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休日

「ふわぁ〜……」


目が覚めた、しっかしまぁ全身が痛い。我ながら良くあのゴブリンキングを倒せたものだと今になって思う。

さて、今日は換金と……うん、久々にゆっくり休むとしよう。持ち物の整理とかもしないとな……

そう思いながら朝食を食べる為に部屋を出ると部屋の前にホーリーが居た。


「おはようございます、ご主人様!!」

「あぁ、おはよう。ニロはどうした?」

「今日は一人で採取依頼に行くと言ってました」


昨日までゴブリンに石にされていたのに元気だな……


「そうか、ホーリーはどうする?俺に着いてくるか?」

「もちろんですご主人様!」


今更だがなんでこんなに忠誠心高いんだろうな、ホーリーは。聞いてみるか


「なぁホーリー、どうしてお前はそんなに俺に尽くしてくれるんだ?出会いだってよくある偶然みたいなものだが……」

「え〜私一応雌ですよ?頑張って察して下さい!!」

「お、おう……分かった」


うん、前言撤回だ。忠誠心は俺が思ったより低いかもしれない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あの後朝食を終え、ギルドに行って換金作業をしようと思ったんだが......久しぶりに武器屋?雑貨屋?の店主を見かけたので話しかけることにした。


「よっ、店主さん」

「ん?って貴方ですか......短剣が壊れでもしましたか?ってよく見たら腰に刺さってますね......なんか前より禍々しくなってません??」

「コブリンを倒して気づいたらこうなってた。店主さんも相変わらずの甲冑姿なんだな」

「えぇ、というか店主さん店主さんって......名前言ってませんでしたっけ?」

「いや教えて貰ってないな、という訳で名前教えてくれ」

「私の名前はカタリナです、呼び捨てで大丈夫ですよ。それで今からどこに行くんですか?あ、店で何か買っていきます!?」

「ギルドに魔石を換金しに行く途中だ、それと店には一応後で寄らせてもらうつもりだ」


荷物整理のついでに何か便利な魔道具とか買えたらいいなと思っている。


「分かりました、それじゃあ店で待ってますね!」

「了解、それじゃあまた店で」

「はい!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カタリナと別れた後はそのままギルドに直行して今は順番待ちだ。


「あの店長さんとは随分仲良くするんですね?」

「まぁな、武器屋なのか雑貨屋なのかよく分からないができるだけ人とは仲良くしといた方がいいんだよ」


前回もそうだったがホーリーは俺がカタリナと仲良くするのを好ましく思ってない。理由は不明だが俺の予想だとカタリナさんの甲冑の下は人間ではなく別の種族だからではと思っている。というか別の種族とかそんな理由じゃないと店の中でも甲冑を着たりはしないだろう、まぁ余程の恥ずかしがり屋とかもあるんだろうが......流石にあの性格でそんな事は無いだろう、出会って数日の俺が言うのも変な話だが。


「次の方〜」

「あっはい!」


どうやら俺の番が来たらしい。人が結構並んでいたと思うんだが......早かったな。


「今回はどういったご要件ですか?」

「えっと換金をお願いしたくてですね......この魔石です」


俺は空間魔法の付与された袋(正式名称マジックバック)からコブリンキングの魔石とコブリンジェネラルのであろう魔石を受付の人に渡した


「これは.....コブリンキングの魔石とコブリンクイーンの魔石ですね。合わせて金貨2枚と銀貨6枚になります」

「ありがとうございます、それじゃあ」


後ろに待っている人がいるので俺は直ぐに立ち去った。ちなみにだがさっき担当してくれた受付嬢は次の人にナンパされていたが華麗にスルーしていた。いや、急にナンパ始めたから思わず終わるまで会話を聞いてしまった。っと終わったのだし武器屋に向かうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ご主人様ってナンパとかに興味あるんですか?」

「ホーリー、さっきのは偶々次の人がナンパを始めたから結末が知りたくて聞いていただけだからな?」


まずい、ホーリーに俺がナンパに興味があると思われている!!やっぱり結末が気になるからって聞いてるべきではなかったな。


「ふーん......」

「いや本当だからな?そんな疑い深くならなくて良いからな?あ、武器屋(?)に着いたぞ」

「ご主人様、咄嗟に話題変えましたね?」

「そんな事ないぞ?さぁ旅の役に立つ魔道具でも探そうじゃないか」


そう言って店の扉を開けると相変わらず甲冑を着たカタリナが床にうつ伏せになっていた。

うん、どういう状況???


「えーっと......カタリナ、何があった?」

「はっ!その声はハクさんですね!ご来店お待ちしておりました!!取り敢えずなんでも良いので買ってください!!」

「買うので取り敢えず起きてもらっていいですか??」

「ご主人様、やっぱりこの店やめた方が良いのでは?」


うん、俺もこの店で物買うのやめた方がいいかと思ったよ。だが、なんかこのまま何も買わないとカタリナは死ぬ気がする...!!

にしても起きないな、この人。いや、起きれないと考えるべきか。ますます何があったか分からんな、声は元気だったし......本人に聞くのが一番だな。


「えっと、カタリナはさっきまで元気だったよな?一体この短い間に何があったんだ?」

「......なりました」

「え?すまん、もう一回言ってくれ」

「転けて動けなくなりました!!」

「は?」


思わず声に出てしまった。いや、声に出るのも仕方ない事だろう。いつも甲冑で動いてるよね?というか甲冑着て転けるのは分かるが起き上がれないってどういう事だよ。


「ふふ、見えなくても分かりますよ!不思議に感じてますね?なんでこの人起きれないんだ、と!実はですね、この甲冑は特注でして、一定以上の衝撃が加えられると甲冑自体が刻まれた魔法陣の効果により硬度が増します。しかし!その代わりに滅茶苦茶重くなります」

「あぁ、なるほど。転けた衝撃で甲冑が重くなり動けなくなった、という訳か。ちなみにいつなったら動けるようになる?」

「多分ですがあと10分位したら動けるようになります」

「了解、それじゃあ動けるようになるまでは適当に商品を見とくよ。動けるようになったら俺が求めてる魔道具があるかどうかの確認とかさせてくれ」

「分かりました、それじゃあすみませんが待っててください」


という訳で商品を見るんだが......ここはやっぱり武器屋じゃなくて雑貨屋だな。

武器よりも魔道具やポーションなどが多い気がする。というかカタリナのジョブってなんなんだ?普通に考えたら鍛治も出来て調合か錬金術が使えて戦闘もできるってどんな万能人だよって感じだ。

いやまぁ仕入れてる可能性もあるから本当にやってるのは鍛治のみかもしれないが......戦闘も出来て鍛治もできるなんて人もそうそう居ない。


「ご主人様、ちなみにですがどんな魔導具を探してるんですか?」

「あれ、言ってなかったか?俺が探してるのは野宿用の魔物避けの魔導具だ。なんでも魔物が嫌がる臭いを出す魔導具らしい」

「えっ......それって私大丈夫なんですか??」

「あ〜......最悪、野宿の時は魔力体になって俺の中に居れば良いだろ」

「ま、それもそうですね。大事なのはご主人様の安全ですから!!あ、けど買ったとしても出来れば使用を控えて頂けると......」


最後の方は声が小さくて聞き取れなかったがどうやら使用を控えて欲しいそうだ。それなりに安全な場所なら使用を控えることも検討した方がいいかもな。まぁこの店にあるかどうかまだ分かんないけど......こういうのを異世界では取らぬ狸の皮算用って言うんだっけ?なんで狸なんだろうな、例えが。まぁどうでもいいか


「あ、ご主人様!!さっき言ってたのとは効果が違いますがこんな魔道具なんてどうですか!?」

「これは......なんだ?」


ホーリーが向いている場所を見ると薄い円盤状の物が置いてあった。


「こんな魔道具は村には売ってなかったな、えっと説明書きは......これか。なになに......」


製品名 魔法防御の魔導具

効果 スイッチを押すと魔力でできた壁を半径2mの半ドーム状で形成する。


なるほど......緊急時にも使えるし魔物避けよりかはこっちの方が良いのでは?半径2mとちょっと狭いが安全を考えたらこっちの方が良いだろう、多分。

値段は......金貨5枚!?貧乏人にはちょっと高すぎる値段だな


「効果は良いが値段が高すぎるな、というか今更だが魔物避けってどれくらいの値段なんだ......?」

「効果範囲によるけど大体金貨1〜4枚ですね、ちなみに私の店で売ってるのはどれも自作なので他の店より多少は安いですよ」

「へぇ〜そうなのか......っていつの間に後ろに!?」


気づいたら店主さんが後ろに立っていた。動けるようになったのは良いとして急に後ろに立つのはやめて欲しいな、心臓に悪いから


「あれ、思ったより反応悪いですね?少しくらいは叫んでくれると思ってたんですが.....」

「いや、結構驚いてるからな?というか心臓に悪いから次からはやめてくれ」

「はいはい、分かりましたよ。それより魔物避けの魔導具を探してるのは話を聞いていたので分かりましたが予算はどれくらいなんです?」

「宿にさえ泊まれれば良いから......金貨2枚と銀貨6枚だな」


ちなみにだが今の俺の全財産は金貨2枚、銀貨8枚、銅貨20枚だ。できるだけ良い魔導具を買いたかったが......他の魔導具の値段を見る限りだと厳しそうだな


「うーん......足りないですね。というか街の近くの森レベルなら魔道具は必要ないと思いますよ?それよりかは武器......は無理そうなので防具とかを新しく買ってみるのをオススメしますよ?あ、なんなら従魔の蛇ちゃん用の武器を作りましょうか?」

「待ってくれ、防具は考えるとしてホーリー用の武器ってなんだ?」

「そうですね......実物が今は無いので説明しにくいですが多くの場合は意思で動く剣とか咥えて扱う用の剣、身体に付けて魔法の威力を上げる杖の代わりのアクセサリーとかすね。ハクさんの場合だと大きさ的に咥えて扱う剣がオススメですね。見たところホーリーちゃんの種族はフォレストスネークみたいですし」

「へぇ......よく分かったな。鑑定系のスキルでも持ってるのか?それともそれなりに魔獣の知識があったり?」


フォレストスネークの野生はそれなりに強く、名前の通り森にしか生息していないので普通に街や村で生活していたなら基本的には見ることのない種族だ。あ、けどこの街って近くに森あったし見たことあってもおかしくないかのか?


「正解は後者ですね、これでも元冒険者なので一般の人よりかは魔獣の知識を持ってます」


あ〜そういえばそうだっけ?聞いたことあるようなないような......うん、分からないからどうでも良いか!


「っと武器の話でしたね、これは私が現役時代の話なんですけど......」


カタリナの話を要約すると、とある依頼で一緒になったテイマーは自身は魔法などでサポートを行い従魔主体の戦闘を行ってたらしい、テイマーの鏡というかお手本のような戦闘スタイルだな。

とまぁそれは兎も角だ、そのテイマーが使っていた手法というのが従魔の攻撃をスキルのみに頼らず武器にも頼るという方法だった訳だ。

確かにこれなら様々な討伐方法を行う事ができる。そして更に俺が加勢することでより効率的に討伐できるのか......あれ、いい事尽くしでは??


「......ちなみにだが値段は?」

「オーダーメイドになるし......金貨二枚だね」

「金貨二枚かぁ......」


はっきり言って金貨二枚の出費はすっごく大きい、師匠との修行とかで依頼を受けることも少なくなる(?)だろうし急ぐ必要はないような気がする。大金が俺の財布から動くわけだしな


「まぁ考えてみるよ、っとそろそろ帰るか」

「え!?な、何も買っていかないんですか!?ほ、ほらこの『操糸術』のスキルとか特別に安くしますから!」

「へぇ......ちなみに値段は?」

「金貨1枚です!」

「カタリナ、お前って残念なやつなんだな......」

「え、なんで急に哀れみの目を向けてきてるんですか?哀れむなら何か買ってくださいよ!」

「分かった、分かったからそんなに引っ付くな!!」

「ご主人様に!!引っ付かないで下さい!!」


ホーリーが必死に剥がそうとしてるが尻尾の力だけではビクともしていない。あれだな、筋力増強的な魔導具を買ってみるのも良いかもな......


「ご来店ありがとうございました〜」

「はぁ......」

「カタリナさんってなんというか......凄い人ですね」


俺は結局、鋼鉄製の普通よりちょっと長い短剣を買った。値段は銀貨3枚、カタリナ曰くこれでも普通より安いそうだ。


「さてと......ホーリー、この後どうする?」

「え!?私が決めて良いんですか?」

「あぁ、折角休日にしたんだし従魔との仲を深めたいしお前が決めてくれ」


まぁ本当は予定とか考えてなくて結構長時間カタリナの店に居たし移動をしたもののやる事が分からなくなっただけなんだけどな、物は言いようである。


「そ、それじゃあ......」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「予定を決めていいって言ったらなんで森なんだよ......休日だぞ?」

「だって私人型とかでもないので装備とか以外で買い物をしても意味ないですし、遊ぼうにも遊ぶ場所なんてないじゃないですか。だったら森でゆっくりするくらいしかないじゃないですか!」

「いや、あるだろ。例えば......」


......あれ?考えてみたけど何も思いつかないな。

街って案外不便なんだな


「その顔、やっぱりないじゃないすか!!というか決めていいって言ったのはご主人様なんですからね?」

「分かってるよ。けどお前この森でゆっくりできると思うか?何もなしに」

「多分でき......なさそうですね。ご主人様、右斜め上方向から魔物です」

「了解、やっぱりゆっくりは出来ないよな」


ホーリーが言った方向を向いて警戒していると何かが走ってくる音が聞こえてきた。

思ったよりも移動が早いから多分ウルフ系統だな。群れじゃないなら有難いが......


「っ!な、なんだこいつ!?」

「ご主人様、驚いてないで戦いますよ!『ヘ蛇睨み』!」

「クワァ!?」


襲ってきたのは驚く事に鳥だった。

いや、飛べよ!?とツッコミたくなるがツッコミを入れる前に討伐しないとな。幸い、ホーリーの『蛇睨み』で完全に動きが静止しているからすぐに討伐できる。


「『首狩り』!」

「クワッ......」

「ご主人様、こんな鳥見たことないんですがて......なんなんですかね?」

「さぁ?図鑑でも見た事ないし......こういう時、鑑定用の魔導具とかあれば便利なんだけどなぁ」


村で売ってるのを見たことがあるが金貨10枚くらいするんだよな、あれ。とてもじゃないが手が出せない。


「まっギルドに持っていけば分かるだろ。そんじゃさっさと森を探索しようか」

「え、帰らないんですか?森だとゆっくりできないってご主人様言ったじゃないですか」

「お前がせっかく色々考えて選んだ場所なんだ、それに当分は街から動かないんだし今後の為に森でゆっくり出来る場所を探しておいて損はないだろ?」

「ご主人様......そうですね、それじゃあ進みましょうか!!」


この後俺達はたまに魔物に襲われながら森を探索し、無事にゆっくり出来る場所を見つけられた。何かの草が生えている場所で多分その草のおかげで魔物が寄ってこないのだろう。ちなみに一部の魔物は例外らしくその場所で遭遇したが魔物にしては珍しくこっちを襲う気はなくその場所で寝始めていた。まぁ襲う気がないなら戦う理由は何も無いな


「たまにはこういうのも良いもんだな、ホーリー」

「そうですね、これからもこんな日々が続くといいんですが......」

「残念だが、明日からは修行だ。まぁあれだな、修行が終わったらまたここに来るか」

「っ!そうしましょう、ご主人様!!」


その言ったのホーリーの姿は何故か、喜んでいる白髪の少女のように見えた。俺、疲れてるのかな......

まぁ良いか、可愛かったし。


「それじゃ明日からの修行、一緒に頑張ろうな」

「はい、ご主人様!!」



アフタちゃん「今回は平和......というか日常回だったね」

サブちゃん「作者曰く、前作ではこういうまともな日常回とかなかったし今作は入れていきたいよね。だそうです」

アフタちゃん「あと最後の方にさらっとホーリー擬人化の伏線的なのあるね、あれか実はホーリーはメインヒロインだったのか!?こ、これは異類婚姻譚路線の最後の方は幼なじみのニロ巻き込んでのハーレム甘々家族生活編となるのでは!?!?」

※そんな事は......あるかもしれないし、ないかもしれないです

サブちゃん「上の米印!ちゃんと否定してください!メインヒロインは一応ちゃんといるんですから。それにハーレムにはなりませんから!」

※作者のその時の気分次第で変わります、私はまだ希望を捨ててないからな!!例え公式の発表だとしても!!

アフタちゃん「米印が自我出してきた......終わりだよ、この作品」

サブちゃん「そうですね......え、今回はここまで??なんかカオスと化してるのに終わるんですか!?」

アフタちゃん「次回は地獄の修行編第一話、どうやら三話構成らしいよ、今のところ。それじゃあ今回も読んでくれてありがとう!」

サブちゃん「え、終わるんですか。本当にこのまま終わるんですか!?」

アフタちゃん「次回もお楽しみに〜」

サブちゃん「まじで締めやがりましたよ、この作者......」


なんか後書きカオスと化しましたね、まぁこんな作品ですが今後とも読んでくださると幸いです。

by作者



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