縁側十二匹目 謎の怪盗現わる
私は朝昼兼用で、カップ麺のきつねうどんで腹を満たした、シルヴィアさんはラーメンを食べ終わり、何故か物悲しげにスープだけ残った丼を見る、その光景を見なかった事にして私はメインメニューの地図から、盗賊や悪党の巣のピンを確認しながら昨日………まだ実際は異世界一日目は過ぎてはないが、白鯨での数日は過ぎて居るけどね。
シルヴィアさんを捕まえ監禁した組織は、ウィールデンのポールステルラ魔道王国側と、ニュークロイツ国側に数ヶ所盗賊経営宿や、娼婦宿や店や違法奴隷人身売買の拠点や怪しげな倉庫が資料を元に表記される。
私はこう思った、『倉庫には悪党が貯めたお宝が有りそうだから、横から掻っ払っても問題無い』と、こうして私は次の変身をして更に資金を増やす事にした。
「何か企んでる顔をしてますよ、シロウさん」
「はて? なんの事やら」
何故か楽しげな表情で、私をからかう様に見つめるシルヴィアさん、まあ別に良いがシルヴィアさんは何で姫なのにウィールデンに来たのか謎だ。
そして私はガリレオさんを、日本で接待計画と電車に乗る前にマナーを教える必要がある、何となくだが車内で騒ぎそうな気がするんだよね………ガリレオさんは。
私は田舎の景色を見せながら、塩尻に向かいそこから岡谷方面に行くルートを考える、岡谷・諏訪方面は鰻屋が県内で多分一番多い地域、まあ鰻の本場浜松や無駄に人口密集首都の東京と、比べては成らないからね………東京は特に冬でも人の密集で、暑そうなイメージだ…………田舎に比べて。
色々計画し、シルヴィアさんが何故か背後に付いて来る、私は背後のシルヴィアさんを無視をし玄関から靴を履き、扉を開き外に向かい撫子達の仕事状況や、果樹の状態を聞いて回った…………途中でシルヴィアさんはダウンしたが。
疲れて座るシルヴィアさんを、アンナ達に運んで貰った………野菜を入れるリアカーに乗せて、シルヴィアさんはアンナが乗るスクーターに引っ張られたリアカーに乗り、拠点の家に強制帰宅に成った、興味深いアンナのスクーターを見てたけどね。
因みにミニトマトを一口、シルヴィアさんに食べさせたら気に入ったらしく、目が輝いていたがまあ糖度管理しなくてもアンナ達の仕事と、白鯨の土壌のおかげで甘く美味しく柔らかい皮のミニトマトは、順調に収穫を増やしている。
因みに全員何処かで、味見と言うなの名目で摘み食いしてたりする、まあ良いけど余り大量に食わないでくれよ、特にアンナと撫子ね。
一応アンナには、コンバイン専用の収穫の田んぼと、自然乾燥の田んぼの二種類と時間差植えで田んぼ等の水田を、トラクター等を使い開墾して貰ってる、駄賃に諏訪の酒蔵の純米大吟醸酒四升を与えてる、何故か昨日追加で増やしたアンナαとβや撫子達までやる気に満ちてるが、撫子さんや機械の操縦出来るのかな?
因みにコンバイン用は、酒用や米粉や実家に渡す用だ、分身の懐と去年の米の高騰を考えると、更にお米の高騰が再び現代の米騒動が起きそうな予感がしたからだ。
因みに個人で家と農協に納品分を作らされても、今の世の中なら農協以外を選んで肥料を買えるが、私の記憶の祖父の米作りは農協しか選べない、高い肥料に安く買い叩かれるお米のイメージしかない。
今の農家の方が少しは、肥料を買うのを選べる時代だ、無論私も趣味でだがジャガイモを作ってるが、肥料はキロ数や成分等で値段が変わる。
海外産の肥料は安いが、信頼性を考えると買えないし農協は基本高いのだ、農協ブランド肥料だけに。
何が言いたいかと言われれば、作物は大量に成ると捨てるがその前に、必要な場所に売り肥料のお金を少しでも回収した方が良いのではと、私は普通に大量に成った野菜を捨てる大農家に思う。
まあ育ち過ぎた野菜を捨てたり、使えない豆ジャガイモを捨てたりはしてるが、それは食べるにはキツイからで小指の先位のジャガイモは、基本使う用途が無いからだ………個人が育てたジャガイモで。
さて野菜の話は此までにし、果物は何故か植えて数日で成長し、実が出来る大きさから更に成長し今や普通の果物農園位に、果樹は成長し摘果や枝の剪定の仕事が忙しいらしい。
電動剪定ハサミを大量に買い、一応シルフィー経由で配備済みだがバッテリーの充電課題が残ってたりする。
因みにスイカやイチゴは、大豊作らしい…………まあどうせアンナと撫子がそれなりに食べてそうな気がする。
カボチャは栗かぼちゃと、西洋カボチャのピーナッツカボチャを二種類収穫が始まった、ピーナッツカボチャは瓢箪型のカボチャだ、糖度が高く皮も薄いカボチャで煮カボチャでは上砂糖を使う量が抑えられる頼もしいカボチャだ、因みに栗かぼちゃの方がホクホクして美味しいが、上砂糖の量は従来と変わらない。
コロッケとかにも栗かぼちゃは必需品、あのホクホクしたカボチャはコロッケにも適応力が有る、因みに白カボチャ等追熟すると甘く成るのと、長期管理に向く品種等多彩に開発されてたり、日本独自に地域カボチャ開発がされてる。
ジャガイモが北海道や九州が多く開発されてるが、リンゴなら長野県と青森でお米は地域の気候変化で改良が今も進む。
現実白鯨では、日本の品種は全て生産可能だが、畑が大量に開墾しても消費する先が無いので増やす気は無い、その内落ち着いたら時風女神様にお菓子でも振る舞おう、一応異世界で暮らせる力を貰った恩は返さないとね、あと時見女神様と時波女神様にわたすのは、やはり甘いお菓子だよね。
全てを見て回れる程楽ではないので、一回ウィールデンの借り屋に戻り夜が更けてから行動を開始した。
バサッ
「……………何か、今度は痩せ過ぎてる様な………」
Rの文字の布の仮面姿だが、実際的には被ってはない………変身は以外に色々工夫が出来るらしい、コマンダーキャラ以外だけかも知れないが。
脱着式マントに、蒼ぽい中世イギリスのチュニック系軍服の様な服に、ズボンは白を基調にした長ズボンに軽いが重量干渉や異常なジャンプ力や、足音をサイレントモードにする不思議なブーツは必需品。
武器はショックレイピアとワルサーP38ぽい拳銃に見えるショックガン。
ショックレイピアは触れた相手を一瞬で気絶、あるいは痺れさせマヒ効果で動けなくし戦闘不能にする、ショックガンは電気の弾を撃つ拳銃で、一瞬の電気ショックで相手を気絶させる、飛び道具の武器は他にもバラを発射し眠りのミストを放つ、何かキザ系な手品的な拳銃に痺れ効果を付与した投げダーツと、目隠しに使う昔懐かしい煙幕花火は自前、音で怯ませる爆竹花火にネズミ花火も自前、異世界人には有効だが基本人に向けて投げてはダメな花火だ。
因みに蛇花火は黒いモクモクしたのが出るが、余り目眩ましとかに使える気はしない、火事の煙にも見えない量だし、置いて着火する花火だから余計に使えないが、他の手筒花火やロケット花火は色々派手だが、逃げる時に相手を怯ませる選択アイテムに使えそうだ。
特にロケット花火は、色々多彩な種類が在るし害獣用のロケット花火も売ってる、大半メイドイン赤いのだが…………
さて夏にでも、ガリレオさんを花火買って驚かせよう………何か、その時も隣にシルヴィアさんがまだ居そうな気がしなくも無いが。
私は声も確認したが、何かイメージとは違い何か声優の細○君ボイス何だが、何かイメージが変わって来る………私はイメージ的に、キザ系ボイスの大御所○ちゃんだと思ってたよ。
「さて行くか………」
何か締まらないな、細○君……声は格好いいがキャラがな…………違うんだよ、某高校バレーのエースではないのだよ。
「笑い方は『フッハハハ!!』が良いのだろうか?」
下らない事を考え始めた、史郎だった。
「まあ成るようにしか成らないから、さて行くか」
私は裏口から出て、最初の目的地のポールステルラ魔道王国の運河の港に向かった、因みにこのポールステルラにはウィールデンで唯一の、一般人で祝福された聖女が居るらしいが、それは大抵女神や神の恩恵で所属する孤児のシスターや、信仰する女性や貴族が成る役職らしいが、まったく無宗教だった一般人の少女が夢で指名され、何故か聖女に成ってしまったらしい………しまったらしいのだ。
何か神託的なお告げで、去年だかから赴任してるらしい………聖女とは、どんな仕事の役職なのだろうか?
私は屋根にシャンプし飛び乗り、軽やかに走り運河の倉庫に向け走る、途中噂の聖女が居る白い建物でステンドガラスが印象的な教会の屋根を駆け抜け、更に酒場が連なる場末の繁華街を抜け、更に娼婦街や安い宿屋が並ぶ安宿街や裏路地を抜け、人気が保々無い運河の倉庫密集地にやって来た。
「以外に早く来れたな、さて仕事の始まりだ!」
怪盗七つ道具を腰のポーチから取り出し、屋根が弱そうな場所から剥ぎ取り、忍んで潜入し、暗闇でも見える怪盗ロビン専用の特殊スキルを駆使し、音も響かずに最初の目的地に行くとやはり在りました、盗品らしき絵画や石像等の美術品や宝飾品や魔法武器や金銀財宝の山、早速インベントリに収納し盗品はダギルギルマスに頼んで、謝礼金を貰おう。
一応見張りらしき二人を眠らせ、一応お宝を頂いたとカードを置いてから脇に悪党を抱えて帰るが、冒険者ギルドに行くと残業してたダギルギルマスに声を掛け、何故か訝しげられたが悪党を手渡し盗品らしきのを渡すと、何故か感謝された。
「感謝より次に来たら、今回の礼金を貰いたい」
「………分かった、盗品らしきのは鑑定後に持ち主に返し、謝礼金を含め渡そう」
「ありがとう御座います…………」
何故か私の正体を知りたいらしいが、教えたら怪盗に変身した意味がない。
「お前さんの名は何と言う?」
「我が名はロビン、ロビン・フット……だ………此からも宜しくお願いする」
「まあ悪党が泣きを見るのは好きだが、俺の仕事が増えそうな予感しかしないな」
こうしてダギルは仕事が更に増えるのだった、複合施設内の冒険者ギルドオープン前から忙しく成る定めに成るダギルだった。
「ではまた」
「ああ、今度は入口から入ってくれ、イチイチ窓を開けるのが面倒だ!」
私の知った事ではない。
こうしてウィールデンに、新しい怪盗が登場したのだった。
「怪盗ラパーン九世の次は、怪盗ロビンかよ………賑やかに成りそうだぜ」
ダギルは知らない、怪盗ラパーンと怪盗ロビンは目的が違いそして、ウィールデンの闇ギルドが弱体化する始まりの日がこの時だと、ダギルは予想しなかったのだった。
「懐が更にホカホカぁ~!」
以外に史郎は呑気に、スキップしながら帰っていたのだった。
翌々日、新たな怪盗登場にウィールデンの新聞が活気立つ、そして闇ギルドは新たな天敵怪盗に怒りを燃やすのだった。
◆◆
暗い一室に汗を浮かべながら、男達は恐怖に顔を歪めて居た。
「昨夜我らの倉庫に、進入者により一つの倉庫に入ってた、我々のドンに送る筈のとある王家の子孫から盗み出した美術品まで、畜生………苦労した物を奪われるとわ…………」
「それはまずいぞ!」
「我々の首が飛ぶだけでは済まん………」
「何処の馬鹿だ、我々の倉庫に進入したのは!」
焦りと恐怖が、一室の空気に渦巻く。
「空の倉庫から、此が残されていた……らしい……」
「何だ!? この質の良い紙らしき物は!!」
「それにご丁寧にも、『R』と『怪盗ロビン』と綺麗な字で書かれてるぞ!?」
実際に直筆では、カードに書いてません、仕様です。
「更に『お宝は頂いた』だと!?」
「ご丁寧過ぎるアホなのか?」
「あのラパーン九世すら、名乗るだけなのにアホなのか?」
「何時かあのメス怪盗、捕まえてひん剥いてやる」
何かロビンに対して、非常識と吠える悪党達だが、紙は高価で大陸でも見た事も無い質感だった。
ゾクゾク
「!? ……………」
そしてとある店では悪寒が走る少女が一人居た、回りを見渡したが何も無いがその少女は、寒気の原因が分からず居眠りしたいのに出来ないのだった。
そして男達の会話は続く。
「一体どんな技術で、こんな高価な紙を使い捨てに出来るんだ!!」
「それよりもだ、この失態を知られたら………俺達は粛清されてしまうぞ」
「下手をすると、あの方々が動き出したらこの地は血の雨が降るぞ!」
「何とかせねば、あの方々が来ない内に対策をするぞ」
「「御意」」
果たして身内に恐怖を感じる悪党は、果たして生き残れるのか? 次回に続く。
・怪盗ラパーン九世
少女らしき怪盗で、歴代は全員男でありとある国に出没してた怪盗である、現在ラパーン九世だけウィールデンで現れて居る。