縁側十一匹目 積極的なシルヴィア様
私はガリレオさんと、撫子βの監視下風呂に入ってると思うシルヴィアさんを除いた、男女生き残りで話が出来る被害者達に話を聞いた、因みに盗賊のアジトにはガリレオさんが幻惑魔法と、盗賊の仲間を捕獲する魔法トラップをセット済、一応ガリレオさんが気に入りそうな日本の水羊羹を進呈した。
「不思議な食べ物だな、甘過ぎない不思議な喉ごしと食感だ!」
因みに安い水羊羹だよ、虎○の様な高い名店ではなく素朴な地域和菓子屋風の水羊羹だ、因みに地元の水羊羹ではないけどね。
被害者達は自分の所持品や、貴重品が在るか確かめて貰い冒険者ギルドや国からお見舞い金をだして貰う様に、ガリレオさんには動いて貰う算段だ。
夕方だがまだ日が明るい為、シルヴィアさんは食事中なのでガリレオさんと私で、アステネリア王国エリアのウィールデンの拠点から、まだ開業してないが新しい総合施設に在る冒険者ギルドに行った、ガリレオさんの名前を使いある程度の設備が整った冒険者ギルドに入った、ウィールデン・アステネリア王国支部冒険者ギルドのギルドマスターの、スキンヘッドで笑いがいちいちうるさい系の何か人情深そうだが、女性ギルド職員からは首が痛く成りそうな高身長で大柄だが、歴戦の戦士の様な風体をした人だ、そして二メートル以上は軽く有りそうな身長だ。
青系の軍服の様なチュニック系の制服は、筋肉で今にも肩や長袖がはち切れそうだ、一応胸元は開いてるが特注らしきワイシャツらしき白いシャツは、筋肉を膨張させない限りはち切れないだろう………たぶん。
「俺様がウィールデン・アステネリア王国支部のギルマス、男前のダギルだ……宜しく」
自分で自分を男前と言う自信家らしい、まったくそう見えないが………どちらかと言えば某有名なアニメの、あの海坊主とかファル○ンだな……自信過剰に極フリした残念なね。
「私はガリレオさんの仲間の、史郎 猫街ですダギルさん」
一応自信過剰な海坊主に対しても、挨拶は必要なのだ…………それが嫌な人間だろうと、セクハラ上司だろうが社会人は挨拶しないと後々面倒だったり、印象に左右される対応をされたり等面倒な事も起きるからだ、本当はストレスで胃が痛く成ったりするから、本音は嫌な人間と挨拶はしたくない………ストレス胃で、トイレから出れなく成った時もあったからだ、社会人は色々とストレス胃に成る人種も居るのだ、私はコミニュケーションが上手い方の人間ではないから、良いよな若くてコミニュケーション能力最強の主人公は、コミニュケーションには苦労が少なそうでオジさんには羨ましいよ。
「久しいな、まさかお前さんがアステネリアの新たな支部のギルドマスターとはな、ダギル」
「昔は何回か冒険につるんで行ったな、ガリレオ殿」
「貴公の豪快な大剣技は、誰にも真似できんよ」
どうやらガリレオさんの、古い知り合いらしい。
「あたりめぇーよ、まあ六十年位前の最近の話だがな」
「確かに最近と言って言いな」
「ガハハハッ!!」
「相変わらずの豪快な笑いだな、フッ……」
最近の使い方、少々間違ってませんか二人とも? あとあのスキンヘッド、声と笑い声がうるさい………頭痛がする。
「こんな日が暮れそうな夕方に、まだギルドかオープンもしてないが、何かまたやらかしたのか? ガリレオ殿」
「我輩をトラブルメーカーにするでない、ダギル」
実際トラブルメーカだと思うよ、ガリレオさん………色々やらかしてるし、一般の人からの噂も何か評判低いし、魔法の才能以外での評判が。
「それで、アステネリアの大賢者殿がどんな要件だ? 一応頼まれてた、若い男性職員を呼んできてるが」
ガリレオさんは、ダギルさんに近寄り耳打ちすると、ダギルさんは『正気か?』と言った顔に変わって行く。
「貴公の顔がそう成ると思った、だが真実近くに居た盗賊を生け捕りにし、異界の魔族を倒している」
「あの気持ち悪い、悪魔みたいなのね」
私がそう言うと、更にダギルさんは驚き私を見て居た。
「兄ちゃん、冒険者でもないのに、お前さんも居たのか!?」
「まあ諸事情で…………」
何故かガリレオさんの時より、更に驚いた顔をされてる気がするのだが。
「…………特別に、お前さんも冒険者登録してくれと、ガリレオ殿に言われてるが………まあ登録だけなら良いか」
何かを諦める様に言う、何故に何かを諦めた様に言うのかね?
こうして大量の戦利品と盗賊の引き渡しに、寝てるが生きたまま渡したプラス報酬と賞金首の代金等、日本円で二億円近くのお金に成った。
あと盗賊のアジトに有った、何枚か羊皮紙の書類は出してない、確認後重要なら渡して情報料として貰おう、情報とは何時も貴重な物だ。
因みに金貨は渡してない、持ち主も不明だし悪党の金だから問題はない、因みに一部のマッサージ機的なのやメイド服は持ち主が、大人の趣味嗜好のなんちゃってメイド店だった、夜の御奉仕の方らしい…………私、気になります…………まあ店に行く勇気有ればだけど、因みに何時か店を持つ時は必要な筈、日本のコスプレ店か職業制服専門店辺り頼もう。
そして何故か回収してた、冒険者等の遺体も渡すとまだ蘇生出来そうな遺体を運び、他のエリアに居る聖女だか神官達を連れて来るらしい、たまに一日経った遺体も奇跡で蘇生した事例も在るらしい、因みに蘇生魔法大半は死後半日以内が一番、蘇生成功率が高いらしい。
「予想外に大金に成ったな、史郎」
「一部絵画や骨董品は、礼金出るらしいしがガリレオさんには、日本の鉄道を体験して貰って感想を聞きたいし、たぶん新幹線とかより先に必要な交通機関に成ると思うよ」
私の話を聞いたガリレオさんは、何故か嬉しそうだった。
「うむ、それは楽しみだ」
「日本の食事もご馳走するさ」
「!?」
『食事もご馳走する』に何故か、ガリレオさんは凄い反応をした………まあ鰻とか、ガリレオさんは喜びそうだな………季節的には、まだ向こうは一月だから諏訪湖ではワカサギ釣りが出来るシーズン中だ、まあしないが…………道具とか無いし漁業権とか買うと、何回も釣り道具とか使わないと勿体ない気分に成るから。
こうしてシルヴィアさんを除いた、被害者の引き渡しを済ませ戻れば何故かシルヴィアさんは、むくれた顔で私に言う。
「私の事を言ってませんね!」
「はい、一応言わないでと言われたので」
「…………なら良いです、あと私はシロウさんと暮らします」
「何でやねん!」
私は全力で思った事を口に出すが、シルヴィアさんは何故か嬉しそうに私の手を握る、何でやねん!
「はて? ……前に何処かでシルヴィアて名を聞いたような………」
何かを思い出そうとするガリレオさん、何故か焦り出すシルヴィアさんは言う。
「気のせいですよ、大賢者様」
(思い出さないで!)
何故にシルヴィアさんが焦ってたかは、私は後に知ることに成る。
「さて疲れたし、風呂に入ってから夕食だな」
「マスター、肉じゃが作りましたよ」
「ありがとう撫子」
「どういたしまして」
にこやかに言う撫子、今日は撫子の手製肉じゃがが夕食に成った。
「史郎は毎日良く入るな、風呂は贅沢な筈だが」
「そうか?」
まあ習慣だし、日本では普通だったしな………毎日風呂なんて、昔は朝風呂もしてたしな。
この日はガリレオさんとシルヴィアさんも含め、何か大所帯での夕食に成った、因みに二人は箸は使えないが興味津々に箸を見ていた。
夜に戦利品の出して無い方を確認、此は被害者の居た場所ではなくシルヴィアさんが居た場所の隠し部屋の戦利品、まあ全てを出したとは言ってないしな。
「やはり羊皮紙らしいな、初めて触ったがやはり紙とは違うんだな、何かインクが滲んでるし書くのも大変そうだな…………」
羊皮紙の内容は、盗賊の各アジト支部の連絡事項や組織の新たな案件、ウィールデンの不穏な動きや貴族の依頼等が有り、そしてその依頼の一枚を見てしまい私はシルヴィアさんの正体を知る。
「何てこった!? シルヴィアさんはお姫様なのかよ!」
一応アーティファクトを外すとは言え、シルヴィアさんに不敬をしたので殺されないか不安に成り、この日ノミの様に弱い精神な私は、夜明けまで寝れなかったのだった。
そして私は目を覚ますと、何故か柔らかい感触と何かいい匂いと何故か抱き枕にされてる私、確か鍵はしてなかったけど部屋を教えてはないし、布団をはぐればシルヴィアさんだったが………何故にこうなった?
「シロウさんの匂い、私は好きですよ…………てふぁ~!!」
驚きたいのは私何だが、一応私は抱き枕ではないから離れて欲しい。
「起きたらな、昨日してくれなかった続きして下さいね♡」
「何の事でしょうか?」
「身体は正直ですよね」
はてはて何の事やら、そんな事より私は昨日見てしまった羊皮紙の内容を、シルヴィアさんに聞いたら。
「…………私は王女ですが不敬に成りませんよ、私が訴えない限りね」
私は弱味を握られたらしい。
「シロウさんは私を助けてくれた殿方ですし、貴方はたぶん私の運命の人」
(エレローラ叔母様が見た未来視の人物が、シロウだった場合ね)
「運命の人は気の迷いですよ、シルヴィア様」
私が様呼びにすると、シルヴィアさんは膨れっ面で睨む。
「シルヴィ!」
「はい、シルヴィ様」
「だめ、シロウは私の裸を見たのだから! 責任取って、私を恋人にしないとダメなの!」
何故に助けた時に確かに見たが、アレは不可抗力であり傷物にはしてないし、夜の火遊びをし責任を取らないと成らない事態でもない、だが弱味を握られてる現状私はシルヴィアさん……様から逃げられない。
「姫の貞操を奪って無いのに…………しくしく」
「何時でもあげるわよ、シロウが私に夢中に成るなら」
私は真顔でシルヴィアさんに言う。
「いや、貞操は自分が好きな人に捧げなよ」
「………シロウのバカ!」
何故か怒られた、シルヴィアさんとは身体を重ねる様なそんな知り合いでも仲でもない、私は助けた側でありシルヴィアさんは盗賊に依頼した貴族の被害者にして、危うく盗賊の慰み物にされそうに成ったか弱き美少女のお姫様だ。
「私は王女だけど、第七王女で保々貴族令嬢と変わらないわ、王族の公爵令嬢だけど」
「姫ではないですかぁ!」
貴族令嬢ではないよ、公爵令嬢じゃあねぇーかぁー!!
私はもう内心ツッコミに疲れて来た、更に私に抱き付き好感度が高いシルヴィアさんと、私の温度差が全く違う…………何故にこんなに好かれてる?
私はため息をしながら、布団から出ようとしたが抱き枕にされた私を離さないシルヴィアさん、何故か凄く安心した緩んだ顔で居る彼女を剥がせずに、シルヴィアさんが飽きるのはそんなに長くも無かった、それはお互い空腹の腹の虫が鳴いたからだ。
「朝食にしますかね」
「シロウ?」
「何ですか? シルヴィア様」
「シルヴィて、呼び捨てにしてよシロウ!」
何でやねん、そんな親しい間柄に成った覚えはないが。
「早く朝食を食べたいのですが?」
「だからもう、シロウのいけず……だけどお昼は過ぎてるわよ」
私は固まった、明るくなるまで眠れずに居たがいつの間にか寝落ちはしたが、まさか昼過ぎまで寝てるとは、休日に溜まったアニメを観て寝落ちした時位だ。
(でもシロウが寝てる時に、シロウに何度もキスしたのは秘密だけど、凄く気持ち良かったし何か幸せを感じたわ)
この王女、結構積極的過ぎないだろうか?
何故かシルヴィアさんが、顔を赤くしながら顔を私の胸に埋めるのはやめて、理性が吹っ飛びそうに成るから………美少女免疫ないオッサンに、それは劇薬だよシルヴィアさん。
私は何とか、理性を保ちながらシルヴィアさんを連れて、カップ麺を取り出しお湯を注いで待つと、シルヴィアさんは不思議そうに質問をする。
「この不思議な物に、何故お湯を注いだのかしら?」
「その内分かるよ」
「確かに粉らしきのから、美味しそうな香りがしたわ」
まあ私はカップうどんだけどね、因みに赤い方しか贔屓にしない消費者だ、某自称アイドルとか言ってた音痴の人が出てた、あのCMのうどんは合わなかったので、それ以来食べてない。
因みにシルヴィアさんのは、外国人受けしてるかは不明だが鳥のラーメンである、そうあの歴史在るあのインスタントラーメンだ、ベビーなラーメンではないよ。
シルヴィアさんに、プラスチック製のフォークを渡し時間と共に、蓋を開けシルヴィアさんは蓋にしてた皿を取り、二人して遅い昼を食べた。
「…………美味しいわ! 初めて食べたけど、アステネリアには凄い食事があるのね」
悪いシルヴィアさん、それ日本のインスタント料理なんだ、料理とは余り言えないが一般的に助かる食べ物だな、レトルトカレーやレトルト牛丼もだけど。
「お湯を注いだだけで、こんなに素晴らしい料理が在るなんて素晴らしいわ」
その賛辞は、インスタントを発明品した先人に送ってくれ。
こうして私は、シルヴィアさんに弱味を握られたまま、新たな住人に成ったシルヴィアさんと暮らす事に成った、この先で更に私を取り巻く環境が更にシルヴィアさんを中心に変わり始める、それは異世界での生活が更に変わり行く分岐点の一つだったかも知れない。
次回に続く。
・ダギル
冒険者時代に沢山の功績を獲た、冒険者の一人だが最近出来ちゃった婚したついでに冒険者から足を洗い、冒険者ギルドで経験を積み新しい支部のギルドマスターに就任する。
就任しギルドがオープンする前に、長く冒険者ギルドが困ってた組織の盗賊が、生きたまま引き渡されて更に運が向き始めるキッカケに成ったとは、この時のダギルは知らないのだった。
後に女性職員達が、昼休みに一斉に飛び出し何処かに食べに行く光景が、昼の名物光景に成ったりする。