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日本皇国軍事力

 移転暦五年六月現在、皇国海軍はつつましいといえる規模ではあったが配備が完了していた。これは、東アジア情勢を考えて配備が急がれたからである。構成州各地に一個艦隊、準州に一個戦隊があった。航空隊は各州一~二個があり、司令部所在地には一個海兵大隊(準州は一個中隊)が配備されていた。一覧は以下のとおりで( )内は司令部所在地である。


第一艦隊-南関東州-(横須賀)

「ひゅうが」型ヘリコプター空母 一隻

「こんごう」型イージス巡洋艦 一隻

「たかなみ」型駆逐艦 八隻

「おやしお」型潜水艦 四隻


第二艦隊-九州-(佐世保)

「ひゅうが」型ヘリコプター空母 一隻

「あたご」型イージス巡洋艦 一隻

「たかなみ」型駆逐艦 八隻

「おやしお」型潜水艦 四隻

「しょうりゅう」型原子力潜水艦 二隻


第三艦隊-関西州-(舞鶴)

「ひゅうが」型ヘリコプター空母 一隻

「こんごう」型イージス巡洋艦 一隻

「たかなみ」型駆逐艦 八隻

「おやしお」型潜水艦 四隻


第四艦隊-中国州-(呉)

「ひゅうが」型ヘリコプター空母 一隻

「こんごう」型イージス巡洋艦 一隻

「たかなみ」型駆逐艦 八隻

「そうりゅう」型潜水艦 四隻

「しょうりゅう」型原子力潜水艦 二隻


第五艦隊-瑞穂州-(水穂)

「ひゅうが」型ヘリコプター空母 一隻

「あたご」型イージス巡洋艦 一隻

「あきづき」型軽巡洋艦 八隻


第六艦隊-山城州-(田代)

「ひゅうが」型ヘリコプター空母 一隻

「あたご」型イージス巡洋艦 一隻

「あきづき」型軽巡洋艦 八隻


第七艦隊-沿海州-(水塩)

「ひゅうが」型ヘリコプター空母 一隻

「あたご」型イージス巡洋艦 一隻

「あきづき」型軽巡洋艦 八隻


第八艦隊-由古丹州-(尻古丹)

「ひゅうが」型ヘリコプター空母 一隻

「あたご」型イージス巡洋艦 一隻

「あきづき」型軽巡洋艦 八隻


第九艦隊-秋津州-(南秋津)

「ひゅうが」型ヘリコプター空母 一隻

「あたご」型イージス巡洋艦 一隻

「あきづき」型軽巡洋艦 八隻


第一〇艦隊-樺太州-(大泊)

「あきづき」型軽巡洋艦 八隻


第五一戦隊-大連州-(旅順)

「たかなみ」型駆逐艦 四隻


第六一戦隊-台湾州-(高雄)

「むらさめ」型駆逐艦 九隻(四隻を琉球州に分派)


第七一戦隊-南洋州-(サイパン、トラック)

「あさぎり」型駆逐艦 八隻


沿岸警備隊(旧地方隊)

各軍港および琉球州(二隻)、千島列島択捉(四隻)


航空戦力

瑞穂州一個航空隊

P4C対潜哨戒機一六機


山城州一個航空隊

P4C対潜哨戒機一六機


沿海州一個航空隊

P4C対潜哨戒機一六機


樺太州一個航空隊

P3C対潜哨戒機一六機


由古丹州一個航空隊

P3C対潜哨戒機一六機


秋津州一個航空隊

P4C対潜哨戒機一六機


日本国五個航空隊

P3C対潜哨戒機八○機

(台湾州、大連州、南洋州、琉球州に合わせて三二機を分派)


空軍

 新開発のF-3戦闘機に統一されて配備が始まっていた。日本海側の各州への配備が最優先とされ、秋津州や本土にはまだ配備されていない。外見的にF-16XLに似たものとなっている。対戦闘機、対艦攻撃に主眼を置かれており、F-2戦闘機ほどの対地攻撃能力は有していない。その分、価格が安く抑えられていた。主契約先は山城州の山城重工であった。ミラージュを製造していたことからデルタ翼機に対するノウハウがあったとされている。瑞穂州、山城州、沿海州、由古丹州に一個戦闘航空団が配備されている。


 各州でもっとも配備が望まれていた早期警戒管制機の配備であったが、実機が輸入できないため、独自に開発されたのが、E-70、三菱重工のMRJ旅客機を改造したものであった。レーダーシステムはE-767には劣るものの、E2C<ホークアイ>以上の性能のものが採用されていた。今後の改良による性能向上が見込まれる機体でもあった。現在、瑞穂州、山城州、沿海州、由古丹州、秋津州、台湾州、琉球州に各二機配備されていた。


 輸送飛行隊も各州が求めていたが、C-2輸送機が開発され、六機で一個輸送飛行隊を編成し、各州に配備が進んでいる。C-1輸送機の拡大版ともいえる機体で、最大積載量二万kg、航続力は最大重量積載時で三五○○kmであった。


陸軍

 充足率一〇〇パーセントの師団配備が求められていたが、達成されていなかった。大連州および樺太州においては一個機械化師団、各州には二個機械化師団および一個機甲師団が配備されていた。本土では一○個機械化師団(琉球州には一個機械化師団)および一個機甲師団であったが、充足率は低い。多くは南洋州に分派されている。兵員の多くは本土以外、特に北の二州から確保されていた。これは、共産主義のソ連に支配されていた間の教育の問題もあり、軍人こそが生活を安定させるもっとも近い方法として考えられていたからだとされている。


 こうした結果、この時点で日本皇国では陸軍は総数三四万人、常設二四個師団および七個機甲師団、うち、一四個師団および五個機甲師団が充足率一〇〇パーセントの部隊となった。空軍は総数一○万人、二〇個戦闘航空団、八個警戒飛行隊、一〇個輸送飛行隊と各地のレーダーサイトを要していた。海軍は総数二○万人を数えていた。三軍ともに最新鋭装備を有する部隊として編成されており、陸軍一一万人、空軍二万人、海軍三万人が再編中であった。この中では陸軍がもっとも再編が早かったといわれ、次に海軍であり、最後に空軍であった。忘れてはならないのが、即応予備役兵であり、陸軍四六万人、空軍一万人、海軍五万人に達することであろう。


 ここに、新たに出現した将兵一〇万人が加わるのである。政府としても、問題であっただろう。人件費だけならともかくとして、莫大な維持費がかかる戦艦や空母といった大型艦が現れたのである。巡洋艦や駆逐艦にしても、そのままでは運用できない艦艇が多く存在するのである。だからこそ、改装して売却するという案に飛びついたのかもしれない。結果として、東南アジア情勢の急変により、軽巡洋艦や駆逐艦の売却に成功している。


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