お母さんとお買い物4
「さて、今度こそ紗香ちゃんの洋服でも見ますかね。」
「やったー♪」
「えっと、幼稚園の子の服は、どこかな?」
「お母さん!」
「えっと、どうしたのかな?」
「さやか、今は小学生だよ!」
「そうだっけ? そう言えば、学校の名札を付けてたね。」
「もう、お母さんったら!!」
小バカにされてふてくされるわたしだった。
そして、洋服売り場に到着した。
お母さんは、わたしに似合いそうな服を何点かピックアップしてくれた。
「これとかどう?」
「やだ! 模様がなんか好きじゃない。」
「それじゃ、こっちは?」
「それいいかも♪」
かれこれ30分くらいかけて服選びをしただろうか。
「それじゃ、この2着を買おうか。」
「ありがとう、お母さん♪」
新しい服を買ってもらいとてもうれしいわたしだった。
その後、お昼の時間になったので屋上のレストランへ行くことになった。
「紗香ちゃん、レストランでなに食べたいの?」
「お子様ランチ♪」
「紗香ちゃんはいつもそうだよね。」
「だっておいしいだもん♪」
デパートに来るたび、わたしはいつもお子様ランチを頼むのが好きだった。
でも小3くらいから恥ずかしくなってきて、そこからは普通のメニューを頼むようになったっけ。
しかし、今は小1。
せっかく戻ったのだから久しぶりのお子様ランチを楽しもうかな。
そしてレストランに着き、わたしはお子様ランチを頼んだ。
「やっぱり、ここのお子様ランチは最高♪」
久しぶりのお子様ランチに、ご満悦のわたしだった。
さっきのお漏らし事件のことなど忘れるくらいだ。
食事も終わり、レストランを出るとお母さんが…
「ついでだから、そこの広場で紗香ちゃんを撮ってあげようか?」
どうやら、わたしの写真を撮るらしい。
「急にどうしたの?」
「なんとなく、記録に残しときたいなってね。」
「今日ってなんか記念日だっけ?」
わたしの誕生日でもないし、旅行とかでもないし、一体なんでだろう。
「いいの? 学級委員になった証拠の写真を撮らなくて。」
「そうだ! いま、名札を付けてるから撮ってよ♪」
「それじゃ撮ります♪」
そういって、お母さんはわたしの写真を数枚撮ってくれた。
「はい、いいよ。これで、紗香ちゃんの恥ずかしい記録が残せました♪」
「全然さやかは恥ずかしくないよ。」
「成長すれば恥ずかしくなるから。」
「ふーん。」
こうして、いろいろあった1日が終わった。