二階ベランダ三匹目 異世界人をご招待(緊急で)
結婚前から不倫を、不倫当事者から言われ結婚当日に知り、今更結婚を取り下げれない為渋々結婚したアヤネール=テルローズは、初夜を拒否し逃げた結果義父のテオドールの許しを得て、一路史郎達に護衛して貰い実家に帰る予定が、何故か目隠しをした一瞬で実家の街の前で気絶したアヤネール、果たしてアヤネールは離婚出来るのだろうか?
ついでに某デイズ的なテオドールの息子のマコトに、天罰が下るのだろうか?
私達は門番的な衛兵に案内されながら、何故かブルームの冒険者ギルドに案内されしかも、アヤネールさんよりも美しく小柄で華奢な女性が私達に向け小走りに来る。
「アヤネ、何で帰って来たの?」
「…………お姉様………アリスお姉様?」
「そうよアヤネ、アリスお姉ちゃんよ」
アヤネールさんの目に光が戻り、アヤネールさんは華奢な女性………アリスさんに思いっきり抱き付き嗚咽を流す、他に居た冒険者達も噂を知ってた為アヤネールさんに同情と、自分にチャンスがと野心を燃やす冒険者も少なからず居たが、基本冒険者が貴族と婚姻は不可能であり、特にブルームに居る冒険者は国を動かす様な活躍する者は居ない、この場に居る約一名以外は。
そしてこの日、テルローズ家のターニングポイントでありアステネリア王国としても、ターニングポイントだとはその渦中の史郎やフリージアやアヤネールや、その原因のアリスすら知らないのだった。
「………泣き止んだかしら、アヤネ」
「ゴメンね、アリスお姉様…………」
「何て尊い光景なんだ………」
「俺は目から滝が止まらないぜ………」
「アヤネール様、苦労なさったんだね………」
「…………そろそろ業務に戻れ、後関係者全員俺の部屋に来い」
何故か分からないが、貰い泣きをしたフリージアさん達を連れ、精神耐久力ゼロで屍化してるベルを引き摺りながら、ハゲ………もといゴリゴリ巨漢筋肉マッチョのスキンヘッドである、このブルームの冒険者ギルドマスターであるエギルさんの後に付いて行く、まだ報酬を貰ってないが報酬の金額も決まらずに、依頼を受けてるがまあ人助けと思うしかあるまい。
このエギルギルマスは、まあ豪快な響く声は何処かとは敢えて言わないが、某ギルマスと同類にうるさい、しかも見た目は海坊主軍曹とか名付けたく成る、無駄に鍛えた巨漢マッチョだ………特注らしき制服がはち切れそうだけど。
「行きますよ、アヤネ」
「ハイ、アリスお姉様」
「私達も行くんだよね?」
フリージアさんが行くのが嫌だと、顔に隠す事なく出して居た、ルークやアルスも退屈で疲れた顔をして居た、まあ勇者お披露目式の時も何か退屈にうんざりしてたな、食べ物の時は元気なんだが………クラーラが居たら少しはシャキとするだろうが、因みに私はガリレオさんの付き人として同席した、王様が何か言いたげに私を睨んでたな……。
私達はギルドマスターの部屋に行き、暫くアヤネールさんがどうして街に戻ったか、結婚した相手のマコトがどんだけ不誠実な不倫をしたかを姉であるアリスさんに話し、当事者ではないが何故か護衛しただけなのに足止めされる私達、あとベルは何故か幸せそうに寝てる。
アイツは臆病で大事な局面では勇敢な英雄なのか、なよなよしてるがただの図太い精神の理解不能の英雄なのか、未だに分からないがまあ寝れる時に寝るのは今は良いだろう、あとあの海坊主軍曹の嫁は恐ろしく不釣合だ。
巨乳でぽやぽや雰囲気をした美人の、何か聖母の様な人だが………海坊主と聖母てどんな取り合わせなんだろうな………、美女と野獣て言葉が有るが此は海坊主と聖母と、言って過言ではないだろう。
「何か言いたそうだな、兄ちゃん」
「まあ、私達はアヤネールさんを護衛して来ただけなので、関係者ではない気がするのですが」
「そうかも知れないが、一応な………」
何が一応なのだろうか? 何か疑われてるのだろうか?
「そうです、お姉様………彼等のお陰で一瞬で帰れたのです」
「そうなの?」
アリスさんが確認する様にアヤネールさんに聞いた。
「そうなんです、アリスお姉様」
「まあ、一瞬だね」
「早く一回帰って寝たいよ」
「ベル兄ちゃんは良いよな、何処でも寝れて………本気の戦い以外は、ベル兄ちゃんは本当に頼りない」
本人が寝てるのを見ながら、アルスとルークは愚痴る………まあ魔王との戦いの時は、確かに頼もしい白髪の青き稲妻を纏った英雄だったな。
今は見る影もないが………まあ、ベルらしいと言えばベルらしいと言えるな。
「本当なの? アヤネ」
「うん、たぶんテオドール義父様が驚いて、腰を抜かす程ですわ」
「…………本当ですか?」
何故か私とフリージアさんを、交互に見ながらか言うので、まあ長い縁でも無いし言いかと私は話す。
「私のスキルで、テレポートの様に確かに来ましたよ、そろそろ元の世界に帰らせて頂きたいのですが」
「「「はい!?」」」
ギルマスを合わせた三人が、すっとんきょうな声を上げる、それと同時に扉がノックし忙しい事が始まる、まあアリスさんが倒れたり、色々起きるのはゴメン被りたかった。
「入るぞ、エギル」
「……オウ、以外に早い到着だな、エデル」
二人は握手と軽くハグを交わす、どうやら親密な関係らしい。
「親友同士のハグよりも、お父様………アヤネの方を何とかしてよね」
ジト目でアリスさんが、父親に呆れを含みながら言う。
「すまんすまん、久々にエギルに会ったからな………お互いに忙しい、あとテオドールから早馬で話は来てる、だいたいの事情は察したが………アヤネールが帰って来たて事は、テオドールも重い腰を上げたて事だな………」
「アイツの息子には、前に噂程度だが本国で女性に関する悪い噂があったらしいな」
エギルギルマスが、エデルさんに言うとエデルさんは重い口を開く。
「テオドールは口を閉ざしてたが、事実本国の王都の貴族学園時代に、複数の認知してない令嬢との子供が居ると噂に成ってた、実際にテオドールの早馬の後で調査をしたら一人の令嬢が、認知されなかった子供と自殺したらしい」
「…………俺の知る噂は、流産して子供が授かれない身体に成って、精神が病んだと聞いたぜ」
何か知らないが、某マコトよりも質が悪いな、まあ刺されたり首を切られたりされてない此方のマコト、某マコトのアニメは一時社会現象に成ったな………悪い意味で。
フリージアさんは「……は大丈夫」とか言ってたが、微妙に聞き取れなかった部分に何故か私の名前らしきのが、聞こえた様な気がするが………私は若返っただけで、普通の日本に何処でも居るオッサンなんだがなぁ~
「まあテオドールも、昔のヤンチャが改心したと思って昔の約束を果たしただけだしな」
「テオドールは、義理に熱い奴だからな………」
「昔のエギちゃんのお友達ね」
「エリナお姉様、エギルおじさまを『ちゃん』呼びですから」
「昔からですよね、エギルおじさまを『ちゃん』呼びは、アリスお姉様」
海坊主をちゃん呼びとは、何か奥さんの尻に敷かれてる気がするな、あの海坊主ギルマスわ。
「なあ、兄ちゃん」
何故か私は、海坊主ギルマスからドスを含んだ声で、何故か睨まれる。
「何ですか? ギルマスさん?」
「たまに俺を馬鹿にした、気配を感じるのだがな………」
「さあ~どうですかね?」
「何か失礼な、アダ名を付けられてる気がするんだが………」
この人案外自分のアダ名とか、自分に関する事にびんかんかもしれない、このスキンヘッド海坊主以外に侮れない、あと何で美女と結婚出来たのか不思議で仕方ない、まあ私もシルヴィアさんとかと結婚したら、周りから同じ事を思われるブーメランが待ち構えてるだろうが、果たして私は異世界で可愛い嫁を娶るのだろうか?
何か日本とはまた別の大変さで、結婚したくないとか思いそうだが………異性に好意を向けられるのは、人生で異世界だけだな………フリージアさんを含めてね。
あと何故にフリージアさん達と同じ目で、アヤネールさんは初対面の私に同じ目線を向けて来るのが解せん、異世界の女性の好意起点が分からん理解できん、まあ出来たら今頃誰かと結婚してる………無いな、考えてもそんな誰かと結婚してる未来図が見えん。
そんなこんなで、アヤネールさんは早馬とテオドールさんの調査により、何故かその日に離婚が成立した………何故か手回しが既に終わってたかの様に、そして何故か安心したアリスさんが心臓発作を発症し、アヤネールさんとエギルギルマスと奥さんにアヤネールさんの兄にして、アリスさんの弟も同行し店に何故かまだ居たシャルロッテさんに見て貰い、治療をしたが発作は収まったが完治には至らなかった。
「此は……異世界人とかの問題ではなくて、体質とかそんなレベルだから女神様の奇跡でも限界が在りますね」
「発作が無くなっただけでも有難う御座います、えぇ~と…………」
「シャルロッテです、一応聖女をしてます………あと史郎さんの未来のお嫁さん」
私は即座に否定する。
「違うよ、シャルロッテさん」
「即答!?」
「まったくシャルロッテ様は、史郎が誰も恋人にしてないから、妄想嫁発言を拒否されるに決まってるよ」
何故か勝ち誇った様に、フリージアさんはシャルロッテさんに言うが、そもそも私が否定したのは未来の嫁の方だ、そもそも現時点で付き合ってもない女性を、未来に娶るのは普通に無い………可能性が無いとも言えないが、そんな未来の事を言ってたら鬼笑われるな。
「異世界には、不思議な力を持った聖女様が居るんだな」
「そうね、エギちゃん」
「………本当に異世界なんだな………」
私からしたら、此処もそっちも異世界なんだが………ファンタジー世界のね、他の次元の異世界は科学発展してる異世界もあるのかな?
無いとは限らないが、史郎がその世界に行ける可能性は未知でしかない。
「店はお休み中だが、異世界の方々に当店のコーヒーや紅茶に、軽食をお出ししますよ」
「やった!! マスターのケーキ食べたい」
「フリージアお姉ちゃん、うるさい………」
「フリージアお姉ちゃん、本気でうるさい………眠いから寝てくる………」
「ゆっくり寝てきな」
「「ウン、師匠」」
アルスとルークが白鯨に行く扉を開き、白鯨の拠点の自室に寝に戻った………恐竜倒すのに結構はしゃいでたし、屋台とか色々食べ歩きして満腹感で眠いのだろう、あと本気で二人に睨まれたフリージアさんは、何故か膝がガタガタと震えて居た………何かのスキルでも増えたのかな?
「何かアルスとルークから、背筋が凍る寒さを感じたよ」
「アレは歴戦の戦士が発する、プレッシャーに似てるな」
海坊主ギルマスがそう呟いた、まあアルスもルークも勇者だからプレッシャー系のスキルが出現しても、おかしくは無いだろうな………大抵の物語の勇者てそんなもんだろうし、嫌われ勇者とかザマー勇者とか残念勇者とか色々居るが、アルスやルークは真っ直ぐに育ってる勇者の称号とスキル以外は、普通の十代前の少年と変わらない………異世界基準のだが。
異世界のお客様に、アリスさんは心臓を考慮したカフェインレスのハーブティを、アヤネールさんと海坊主の奥さんには、ミルクティーと前に試作した撫子と来年お披露目予定の、白鯨産のマスカットショートケーキを………はいはい、フリージアさんとシャルロッテさんもね。
エギルハゲマスと、アリスさんの弟さんにはマシン抽出のエスプレッソと、ナゴヤナポリタンを出したが、ナポリタンは一応日本発祥の洋食らしい………ナポリにナポリタンは無い。
「なかなか美味いぜ、流石異世界」
エギルギルマスの言葉に、フリージアさんとシャルロッテさんが言う。
「私の国には、無いよ」
「私の国にも無いですよ、マスターのお店以外では見ませんね」
「異世界は広いのでしょうか?」
「まあ、遠い場所何で…………」
一応ガリレオさんと、アステネリアの一部の偉い人しか知らない、因みにシルヴィアさんにはまだバレてないし教える気は今の所無い、教える必要性が無いからだ。
「父上に、異世界と交流したいと進言したいですね」
「絶体食い付くぞ、それにホレ………」
エギルが目線を向けた先には、女性人が熱視線を店主に向けていた。
「姉上もアヤネールも、彼を気に入ったらしいですが………平民とは普通に結婚出来ないのは、忘れてませんよね………」
「アレは本気で惚れた顔だぞ………」
「ですよね………姉上が女の顔をするのを、初めて見ましたよ………身内としては複雑ですが」
後に更に複雑に成るとは、この時誰も史郎がハーレム運が押し寄せてるとは、本人はまったく思って無い、しかも食べ物で勝手に釣れた状態だ。
「うっとりとしてる姉妹、アレ身内何ですが………」
「俺に言うなよ、なあルキウス」
「仕方ないわよルキウスちゃん、私達が知らない美味しいスィーツを食べたら、それは胃袋掴まれてしまうわよ、エギちゃんに出会う前ならアリスちゃん達に混ざってるわね」
「………冗談だよな………」
「さ・あ・ね」
この時エギルは危機感を覚え、もっとエリナを大切にして心変りしない様に、エリナと愛娘を守ろうと思った………史郎から。
数年後、エギルは八人の娘と息子に尊敬される漢に成ってるが、その頃のブルームの街は変わり冒険者ギルドも、土日休みを採用しギルドの職員のやる気や退職率も改善される。
因みにその頃には、アリスは退職し新しい仕事をしてるがそれは語られるかは不明である。
そして、史郎のワールドショッピングが密かに更新され、新たな商品が追加されるのを知る事に成る時、二つの異世界の関係が動き始める。
次回に続く。
アリス・テルローズ
港町ブルームの冒険者ギルドの受付嬢、生まれながらに心臓が弱く街の学園を卒業後は、父親の仕事を手伝ってたが周りの眼を気にし、病弱なアリスを意味嫌ってた父親の側近の嫌な眼から逃げ、父親の若き日に一緒に冒険者をしてたエギルに頼み、身体に負担が少ない仕事をさせて貰ってる。
基本学園時代、身分関係なく求婚する男を振ってた為、アリスが冒険者を軽くあしらい振り続けた、一部の勘違いしアリスを殴り掛かったり闇討ち計画をした冒険者は、エギルとアリスの父親のエデルに闇に葬られている。




