してました、そして亡くなる予定も5人だったんですけど、そこにあの子を割り込ませましたから。制約により亡くなられたのはあなた1人という結果になりました…。」
「成程…俺と生き延びた子供以外は予定より良い結果だったと…それであの子供をまた狙うんですか?」
「いいえ、今回のことで未来が大きく変わりました、あの事故であの子はあなたのへの恩で、本来の人類滅亡とは真逆の方向へと変化しました、結果としてはこれ以上ないほどの変化ですから命を狙う必要は今のところありません。」
「それは良かった…。これで安心して死ねます…あっ、もう死んでるんでしたか…。」
「そうですけど…落ち着かれてますね?普通は代わりに死にましたって聞かされたら、文句の1つや2つ10や20ぐらいは言われる覚悟をしてたんですけど…。」
「俺の場合はさっきも言った通りで、いつ死ぬようなことが起こっても不思議じゃなかったですし、もう疲れたって感じでしたから…。」
「そうですか、それでも私達の責任ですから、救済措置をしなければならないんです。」
「救済措置…ですか?」
「はい、地球は無理ですけど、異世界に丁度空きが出来たらしいので、そちらに転生させて頂きます。」
「遠慮します。」
「即答ですか!?…今の記憶を持ったまま転生出来ますよ?」
「遠慮します!記憶を持ったままなんて、断固お断りです!俺は幸薄で人間不信の人嫌いでもあるんで転生は遠慮します、このまま死なせてください。」
「…私達の責任であなたがお亡くなりになられたので、救済措置を行わないといけないんですけど…。」
「だ・か・ら!救済措置は必要ないですから、このまま死なせてくださいって言ってるんです!」
「あなたの国でいうところのチートというのも出来る限り付けて貰えるように頼んでみますから、転生してください、お・ね・が・い・し・ま・す!」
「嫌ですって言ってるじゃないですか!何でそこまで転生させたがるんですか!そのまま死んだ方が死神さんも手間がかからずに楽なんじゃないんですか?」
「うっ…。」
「何か理由があるんですか?」
「ええ…はい、まあ…あなたが転生してくれないと、私…首になっちゃうんですよ~!」
「それは…可哀想で…。」
「ですよね?可哀想ですよね?転生してくれますよね?」
「だが断る!」
「ガーン…何でですか!異世界、前世での記憶、チート、皆さん最初は文句言っててもこのワードで喜んで転生してくれてるんですよ!」
「ちょっと待て、皆さんって…。」
「あっ…(´・ω・`)」
「死神さんは、この救済措置をそんなに何回もしてるんですか!?」
「………。」
「黙ってないで教えてください!黙秘権なんて死神さんにはありませんよ?」
「酷いです!これでも私、上司の無理難題に頑張って対応してるんですよ!」
「いくら頑張っても、結果が伴わないのは如何なものかと…思いますよ?」
「ふえぇぇ~ん。結果はちゃんと良い方に出てるんですよ!ただ当初の予定と全然違うだけで!」
「結果は良い方に…って今回の俺みたいなことばかりってことですか!?」
「そ、そいう訳でも…(´・ω・`)」
「そういうことなんですね…(´・ω・`)」
「はい、そういうこと…です(´・ω・`)良い方向に変わってるから、私も首の皮一枚ギリギリのところで何とかというところでして…。」
「はぁ~、もう結構です。」
「そうですか♪ありがとうございます♪向こうに着いたら担当の人が居ますから、ちゃんとチートの件もお願いしときますね♪」
「ちょ、ちょっと、肯定の方の結構じゃな…。」
流は言葉も途中で何処かに送られることとなりました…。
日本語って難しいですね(´・ω・`)
3話目は出来れは今日中に投稿したいです(´・ω・`)