目を覚ましたら……
「うん?ここは……宿……か?」
「っ!?ご主人様!!」
目を覚ますといきなり小さいホーリーが抱きついてきた。いや、お前とぐろを巻いたら縦幅1m位あったよな?今は多分半分の50cm位しか無さそうだ……
「なぁホーリー、お前もっと大きかったよな?何があった??」
「あっえっとですね……進化?したらしいです」
「進化?」
進化ってあの進化?スライムが大きくなったりゴブリンが賢くなったりオークがなんかイケメンになるあの進化?
「ちょっとステータス見るぞ」
「あっはい!」
名前 ホーリー Lv7
種族 フォレストスネーク
HP165/165
MP160/160
種族スキル 硬化 シャープファング 光合成
スキル 索敵 蛇睨み 中級草魔法 初級木魔法 小大化
「ふぁ!?」
なんか色々増え過ぎてて驚いてしまった。というか種族がフォレストスネークとかいうのに変わってる。けど見た目の変化は何も……と思ったがなんか尻尾の先に葉っぱが生えていた。多分種族スキルの『光合成』はあの葉っぱでするのだろう。あと大きさは『小大化』というスキルによる効果か……便利だな
「あ、やっと気づいたんですか?変化には早めに気づかないとモテませんよ?」
「別にモテなくても良いよ、少なくともあと三年はな」
「……?なんで三年なんですか?」
「俺の旅の一旦の終わりが三年だからだ。それぐらい経ったら村に戻って生存報告ぐらいはしとかないなぁ〜って思ってな」
「へ〜ご主人様にもそういう心があったんですね。てっきり親孝行なんて一ミリも考えてない人だと思ってました」
「一体どこをどう見たらそういう印象になるんだよ……まぁ良いか。そういえばニロはどこに行ったんだ?依頼か?」
「ニロさんは確か……師匠さんと一緒に修行をするって言ってましたね」
「師匠!?誰なんだよ、それ」
「ご主人様と私を助けてくれた恩人ですよ。一撃であのスライムを倒した時は流石に驚きました」
「一撃……」
あのスライムを一撃で……か。その人はとんでもない強さを持っているのだろう。俺もいつか一撃とまではいかなくても安全にあのスライムを倒せる位には成りたいな
「なぁホーリー、ニロがどこで修行してるか分かるか?」
「え?まぁ場所は聞いてますけど……流石にいかせませんよ!?ご主人様はまず身体を治すことを優先して下さい!」
まぁ流石に教えてはくれないよなぁ...…仕方ない、自分で探すか。って出歩こうとしたらホーリーが着いてくるから駄目か?うーん……あっ!そういえば短剣壊れてたんだっけ?武器屋を探すってならホーリーが着いてきても問題なく街を歩き回れるな
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という訳でホーリーの説得に成功してニロの修行場所を探しながら武器屋を探してるんだが……今更だけど修行場所が街中な訳なかった。我ながらもう少し考えて行動すべきだったな
「ご主人様、あの武器屋とか良いんじゃないですか?」
自分の考え無しの行動に反省しているとホーリーが武器屋を見つけたらしい。そういえば武器屋に行くのは初めてか?前回は雑貨屋に売ってた売れ残りの短剣だしな。
ホーリーが見つけた武器屋は見た目だけなら普通の家だが武器屋と書いてある看板が掛けられていた。
「なんというか...…思ってた武器屋と違うな」
「まぁ武器屋を自称してますし早く入りましょう!」
「お、おう...…」
俺が思ってた武器屋はもっと厳つい花屋みたいな感じ...…例えば花の代わりに防具やら武器やらが飾られいるとか思ってたがそんな事無かったな。
ドアを開けて最初に目に入ったのは普通の家の外見からは想像つかないような武器や防具の数々...…ではなく甲冑を着てカウンターに座っている人だった。
「お客さんいらっしゃい!何をお求めですか?ってここは武器屋だから武器か!はっはっは!」
「ええーっと...…お邪魔しました〜...…」
俺はそっと開けたドアを閉じようとしたが閉まらなかった。
「ちょいちょいお客さん、すみませんって!というかやっと来たお客さんなんです、せめて商品ぐらい見てって下さい!!」
「そりゃ見た目普通の一軒家で武器屋ってあるから入ろうとドア開けたら甲冑着てる人がカウンターに座ってるんですから出ていきますよ!?というかなんで甲冑着てるんですか!せめて頭は外せよ!」
「仕方ないじゃないですかー!素顔見られるの恥ずかしいんですよ!!」
「よくそれで商売しようと思ったな!?」
「あっ!手を離しましたね!?さぁ商品を見てって下さい!!」
驚きで手を離してしまい無理やり店内に押し込まれた。はぁ仕方ない、軽く見てさっさと別の店に行こう。
「お客さん、どうですかうちの商品は!素晴らしいでしょう!」
うーん...…比較対象が売れ残りの安物品しかないからどれも良いものに見えてしまう...…うん?なんか禍々しいのが一個混じってるんだが?
「すまん、これだけ禍々しいんだが...…なにこれ?」
「何って短剣ですよ?まぁ製造過程で色々ありましたけど...…大丈夫ですよ!」
「うん、まずはその色々を教えて欲しいかな!」
「ご主人様、ここヤバい気がするので他の店にしません?進んで入ろうとしたの私ですけど...…」
「うん、俺も他の店の方が良いんじゃないかって思ってきてるとこだ」
そうしてドアの方向を向くと凄いスピードで甲冑店主がドアの前に現れた
「おっとお客さん、逃がしませんよ!?一割の値段にするのでせめて何か買ってて下さい!」
そして逃がさない宣言&まさかの90%オフ宣言をして土下座した。いや、そこまで切羽詰まってるのかよ!?
「えーっと...…はぁ分かりました、取り敢えずこの短剣に何があったのか聞かせて貰えますかね?場合によっては買います」
「良いんですか!?なら話します!!と言ってもそんなに長い話じゃないんですけどね」
店主が言った事を纏めると、あの短剣は自分の作品ではなく拾い物で禍々しいのは拾った時かららしい。
「いや、そんな物売るなよ!?」
「ごもっともなんですが...…生憎自分は作る専門で使う事はできないんですよ。それで武器なのに使い手がいないのはなぁと思いまして...…」
うーん...…見たところ以前使われていたとは思えないぐらい刃が綺麗だ、少なくとも売れ残り品よりかは。それを考えると別にこれで良いのでは?と思ってしまう
「ちなみにだが...…これを買うとしたらいくらだ?」
「え?そうですね...…銅貨五枚ですかね」
「いや安すぎじゃないですかね?」
だって銅貨五枚って...…薬草10本より安いんだぞ?いくらなんでも安すぎる。よし、買うか
「そんなに安いなら買います、というかそんなんで生活費の足しになるのか?」
「うーん...…まぁ売上げ0よりかはマシですね。これでも私は自分で採掘とか行ってますし」
「え!?」
「なんでそんなに驚いてるんですか...…」
「いや、素顔見せるのが嫌で店内でも甲冑着てる人が出歩くとか思ってなかったので...…」
「いや、外に出ないと生活とかできないですよ。あとタメ口で構わないですよ、さっきからタメ口だったり謎に丁寧だったりしてますけど」
「そうか?なら今後はずっとタメ口で話させてもらう」
「今後って...…もしかしてまた来てくれるんですか!?」
「まぁ気が向いたらな、それじゃ」
「絶対また来て下さいね!!」
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「むぅ〜...…」
「どうしたんだよ、そんなに頬を膨らませて」
というかそんなに頬膨らむのかよ...…なんか口に入ってるって言われても驚かないぞ、その大きさなら。
※大きさは大体林檎より少し小さい位です
「いえ、別になんでもないですよ!そんな事より用事が済んだんですから早く帰りましょう!」
「まっそれもそうだな」
武器は問題なく買えたしニロの修行場所は街の外に出れるようになってからだな。といっても回復魔法掛けて貰えたらしいからもうほぼほぼ問題なく動けている。大事をとって明日は休もうかと思ってたが特にすることも無いし明日からギルドの依頼を受けるとしよう。取り敢えずニロが帰ってきたら場所は無理だろうが修行の事やらなんやらを問いただしてやろう、そう決心して俺は宿でホーリーと共にニロの帰りを待った。
しかし、その日にニロが帰ってくる事は無かった。
アフタちゃん「え!?ニロどこに行ったの!?」
サブちゃん「流石にそれは言えませんよ...…あ、ハクを助けたおじさんは今回の件には関係してませんよ」
アフタちゃん「え!?ホーリーが作中で人間じゃないとか言ってたのに今回関係してないの!?」
サブちゃん「まぁ完全に関係ないって訳じゃないんですけど...…まっそこら辺は本編を、楽しみにしてて下さい」
アフタちゃん「気になるから作者は早く投稿しろ!!」
サブちゃん「今回はここまでですね、なんかいつもより短いような?」
アフタちゃん「次回も当作品をよろしくお願いします!!それじゃ、まったね〜」