♥ 宿屋 2 / 宿泊室 2 / 「 ジャックと豆の木 」の原作 2
セロフィート
「 ──ジャックは悪戯をするのに良く使っている愛用のスリングショットを使い、豆を遠くへ飛ばしました。
大量の水を吸収した豆は、スクスクと育ち、空を目指してグングンと伸び始め、巨大な豆の木となりました 」
マオ
「 ええっ?!
雨の中に投げちゃったのかよ?? 」
セロフィート
「 豆は飛ばしました。
子供の力で投げても大して遠くへ飛びませんし 」
マオ
「 何でそんな事するんだよ? 」
セロフィート
「 豆が育たなければ話は進みませんよ 」
マオ
「 そうだけどさ…… 」
セロフィート
「 夜の内に大雨は止みました。
──3日目の朝、ジャックは豆の木を登る事にしました。
簡単なサンドイッチを作り、水筒を持ったジャックは、1人で豆の木を登り始めました。
木登りの得意なジャックは、猿の様に軽やかに豆の木を登りきりました。
雲の上に出たジャックは、遠くに巨大で立派そうな屋敷を見付けました。
ジャックは屋敷を目指して走りました。
屋敷へ着いたジャックは、抜き足,差し足,忍び足で不法侵入しました。
ジャックは巨大で広過ぎる屋敷の中で迷子になりました。
ジャックは屋敷の中で巨人に出会い、保護されました 」
マオ
「 保護ぉ??
捕まったんじゃなくて保護されたのか? 」
セロフィート
「 巨人は≪ 天空の大地 ≫の管理者であって、悪者ではないです。
穏やかで心優しい巨人です。
──人の良い巨人は、保護した少年と仲良くなりました。
ジャックは持ち前の悪知恵を働かせ、巨人から様々な事を聞き出しました。
巨人から情報を5つ聞くと、ジャックは自分の事を1つ話しました 」
マオ
「 何かさ、ズッコイよな。
5つも聞き出しといて、自分は1つなんてさ 」
セロフィート
「 ジャックですし。
──まんまと巨人と親しくなったジャックは、巨人に自分の身の上話を聞かせました 」
マオ
「 身の上話?? 」
セロフィート
「 ──ジャックは金銀財宝を手に入れる為の大嘘を吐きました。
人が良く、疑う事を知らない心優しい巨人は、ジャックの話に心を打たれ、素直に信じてしまいました。
巨人はジャックに貴重な宝を与えてしまいました。
ジャックはまんまとお宝を持って自宅へ帰宅しました。
巨人を騙して手に入れた金貨を家族に見せました。
其の夜、ジャック一家は家族会議を始めました 」
マオ
「 家族会議ぃ??
何を会議するんだ?? 」
セロフィート
「 ──4日目から、ジャックの家族は金貨を手に入れる為に一家総出で、巨人の屋敷へ忍び込み、金銀財宝を盗む泥棒に徹する生活を始めました 」
マオ
「 か…家族で?!
家族で泥棒するのかよ??
家族会議で話した内容って…… 」
セロフィート
「 そうです。
1人では不安でも家族全員ですれば怖くないですし 」
マオ
「 とんでもない家族だった!! 」
セロフィート
「 ──豆の木を登りきったジャック達は、巨人の屋敷へ着きました。
ジャックの両親と兄弟達は、宝物庫への道順の描かれた地図を持ち、ジャックと別行動しました。
ジャックは母親に作ってもらった料理を持って友人となった巨人の元へ向かいました 」
マオ
「 宝物庫への地図って、巨人から貰えたのか? 」
セロフィート
「 ジャックが自宅で描きました 」
マオ
「 ジャックって、絵迄描けるのかよ。
記憶力がいいんだな 」
セロフィート
「 ──ジャックは母親が持たせてくれた手料理を振る舞い、巨人の気を引きます。
其の間に家族は宝物庫の中へ入り、持参した布袋の中へ金貨を入れました。
金貨が溢れない様に紐を引っ張り、布袋の口を閉めると、リュックサックの中へ入れ、背負って、宝物庫を出て行きました。
ジャックは怪しまれない様、1番最後に屋敷を出て行きました。
豆の木を下り、自宅で合流したジャック一家は、盗んだ金貨を元手に広大な土地を買い、豪華で立派な屋敷を建て、贅沢三昧な暮らしを始めました 」
マオ
「 ……………そ、其からどうなったんだ? 」