縁側八匹目 白金色のピアノの妖精姫
私の名はシルヴィア=ル=ルーステア、今年で十七歳でアルステア王国の第七王女をしてるわ。 私の実のお父様はルバーン公爵で、私は父の兄である叔父様のドルディーア王に、ピアノの才能を見込まれて養子に入ったの、二十年前に前国王が隠居を表明して、叔父様が国王を就任し新しい試みとして、王族の親戚の若い才能を外交に使う試みを始めたのが、今に至るらしいわ。
私は叔父様の、私の秀でたピアノの才能を使い外交特使の一人として、ピアノ演奏と私の容姿を気に入り私は、王族の親族として十四歳で養子に迎い入られたのよ。
迎い入られた当時は、私も張り切ったわ………あのピアノレッスン教師に出会うまでわね、最初の一年は親戚の養子入りしたお姉様や、そして甥達と一緒に王族が請け負う外交特使の説明や教育を受けたわ、ピアノのレッスンも普通に前と変わらない先生に指導して貰ったの、この時の私はまだ幸せだったわ。
そして私はその一年半後、叔父様のお気に入りらしい栗色の髪をした、見た目は優しそうな叔父様と同じ年齢位の、自称元・プロピアノ奏者カレンさんから、何故かいきなりピアノレッスンを受ける事に成りました。 私は尊敬する、前の先生に戻してと言っても叔父様は聞く耳を持ちません、仕方なく私が知らないカレンさんのレッスンを受ける事に成りました、一応十七歳でもそれなりにプロだったピアノ演奏を、私は知ってる筈ですが………『カレン』と言う名のプロ奏者を、国内では私は知りません。
※注意∶ドルディーア王は、この世界で見た目は三十代で、実年齢は八十位ですが地球とは違い、八十台ですが違い見た目通りの三十代肉体年齢、長寿人類の為地球の年齢は適応されません、しかも一年二十四ヶ月と地球の常識が通用しない、異世界の環境です。
最初は優しい言葉で、基礎の復習や基礎体力底上げ等、一応王族だから基礎体力としては、剣術も並程度に護身用に扱えたから、それなりに体力はあると思うけど仕方なく体力づくりをしたわ。
あと何で義父様と呼ばずに叔父様と、今何故に回想してるかと言えば、叔父様の立場が悪く成り女王であるエレローラ叔母の調査と、お父様の調査と私に対してした暴力のリークにより、元・自称プロピアニスト奏者のカレンさんは、私に対した暴力がやっと認められたのよ。
そして長年の国王の過労を、隠居し癒してたお祖父様………前国王の、自分の息子の情けなさの怒りの雷魔法を放ち、叔父様は死ぬ寸前まで魔法を叩き込まれて、暫く公務はお祖父様がする事と叔父様は失脚したわ、叔父様の尻拭いでお父様は仕事が増えたと死んだ顔をしながら、お母様にぼやいてたらしいわ。
カレンさんは確かに最初は良い人でした、レッスンを初めて一年後から鞭の痕が残らない鞭を使い、少しでも汗を拭こうとしたり疲れて演奏を休もうとしたりすると、鞭を振るって来たわ。
それは他の理由での、王族の特使としての作法や勉強でレッスン時間に遅れたら、棒状の鞭で身体やたまに顔を狙って叩いて来ました、アザが残らないのを逆手に取り、更に行為がエスカレートしました。
私が辛くて泣けば、顔をビンタから殴るにエスカレートし、たまにお腹を蹴られた時も有りました、何処から手に入れたかは不明ですが、回復アイテムで顔やお腹のアザを消してました、私が何故か助を呼ぶ悲鳴を上げても、外に居た騎手達は助けてくれませんでした。
私は暴力を受けるだけではなく、何回も直接叔父様に直訴したのに、叔父様は言います「そんな筈はない、嘘は良くないぞシルヴィアよ、真面目にレッスンを受けてないからではないかね?」と、まったく話を聞いてくれませんでした、エレローラ叔母が近くに居ない時しか、会ってくれませんでしたけど、それはエレローラ叔母様に不倫をバレたくなかったからと、後にお祖父様とエレローラ叔母様に説明され謝られました、お父様は叔父様の処分の甘さをお祖父様を睨んでました、あとエレローラ叔母様は私と同じ被害者だと思います。
他の叔父様の妻達も、エレローラ叔母様に加勢し最終的に多額の慰謝料を請求されてます、叔父様の国王権限以外での唯一の資産の領地を、没収される事態に成りました…………が、お父様は信頼を裏切った叔父様に対し、兄弟の縁を切り怒りのタコ殴りでお祖父様に止められるまで、殴ってくれたらしいですが……そして叔父様は、魔法で癒えない病気治療名目で謹慎監視後、お父様に殴られ過ぎて顔が治らない姿で数年後に、病気で死んだ事にして処理する様です。
因みに王妃であるエレローラ叔母様は、お祖父様とお祖母様と一緒に、第一王子のセルジオお兄様が国王政務を一人前に成るまで、スパルタで三人で第二王子のルークお兄様も含めて、国王がする公務や行事や最低限の不倫をしたらどうなるかの認識を、悪い見本を晒しながら教えるそうです。
因みにカレンさんは、昔学生時代に叔父様が火遊びした女性の一人で、他国の貴族令嬢でピアノの才能は昔はあったらしいです、叔父様に出会い火遊びをし自分が妃に選ばれると思い、ピアノを弾くのを辞めて叔父様のハーレムの一人として、呼ばれるのを待ってたらしいです。
因みに王妃であり私の叔母である金髪が美しい、国の至宝と呼ばれるエレローラ叔…………王妃様は、叔父様と婚約者であり叔父様もカレンさんと火遊びするまでは、エレローラ叔母様一筋だったらしいわ………でも王子であるお兄様達は、複数の婚約者が国内外に居ますけどね、エレローラ叔母様やお祖父様に婚約者達に会わせる約束もしたらしいので。
兄達はモテますからね、王子と身分隠してても三人位お兄様達の優しさや、度量の広さに惹かれる女性が居ますし、お兄様達も外見だけの女性に靡かないですね、私の四歳下の第二王妃の子のアラン君は、叔父様にも第二王妃のエルナ様にも似てません、何せ英雄や勇者に憧れを諦めないですから、来年辺りにウィールデンに行き、見識を広げると言う名の留学をするらしいので、何故か異性に興味を持たないアラン君、婚約者のリーズリットちゃん大変ね…………一応アラン君は第三王子だけど、正義の為ならヤンチャもするわ。
第二王妃のエルナ様は、天然なおっちょこちょいでマイペースな方です、一応残りの叔父様の十九人の王族非公式側室を除き、お祖父様が王妃として認めた方ですね。
側室からは、叔父様の子は何故か居ませんが、エレローラ叔母様が何か知ってそうですが、怖いので聞きません…………何せエレローラ様は、未来視のGiftを持つ特殊な能力者ですが、未来視は無数の可能性だけに過ぎず、叔父様が何か仕出かして雷が落ちる以外は、まったく予見出来なかったらしいです、未来視も万能では無い様です。
そう言えば昔、真剣な顔で私はエレローラ叔母様にこう言われたわ、「シルヴィアは近い未来で、きっと国を大きく変える程の出逢いと、貴女自身の身の危険が予知したの、だから貴女の警護は私は口出し出来ないけど、自分の身を最低限護れるアイテムや強さを手にするのよ」と、私はそう言われたわ………そしてこの身の危険て、やはりカレンさんの事だと私は思ったわ、あの日までは……………。
そして、エレローラ叔母様はこうも言ってたわ、「だけど最後には、シルヴィアの人生を左右する人に助けられるわ、貴女がその人と結ばれるかまでは見えなかったの、何故か貴女の未来だけね…………」何故か、難しい顔で私を見ながら幼い私に言ってました。
カレンさんの一件で私は鞭で叩かれるフラッシュバックで、ピアノが弾けなく成った以外は異性の出会いは、無いわね…………変な地方の領主の息子から、変な何とも自画自賛な愛を囁く様な微妙なポエムらしいのが、何通も来たわね…………彼以外にも同じポエムらしきお手紙が来たわ、大抵私を俺様の妻にするから的な手紙だったわ、私は更に憂鬱に成り部屋から出れなく成りました、何故かリーナ………私の警護隊長だったエロリーナが何処から話を聞いたか、私にポエムを送って来たややナルシストな方々の屋敷に突撃し、暴れたらしいですが何故かお祖父様もエレローラ叔母様も、何故かお父様やお義兄様達も止めなかったらしいです、特にお父様は自分も行く気だったとか…………。
そしてエレローラ叔母様は、最近ですがこうも警告してました。
「シルヴィア、貴女を女性としてではなく、良からぬ思い込みで貴女を手に入れようとする、悪しき者が現れます…………未来視では彼を捕まえれません、ですから何度も言いますが、自分の身を護れるのは貴女だけよ、貴女がウィールデンに行く未来視が初めてハッキリ見えましたが、何故かその先が見えなかったの、でも貴女の笑顔は素敵に輝いてたわよ」
そう私に言い、エレローラ叔母様は餞別に一回だけ遠くに逃げる、不思議な腕輪を貰ったのでも叔母様は、「たぶん此を渡しても、未来は変わらないかも知れません、でもシルヴィア…………貴女の未来は貴女だけの物、何かを得て帰って来てね…………貴女のお父さんとアンナを、私とマルチナさんで何とか食い止めるわ、それに気分転換も時には必要よ…………アステネリアの留学を、あの事が無ければ行けたのに………御免なさいね……シルヴィア……」
「エレローラ叔母様…………」
私は叔母様に声に成らない涙を流し、背後からもお母様に優しく頭を撫でられ私は旅に出て、エレローラ叔母様推薦の安全な乗り合い馬車で旅に行く事になりました。
私は城を出る時に、マルチナお母様にとエレローラ叔母様に、抱き付き感謝してシスコンなもう結婚してるのに従妹の私にも甘々な、第一王女であるアンナお姉様は怒らせると怖いですが、旦那様がお姉様の暴走を止められる人なので、実の父親のドルディーア叔父様を危うく、ルクトールお義兄様が領地で引き留めて無かったら、殺していたかも知れません。
因みにドルディーア叔父様は、今も幽閉されてますよ…………お父様の声だけで、怯えてるらしいですが……………たまに、お祖父様の声でも怯えてるみたいです、死にかけたのでトラウマに成ったらしいですが、私はカレンさんのおかげでピアノが弾けなく成ったのですよ、叔父様…………。
そして私はカバンを手に、エレローラ叔母の未来視の後押しもあり、「彼氏でも探してきなさい、シルヴィアにはピアノだけが人生ではないわ」と、優しく送り出してくれました…………お父様がお母様に、顔面を鷲掴みされてましたが…………見なかった事にします、近くにリーナらしき屍が横たわってましたが見なかった事にします。
こうして私は、王都を馬車に乗り途中で他の乗り合い馬車に乗り継ぎ、国境を越えアステネリアに入り一路私はウィールデンを目指し向かいました。
そして後日談、私を警護しなかった騎士は、一番厳しいモンスター討伐部隊の厳しい隊に入れられ、隊長である私と同い年の金髪赤眼のエロリーナは、国王命令で城内の警備を外されてので、軽い謹慎に成ったのだけど、部下の不始末とか部隊の解散で色々リーナは色々な方々のから、叱責されたらしいわ………そして謹慎の筈が色々やらかしてるのに、誰も止めなかったポエムの一件だったりするのよね。
こうして私は、この先に悪夢が待ち構えてると思いもせずに、呑気に物見遊山しながら他国の料理に舌鼓をして旅を続けたのよ。
次回に続く。
・アルステア王国
地球のブルガリアに近い国だが、国土も広く一部地域には昔移住して来たとされる、何千年居るのか分からないハイエルフやエルフやハーフエルフが、薔薇を手入れしたり人間と薔薇の香水等を作って居る。
アルステア王国名物は、ヨーグルトとエルフもドワーフも仲良く飲むとされる、珍しいフルーツ酒やキッシュとは違う郷土料理の、パイ生地にヨーグルトやチーズが入ったパニツァが朝の朝食に出される、キッシュとは違いヨーグルトとチーズが特長である。