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短編

夜の証明

作者: あきの丘

学校から帰ると、突如として、

漠然とした将来の不安に襲われることがある。


理由はよくわからない。

それは数ヶ月に一度、

何の前触れもなく訪れる。


胸の奥に巣食うそれは、

言葉を放つことさえも億劫にさせる。


誰とも話したくない。

何も考えたくない。


将来といっても、そう遠い未来じゃない。

明日の学校とか、

今日やるべき宿題とか。

そんな、些細なこと。


将来の夢、受験、

といったスケールの大きい類のものではない。


全てに対するやる気が削がれたその時、

僕は決まって、空を見上げるようにしている。


「お前はいつもと変わらぬ調子だな」

と嗤ってやる。


曇りならば、「お前もかよ」

晴れならば、「幸せそうにしやがって」

雨ならば、「ジメジメしやがって」


八つ当たりに近い。


決して話し相手が欲しいわけでも、

頭がおかしいわけでもない。


たぶん、何を言っても

許されそうだからだと思う。

だってそうでしょう、

誰のものでもないのだから。


「自分をコントロールできない空と違って、

俺はそれをすることができる」


そう言って、

自然に対する自分の優位性を、

人間としての価値を見出そうとする。


そんなこんなで夜になり、

一夜明け、朝を迎えると、


君はいつもと変わらず機嫌を変え、

僕の不安も消え去っていく。


君は晴れ。

僕も晴れ。


夜に感情を左右される僕ら。


よって夜の優位性が証明された。







お読みいただきありがとうございます。


数学の証明問題はあまり好きではありません。

そんなことはさておき、

夜ってどうしても

人間の活動が少なくなってしまいます。

こんなに技術が発展しているのに。

まあ、単純に夜寝るからでしょう。


夜に対して抗えない強さを感じている

今日この頃です。

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