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短編

夜の証明

作者: あきの丘
掲載日:2025/11/06

学校から帰ると、突如として、

漠然とした将来の不安に襲われることがある。


理由はよくわからない。

それは数ヶ月に一度、

何の前触れもなく訪れる。


胸の奥に巣食うそれは、

言葉を放つことさえも億劫にさせる。


誰とも話したくない。

何も考えたくない。


将来といっても、そう遠い未来じゃない。

明日の学校とか、

今日やるべき宿題とか。

そんな、些細なこと。


将来の夢、受験、

といったスケールの大きい類のものではない。


全てに対するやる気が削がれたその時、

僕は決まって、空を見上げるようにしている。


「お前はいつもと変わらぬ調子だな」

と嗤ってやる。


曇りならば、「お前もかよ」

晴れならば、「幸せそうにしやがって」

雨ならば、「ジメジメしやがって」


八つ当たりに近い。


決して話し相手が欲しいわけでも、

頭がおかしいわけでもない。


たぶん、何を言っても

許されそうだからだと思う。

だってそうでしょう、

誰のものでもないのだから。


「自分をコントロールできない空と違って、

俺はそれをすることができる」


そう言って、

自然に対する自分の優位性を、

人間としての価値を見出そうとする。


そんなこんなで夜になり、

一夜明け、朝を迎えると、


君はいつもと変わらず機嫌を変え、

僕の不安も消え去っていく。


君は晴れ。

僕も晴れ。


夜に感情を左右される僕ら。


よって夜の優位性が証明された。







お読みいただきありがとうございます。


数学の証明問題はあまり好きではありません。

そんなことはさておき、

夜ってどうしても

人間の活動が少なくなってしまいます。

こんなに技術が発展しているのに。

まあ、単純に夜寝るからでしょう。


夜に対して抗えない強さを感じている

今日この頃です。

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