近づいてきた崩壊
実在する場所、名前、宗教等沢山あると思いますが全て関係していなく、また批判する目的でもありません。
2話
「であるからしてここは〜」
「はぁ、つまんね」
今日で何回目になるかもわからない溜息を俺はついていた。
だが今は最後の授業。この時間も後5分で終わる。
後299秒、後298秒...
一見外から見れば黒板に書かれてある内容をきちんと板書しているように見えるが本当は左腕のアナログ時計と睨み合いをしていた。
そのノートには当然板書などしておらず、今回使う予定のM4カービンのイラストや今日の作戦を考えていた。
「今日は暗号を作ってみたけど、安直かな?」
暗号の作り方は至って簡単でいろは歌に最後に"ん"を足して1から番号を振っていくものだった。
例えばいろはにほへとの"い"は1、"へ"は6という感じだ。
まぁこれも暇潰しの一つでしかないわけだが。
キーンコーンカーンコーンと、終わりを告げるチャイムが鳴る。
「終わったか。よし、じゃあ今日はこれまで。週番、挨拶」
「起立、身なりを正して下さい....これで国語の授業を終わります礼」
「ありがとうございました」
「よし、じゃあ帰りの SHRを始めるぞ〜」
担任が国語の教師なので今日はスムーズだった。
「...で、これが最後の連絡だが皆んな最近流行りの狂気病は知ってるよな」
と先生がいう。
狂気病?なんだそれ?
「先生知ってるー!確か肉食べないと発狂するっていう病気でしょー!」
と、女子生徒が...って美香かよ。
「ああそうだ。それがこの近辺にも発症者が現れたらしい。空気感染の恐れもあるらしいので今日は家で大人しくしておくように」
空気感染か、最悪だなそれ。
「よし、じゃあ帰るぞ週番号令!」
「起立、気をつけ、礼」
「ありがとうございました!」
俺も席を立ち急ぎ足で自転車へと向かう。
「おーい、統魔ー!まってよー!」
と、美香。
「急げ!これからサバゲーなんだぞ!」
「あ、うんそれなんだけどね?今日はやめといた方がいいんじゃないかな?」
「え、何で?」
「統魔もさっき聞いたでしょ!狂気病の話!空気感染の恐れがあるから早く帰りなさいって!」
「あ、ああ言ってたなそんな事も」
「思い出した?それでねこの病気本当にやばい気がするの。だから今日は帰ろう?」
「...まぁお前がいないとチーム戦が出来ないし今日はまぁ諦めるか。その代わりこの騒動が終わったら付き合えよ」
はぁ、しょうがない今日の所は諦めるか。
ふと美香の方を見ると顔がすごく赤なっている。
「つ、つきあ...」
「ん、美香?おーい」
「....」
顔が赤くなってるし、何かニヤけてる。何だこいつ思い出し笑い?何故に今?
返事がなかったので、顔の近くで手を振ってみる。
「...はっ!」
「おい、大丈夫か?」
「う、うん大丈夫よ...ふぅ、考えても見たらあんな状況でそんな事言うはずないもんね。早とちりしてはダメ。頑張れ美香!」
?...まぁいいか独り言のようだし。
「んじゃ俺帰るわ」
「あ、ね、ねぇ統魔!今日一緒に帰らない?」
「えー、お前の家まで行くと遠回りじゃん」
「いーでしょ!幼馴染の頼みなんだから!」
言っていなかったがこいつは俺の幼馴染的な存在に当たるやつである。しかし小学校の卒業と同時に俺の家の隣だった美香は遠くに引っ越し高校に入る時にまたここに戻ってきた。
故に俺は知っている。駄々をこねたら最後まで突き通す奴だと。面倒くさい奴である。 この面倒くささがなければ美人だからモテるだろうに。
そのせいで男が寄ってこないのである。
「はぁ、わかったよ。じゃあ帰るか」
「やったー!」
----------同時刻、学校正門前
正門前に、一つの白いバンがあった。
その車は正門を背にするような位置だった。
車道にも出てるし、ここら辺は交通量も多いため普段ならクラクションが鳴り響いている。
今もクラクションが鳴り響く。しかしその車は動こうとしない。
クラクションの音がさっきから鳴り響いている為学校の職員たちもクラクションを鳴らしていたドライバーもバンに駆け寄った。
「あのー、この車どけてください!邪魔なんですよ!学校に関係しているんだったら早くどかしてくれます?一車線分幅取ったら動くに動けないんですよ」
と、ドライバー。
「いえ、私達も知らないので学校関係ではないと思います」
と、職員。
そんなとき運転手席のドアがガチャッと開き白いバンのドライバーらしき人物がドサっという音と共に倒れた。
「あのー、大丈夫ですか?」
すぐさま職員が駆け寄りそう尋ねた。
「うっ!おぇぇぇえ!」
その職員は吐いてしまった。何故なら腐臭、と共に出てきたのは顔半分がなかったからだ。
「うっ、安斎先生警察に連絡を!」
「は、はい!」
しかし、安斎と呼ばれた職員はすぐには電話をかけられなかった。何故なら...
「ギャアアア!」
突然の悲鳴そこには先ほどまで嘔吐していた職員だった。
何かから必死にもがいているがそれを理解するには時間が必要だった。
何故なら"死体"が動いているから。
「アアァァァァ...ァ...ァ」
職員は死んだのかはたまた気絶したのかわからない。
しかし、先程から死んでいたと思っていた者が職員の体を貪り食う光景に目が離せなかった。
感想・評価待ってます!
目指せ総合評価100pt!