わたしが学級委員!? その2
そして、運命の4時間目になった。
「はい、予告通り学級委員を決めたいと思います。」
さて、誰かやらないかな?
「誰かやりたい人はいませんか?」
誰かが挙手するのを待つ先生だが、誰も挙げようとしない。
「うーん、となると推薦方式にしましょうか?」
結局誰も手を挙げなかった。
「これ、もしかしてわたしになるパターン?」
わたしは心の中で思った。
「それでは、推薦方式にします。では、この人にやってほしいと思う人手を挙げてください。」
そう先生が言った途端、案の定ちえちゃんが手を挙げた。
「はい、いしかわさんがやった方がいいと思います。」
ちえちゃん、言ってしまったね。
まあ、推薦された以上は引き受けるとしますか。
「いしかわさん、推薦されましたがどうですか?」
「みんながよければやります。」
そういうと、他のみんなも異論なくやっていいとのこと。
「それじゃ、次期学級委員はいしかわさんがやることになりました。」
かくして、わたしは1年2組の学級委員に決まった。
前学級委員のちえちゃんから、学級委員バッジを受け取った。
「さやか、しっかり仕事をこなしてね。」
「はいはい、わかってるよ。」
学級委員は、自分の名札に学級委員バッジを付けることになっている。
早速わたしは、名札を外してビニールケースから中身を取り出した。
黄色のフェルトの空いているところに、学級委員バッジ取り付けようとするが、1年生の力では難しい。
「いしかわさん。先生が付けてあげますよ。」
そう言って、先生はわたしの名札を持っていき、休み時間にバッジを付けてくれるとのこと。
「楽しみだなー。」
4時間目のチャイムが鳴り、給食の時間になった。
「当番の人は、エプロンに着替えて準備を始めてください。」
そう言うと、数人がエプロンに着替えて調理室まで給食を取りに行った。
そのあと、教室まで運ばれた給食を当番が器に分けてみんなの机に運んでった。
そして、全員分の給食が配り終わった。
「ではみなさん、いただきます♪」
いただきますとともに、一斉にみな食べ始めた。
「みんな食べるの早いな…。」
結局、10分でみな食べ終わり、当番以外の子は校庭へ遊びに行った。
わたしは、先生のところへ名札を取りに行った。
「失礼します。先生いますか?」
「いしかわさん、こっち来ていいよ。」
「はーい。」
職員室の先生の机まで向かった。
「はい、いしかわさん、名札ができましたよ。」
「先生ありがとう。」
「せっかくだから、先生が付けてあげるよ。」
先生はわざわざ名札を、わたしの胸のところに取り付けてくれた。
「はい、いいよ。今日から学級委員、頑張って下さい。」
「はい♪」
わたしの名札に輝く学級委員バッジ。
まさか、昨日体験したあの重みを実際に経験するなんて思ってもみなかった。
教室に戻ると、ちえちゃんがわたしの机のところにいた。
「その名札の重みは、クラスを代表する責任の重みとして感じることね。」
「わかってるよ。」
「もし、おっちょこちょいなことしたら、バッジを没収するからね。」
「やだね♪ このバッジは渡さないからね♪」