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インフェクション〜崩壊する世界〜  作者: 作者はシカバネのようだ
3/3

幸地美麗

3話


「はぁ、わかったよ。じゃあ一緒に帰るか」


「やったー!」


俺と美香は一緒に階段を降りた。


「所でさ統魔。統魔に好きな子っている?」


「どうしたんだ急に?」


「いや、気になるじゃん?年頃の異性はどんな子が好きなのかな〜って」


「ふーん、俺はまぁ金髪の子とか?あ、そう言えば最近友達が TL(タイムライン)で金髪彼女が出来たって自慢してたなそう言えば写真も載ってたっけ」


俺は忌まわしき友と、麗しい金髪の子が一緒に載っていた写真をTLから探す。



「容姿じゃなくて性格とかは?」



「性格はなぁ、そうだな...?」


何...だ?


「如何したの、統魔?」


「いや、さっきからスクロールしてるんだけど2〜3分前のが凄く多くてしかも殆ど同じ事言ってるのか、これは?」


「どんな事書いてあるの?」


「何か人が人を食ってるとか...あっ写真付きのTLきた」


俺はすかさずそのTLをクリックし画像をまたクリックしてから拡大する。


「う、そだろ?」


写真にはうちの高校の学生服をつけた奴が服装からして40年代だと思われる女性?らしきものに"喰われていた"。


「おいおい、何かの冗談だろ?」


「どんな写真なの?」


と、美香が俺のスマホを覗き込む。


「何よこれ...」


「もしかしたらアプリかなんかで加工した奴かもしれ...「ギャアアア!」!?」


悲鳴が聞こえたので聞こえた先を覗く。

そこは正門前だった。


数人の大人が近くにいて、2人程倒れている。


いや、あれは倒れているんじゃない。


そう思った俺は目を凝らしてみた。


2人のうち1人は1体に"喰われていた"。


無意識に口を手で押さえる。胃からこみ上げてきたものを何とか抑え正門から目をそらし美香に顔を向ける。どうやら美香も見ていたようだ。


「美香、逃げよう」


「うん、早く逃げよう!」


何時もより弱々しい声だった。


まずは、自転車置き場に俺らは向かった。


自転車に乗り急いで学校を出る。


「統魔!どこに行くの?」


今は俺と美香で並走しながら行く当てもなく自転車を漕ぐ。何時もは並走なんてしたら怒られるがこんな状況じゃ大丈夫だろう。


家に行くという事も考えたがサバゲーセットに着替えは一着だけだが持っているし、貴重品も持っていれば家に家族がいるわけでもないので家に行くのは却下。美香の場合も同じだろう。美香の場合は両親共に海外にいるってところだ。


「そうだな、取り敢えずグランド公園に行こう!あそこなら広いし、今の状況もわかるはずだ!」


「うん、わかった!」


自転車を漕ぎ始めて数十分、多少の交通の乱れがあったもののここら辺はまだ大丈夫のようだ。


グランド公園に着くと公園を囲むように大きな壁がある。高さは大体5〜6m程だろうか。もしかしたらもっとあるかもしれない。そんな場所に俺たちは着いた。


しかし、俺たちと同じ様な考えを持つ人は多かったらしく壁の外では人で溢れかえっていた。


「これ、入れるのか?」


美麗(みれい)さんに連絡してみたら?あの人が一応所有権持ってるんでしょ?」


「それもそうだな」


俺は美麗さんに電話をかけてみた。


美麗さんフルネームは 幸地(こうち) 美麗(みれい)もう気づいたかもしれないが美麗さんは俺の保護者でもある。血縁関係はなく、初めは父親の友人としてあっていた。しかし、両親が不慮の事故で亡くなり、途方に暮れていた俺を美麗さんは養子として俺を迎えてくれた。


「五月蝿い!何度も電話を掛けてくるな!」


電話を取ったと思ったら激しく怒鳴っている美麗さんの声で俺は驚いた。


「み、美麗さん。俺です統魔です」


「あ、ああ統魔か!今何処にいる!?」


「グランド公園の正面ゲートから少し離れた所のコンビニです。凄い人で溢れかえっていたので少し落ち着ける場所に移動しました」


「そうか!少し待ってくれ。すぐに迎えを寄越す!」


そう言って、美麗さんの方から電話を切った。


「何か迎えを寄越すらしい」


「迎えって、あの人本当に何者なの?」


「知らん、俺にだって父さんの友人だって事くらいしか把握できてない」


両親もそうだが美麗さんも中々に謎めいた人だ。少なくともどっかのサラリーマンの様な一般人ではないだろう。



数分後、黒のスーツをつけ、サングラスをつけた男たちに車でグランド公園まで案内してもらった。

因みに普通に正面ゲートから通るのではなく、山に入ってそこから秘密の通路の様なところから入ったのには驚いた。


「三年間養子として美麗さんと居たけど本当に何者なんだ?」


「何処かの要人とか?」


「もしかしたら、そうかもな」


初めて美麗さんにこの施設は私の土地だと言われた時並みに驚いている。


そして、車から降り少し歩くと当の本人である美麗さんが医者とか博士とかの人が着けそうな白衣を着けて仁王立ちの姿勢で待っていた。




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